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【MT-10総力特集】買って後悔する人、しない人。維持費の現実と魂を揺さぶるCP4の正体

ヤマハMT-10 購入後の後悔と魅力・徹底検証レポート

こんにちは。「motofrontier」の「マコト」です。

ヘルメットの中で、思わず叫びたくなるような瞬間ってありませんか?信号待ちでふと見上げた空が妙に高かったり、エンジンの鼓動が心臓の鼓動とシンクロするような感覚を覚えたり。バイクに乗っていると、日常の景色が少しだけドラマチックに見えるから不思議ですよね。

先日も、なんてことのない缶コーヒー休憩をしていただけなのに、エンジンの余熱で温まった空気が妙に心地よくて、「ああ、生きてるなぁ」なんて独りごちてしまいました。

さて、今回はそんなドラマチックなバイクライフを夢見て、ヤマハのフラッグシップネイキッド「MT-10」を検討している方に向けてお話しします。ネットで検索すると、「燃費が悪すぎて後悔する」「熱で火傷しそう」「足つきが悪い」といったネガティブな情報が目につき、購入を躊躇している方も多いのではないでしょうか。

また、弟分のMT-09や上位グレードのSPモデルと迷っているという声もよく耳にします。今回は、そんなMT-10に関する噂の真相と、それでも多くのライダーを惹きつけてやまない理由について、私自身の視点と経験を交えて徹底的に掘り下げていきたいと思います。

あなたは今、こんなことで悩んでいませんか?

  • ✅ 燃費が悪く、ツーリングでの航続距離が短いという噂が不安だ
  • ✅ 夏場の排熱がすごく、街乗りや渋滞が修行になるのではないかと心配している
  • ✅ 維持費や消耗品代がスーパースポーツ並みにかかると聞いて怯んでいる
  • ✅ MT-09やZ900などのライバル車と比べて、本当に価格差分の価値があるのか知りたい

もし一つでも当てはまったなら、この記事があなたの疑問をすべて解決します。

mt 10を買って後悔する経済的な壁

MT-10を購入して最も多くのオーナーが直面し、そして時に手放す理由ともなってしまう最大の壁、それは間違いなく「経済性」です。このバイクは、一般的な移動手段としての合理性やコストパフォーマンスを求めて購入すると、維持費の高さに驚かされることになります。ここでは、実際に所有した際に発生する具体的なコストと、それがもたらす「後悔」のリスクについて、オブラートに包まず解説します。

MT-10の実燃費データと航続距離、タイヤ交換などの維持費

燃費の悪さと航続距離200kmの問題

まず最初に覚悟しなければならないのが、燃費と航続距離のシビアな現実です。MT-10に搭載されているCP4(クロスプレーン・クランクシャフト)エンジンは、その官能的なフィーリングと引き換えに、まるで大排気量のアメ車のように大量のガソリンを要求します。

具体的な数値を見てみましょう。市街地や渋滞路でのストップ&ゴーを繰り返すようなシチュエーションでは、リッターあたり11km〜12km程度まで落ち込むことが珍しくありません。

信号の少ない快走路をツーリングペースで気持ちよく走っても、15km〜17km程度というのが実情です。カタログスペック上のWMTCモード値でも決して良い数字ではありませんが、実走行ではさらにアクセルを開けたくなるエンジンの魔力も手伝って、燃費は伸び悩みます。

MT-10の燃料タンク容量は17Lです。しかし、これはあくまで空っぽの状態からの容量です。リザーブ(給油警告灯)が点灯するのは残量が約3.5L〜4.0Lになった時点ですので、実質的に安心して使えるのは約13L〜13.5Lほどとなります。

つまり、計算上は「約150km〜180km」走ったら給油ランプが点灯することになります。

この「200kmの壁」は、ロングツーリングにおいてかなり精神的なプレッシャーになります。例えば、航続距離が300km〜400kmを超えるようなツアラーモデル(Ninja 1000SXやCB1300SBなど)と一緒に走っているシーンを想像してみてください。

仲間たちはまだタンクに余裕があり、ノンストップで次の目的地を目指そうとしている中で、MT-10ライダーだけが「そろそろガソリンスタンドを探さないとまずい」と焦り始めることになります。

特に北海道のような広大なエリアや、ガソリンスタンドが早期に閉まる山間部へのツーリングでは、この航続距離の短さは致命的なリスクになり得ます。常にトリップメーターと残量計を気にしながら走るストレスは、純粋に景色や走りを楽しむ心を削ぐ要因となり、「もっと気楽に走れるバイクにしておけばよかった」という後悔につながるのです。

マコト
マコト
『不便さを楽しむ』なんて言いますが、ガス欠だけは笑えませんからね(笑)。自分のツーリングルート上にスタンドがあるか、事前の確認が習慣になりますよ。

ハイオク指定で高額になる維持費

当然ながら、YZF-R1譲りの高性能エンジンはハイオクガソリン指定です。圧縮比が高く、最適な燃焼効率とパワーを引き出すためには、オクタン価の高い燃料が不可欠だからです。

昨今の世界情勢によるガソリン価格の高騰を考えると、リッター10km台前半の燃費とハイオク単価の組み合わせは、お財布にボディブローのように効いてきます。

仮に週末のツーリングで400km走ったとしましょう。燃費15km/L、ハイオク180円/Lで計算すると、燃料代だけで約4,800円かかります。月に2回ツーリングに行けば約1万円。これに高速道路料金や食事代が加わります。

さらに、通勤や通学で毎日使うことを想定している場合、その負担はさらに増します。給油のたびに数千円が飛んでいく感覚は、よほど経済的な余裕がない限り、日々の生活費を圧迫するストレスになる可能性があります。

「楽しみのための対価」と割り切れるか、それとも「ただの金食い虫」と感じてしまうか。ここが、長く乗り続けられるかどうかの大きな分かれ目となります。

タイヤ交換やオイル代のランニングコスト

車両価格や燃料代だけでなく、消耗品のコストもスーパースポーツ並み、あるいはそれ以上であることを覚悟しなければなりません。

MT-10の最大の魅力である強大なトルクは、リアタイヤを容赦なく削り取ります。純正採用されているようなハイグリップタイヤ(例えばブリヂストンのS22など)を履き、その性能を楽しむようなスポーツ走行を繰り返せば、ライフは3,000km〜5,000km程度でスリップサインが出てしまうことも決して珍しくありません。

前後セットで交換すれば、工賃込みで5万円〜8万円コースです。年間走行距離が1万キロを超えるライダーなら、年に2回以上のタイヤ交換が必要になり、これだけで十数万円の出費となります。

また、エンジンオイルの管理にもコストがかかります。MT-10のオイル量は、フィルター交換時で約4.1リットルと、一般的なリッターバイクと比べても大容量です。高性能エンジンの保護には高品質な化学合成油が推奨されますので、オイル交換一回でオイル代だけで1万円オーバーは確実です。

これをメーカー推奨あるいはシビアコンディションとして3,000km〜5,000kmごとに繰り返すとなれば、年間の維持費は軽自動車を所有するよりも高くなるケースが十分にあり得ます。

チェーンやスプロケットの摩耗も早いです。パワーがある分、駆動系にかかる負担も大きいため、こまめなメンテナンスと早めの交換サイクルが求められます。

快適性を損なう排熱や街乗りの操作性

次に、「普段使い」における快適性についてお話しします。MT-10はストリートファイターというジャンルであり、カタログなどでは「ストリート最強」などと謳われますが、その中身は紛れもなくサーキット生まれのレーシングマシンです。そのため、日本の夏の猛暑や、ストップ&ゴーの多い街中といった環境は、実はMT-10にとって最も苦手なシチュエーションであり、ライダーに忍耐を強いる場面が出てきます。

MT-10の排熱問題と街乗りでの操作性、足つきの悪さについて

夏場の信号待ちで襲う強烈な排熱

ネット上でよく目にする「熱い」という噂。これは、残念ながら誇張ではなく真実です。特に夏場の信号待ちや渋滞ハマりは、サウナの中にいるような、あるいはヒーターを足元に置かれているような感覚に襲われます。

MT-10が採用しているアルミデルタボックスフレームは、剛性が高く素晴らしいハンドリングを生み出しますが、同時にエンジンの熱を吸収しやすいという特性も持っています。

走行中は風で冷やされますが、停車するとフレーム自体が高温になり、ニーグリップをしている太もも内側や膝周辺にじりじりと熱が伝わってきます。ジーンズ1枚では「熱い」を通り越して「痛い」と感じることもあり、低温火傷のリスクすらあります。

さらに、水温が上がりラジエーターファンが回り始めると、状況はさらに悪化します。ファンによって押し出された熱風が、カウルの隙間からライダーの足首、すね、ふくらはぎのあたりに直撃する構造になっているのです。

革パンや厚手のライディングパンツ、そしてしっかりとしたブーツを履いていれば防げますが、スニーカーや薄手のチノパンで気軽に乗ろうとすると、この熱地獄に後悔することになります。

真夏の渋滞にハマった時の不快指数はMAXレベルです。これはリッタークラスのスーパースポーツ全般に言える宿命ですが、ネイキッドだから涼しいだろうという期待は捨ててください。MT-10はその中でも熱対策が必要な部類に入ります。

マコト
マコト
こればかりはリッターマシンの宿命ですね。夏場は早朝や夜間の涼しい時間帯を選んで走るなど、バイクに合わせた乗り方が求められるかもしれません。

渋滞や低速走行時のギクシャク感

MT-10の心臓部であるクロスプレーンエンジン(CP4)は、不等間隔爆発による独特の脈動感とトラクション性能が最大の魅力ですが、これが低速域では「扱いづらさ」として顔を出します。

特に2,000〜3,000回転以下の低回転域では、トルクの変動が大きく、スロットル操作に対して車体がギクシャクしやすい特性があります。教習車(CB400SFやNC750など)のように、アイドリング付近の回転数だけでクラッチをつないでスルスルと発進できるようなマイルドさは期待できません。

発進時や極低速でのUターン、あるいはノロノロ運転の渋滞路での追従走行では、繊細なアクセルワークと丁寧な半クラッチ、そしてリアブレーキでの速度制御が常に求められます。

D-MODE(走行モード切替)で最も穏やかなモードを選べば多少は緩和されますが、エンジンの物理的な素性が変わるわけではありません。

「今日は疲れているから、何も考えずに楽に移動したい」という気分の時には、この常にライダーの入力を求めるような「急かされる感じ」が、疲労やストレスに繋がることがあります。MT-10は、ゆっくり走るよりも、ある程度の速度で走っている時の方が圧倒的に安定し、快適なバイクなのです。

足つきに不安が残るシート高の現実

MT-10のシート高は835mmです。これは国産ネイキッドバイクの中では比較的高めの設定と言えます。数値だけ見れば「なんとかなりそう」と思うかもしれませんが、実際に跨ってみると、直列4気筒エンジンを抱える車体の幅や、シート前方の形状が影響し、足つき性は数値以上に厳しく感じられます。

身長足つきの目安と感覚
165cm前後両足をつこうとするとつま先がギリギリ接地するかどうか。お尻をずらして片足で支える停車スタイルが基本。轍や傾斜地では要注意。
170cm前後両足のつま先(母指球あたり)が接地。踏ん張りは効くが、バックでの取り回しは降車しないと厳しい場合がある。
175cm以上かかとまで接地する可能性が高く、不安なし。跨ったままのバックも容易。

身長170cm以下のライダーの場合、信号待ちでの「立ちごけ」リスクが常につきまといます。特に疲労が溜まってくるツーリングの帰り道や、足場の悪いキャンプ場などでは注意が必要です。

車体自体は装備重量212kg(SPは214kg)と、リッターバイクにしては軽量で、マスの集中化により取り回し自体は驚くほど軽いのですが、「足がつかない」という心理的な不安感は、バイクに乗る頻度を下げてしまう要因になりかねません。購入前には必ず実車に跨り、自分の体格で許容できる範囲かを確認することを強くおすすめします。

積載性が低くツーリングバッグが安定しない

MT-10のエクステリアデザインは、リア周りを短く切り詰めたショートテール形状が特徴で、これが凝縮感のあるスタイリングを生み出しています。しかし、このデザイン優先の設計は、積載性においては大きなデメリットとなります。

タンデムシート部分は面積が小さく、さらにデザイン上の盛り上がり(コブ)があるため、一般的なシートバッグを安定して固定するのが非常に難しいのです。バッグの底面が密着せず、左右にぐらついたり、前にずれてきたりすることがあります。また、荷掛けフックの数もミニマムであり、位置も使い勝手が良いとは言えません。

キャンプツーリングなどでテントやシュラフなどの大荷物を積みたい場合は、「とりあえずゴムネットで括り付ける」というような気軽な方法は通用しません。ワイズギアから出ている専用のキャリアや、サイドバッグステーを追加購入し、ハードケースや専用バッグを装着するのが、安全かつ確実な方法となります。

しかし、それらのオプションパーツも決して安くはありませんし、スタイルを崩したくないというジレンマも生まれます。「荷物を満載して旅に出る」という使い方には、工夫と追加投資が必要になるバイクです。

それでも選ぶ価値があるCP4エンジンの魔力

ここまで、あえてネガティブな情報を包み隠さずお伝えしました。燃費は悪い、熱い、維持費は高い、低速は気を使う…。普通に考えれば、「こんなデメリットだらけのバイク、買わない方がいい」という結論になるはずです。

しかし、それでもなおMT-10が世界中のライダーを熱狂させ、「買ってよかった」「このバイクじゃなきゃダメだ」と言わせる理由があります。それが、他のどのメーカーのどのバイクにも似ていない、唯一無二のクロスプレーンエンジン(CP4)の存在です。

YZF-R1直系CP4エンジンのクロスプレーンサウンドと圧倒的な加速性能

YZF-R1直系のクロスプレーンサウンド

エンジンを始動し、スロットルを軽く煽った瞬間、それまでの不満や懸念はすべて吹き飛びます。

「ドロロロ…」という不規則で野太いアイドリング音から、回転を上げていくと「ギャァァァン!」という粒立ちの良い咆哮へと変化していくサウンド。これは、一般的な直列4気筒エンジンの「フォーン」というスムーズで高周波なサウンドとは全く別物です。MotoGPマシン「YZR-M1」の技術フィードバックを受けて開発されたこのエンジンは、不等間隔爆発によって独特のパルス感を生み出します。

ヤマハは「楽器屋」とも称される通り、サウンドデザインに徹底的にこだわっています。ライダーの耳に届く吸気音を調整する「アコースティック・レゾネーター・グリル」などの機構により、スロットルを開けた瞬間にタンクの下から唸るような吸気音が聞こえてきます。

この音が、ライダーの本能を直接刺激するのです。ただ信号待ちから発進するだけで、ただ高速道路を合流加速するだけで、ヘルメットの中でニヤけてしまう。この「音」を聞くためだけにガソリン代を払っていると言っても過言ではありません。

マコト
マコト
動画サイトで音を聞くのも良いですが、実際の重低音や空気が震える感覚はスピーカーでは再現できません。こればかりは、生で体感した人だけの特権ですね。

脳髄を刺激する圧倒的な加速性能

そして、その加速力は「ワープ」という表現がしっくりきます。特に6,000回転を超えてからのパワーデリバリーは圧巻の一言です。

クロスプレーンエンジンの最大の特徴は、ライダーのスロットル操作に対して、タイヤが路面を蹴る力がリニアに(直結しているかのように)発生することです。これを「慣性トルクの除去」と呼びますが、理屈抜きに言えば、アクセルを開けた分だけ、即座に、かつ猛烈に前に進む感覚が得られます。フロントタイヤの接地感が希薄になるほどの暴力的な加速で、景色が後方へとカッ飛んでいきます。

もちろん、公道でその全開パワーを引き出せる機会はほとんどありません。しかし、「右手一つでいつでもこのパワーを解き放てる」という余裕と万能感は、所有する喜びを極限まで満たしてくれます。スペック上の馬力数値だけでは語れない、ライダーとマシンが一体になるような濃厚なトラクション感覚。これこそがMT-10の真骨頂です。

(出典:ヤマハ発動機『MT-10』製品ページ

上級グレードSPモデルの豪華装備

MT-10 SPに搭載されるオーリンズ製電子制御サスペンションの特徴

さらに上位グレードの「MT-10 SP」には、オーリンズ製の電子制御サスペンション(スプールバルブ内蔵)が装備されています。

このサスペンションは、路面の状況や走行状態に合わせて、1秒間に何度も減衰力を自動調整してくれる優れものです。スタンダードモデルでは路面のギャップで「ガツン」とくるような場面でも、SPモデルなら「タタン」といなしてしまいます。

まるで魔法のようにシルキーな乗り心地と、サーキット走行にも対応できる強靭な踏ん張りを、工具なしで、スイッチ一つで切り替えられるのです。

また、アンダーカウルや専用カラーリングなど、所有欲をくすぐる装備も満載です。価格差はありますが、後からサスペンションを交換することを考えればコストパフォーマンスは非常に高いと言えます。妥協のない所有満足度と、極上の足回りを求めるなら、迷わずSPを選ぶ価値があります。

MT-09やライバル車との比較検討

最後に、MT-10を検討する際に必ずと言っていいほど比較対象となるモデルとの違いを整理しておきましょう。ここを間違えると、「やっぱりあっちにしておけば良かった」という本当の後悔に繋がります。

軽快なMT-09と比較して重厚感を選ぶ

同じヤマハのMTシリーズであり、弟分にあたるMT-09。こちらは3気筒エンジンを搭載し、「軽さ」と「アクロバティックな楽しさ」が最大の売りです。車体はMT-10よりさらに軽く、フロントから向きが変わるような軽快感があり、ウィリーもしやすいヤンチャな性格です。燃費や維持費もMT-10より遥かにリーズナブルで、街乗り適性はMT-09の方が上でしょう。

ただ、MT-09は「楽しさ」と引き換えに癖を感じる人もいます。低速のドンツキや扱いづらさが気になる方は、MT-09が乗りにくいと言われる理由と対策も参考になります。

しかし、高速道路での「どっしりとした安定感」や、所有した時の「フラッグシップとしての重厚感・質感」はMT-10が圧倒的に上です。MT-09は軽いがゆえに、高速巡航や横風に対しては少々神経質な面があります。

一方、MT-10はまるで地面に張り付くような接地感があり、超高速域でもビクともしない安心感があります。「軽快に振り回して遊びたい」ならMT-09、「絶対的な安定感とエンジンの格を味わいたい」ならMT-10。このキャラクターの違いは明確です。

優等生なZ900とは対極にある個性

カワサキのZ900などは、価格も手頃で、エンジンも直列4気筒らしくスムーズ、街乗りからツーリングまでそつなくこなす「優等生」です。足つきも良く、燃費もそこそこで、初めての大型バイクとしてもおすすめできる一台です。

もしあなたが「毎日気負わずに乗れる、失敗のないバイク」「バランスの良いバイク」を求めているなら、Z900の方が幸せになれるかもしれません。MT-10は、そういった合理性やバランスとは対極にあります。

「多少不便でもいい、燃費が悪くてもいいから、とにかく刺激的で尖った体験がしたい」という、ある意味で理性を捨てられる人のためのバイクです。優等生に飽き足らないライダーだけが、MT-10の世界を楽しむ資格があるとも言えます。

カウル付きツアラーにはない魅力

Ninja 1000SXやGSX-S1000GTのような、フルカウルスポーツツアラーと比較する方もいるでしょう。長距離ツーリングでの快適性、防風性能、パニアケースの装着性などを考えれば、当然カウル付きのツアラーに軍配が上がります。

MT-10を選ぶ理由は、その「ストリートファイター」としてのスタイルと、アップライトなポジションでSS(スーパースポーツ)のエンジンを振り回すという背徳感にあります。カウルがない分、風を全身で受け止め、エンジンの熱を感じながら走る。

そんな野生的なライディングを好むかどうかです。「快適に移動したい」のではなく、「バイクという機械を操っている実感を濃厚に味わいたい」。そう思うのであれば、カウル付きモデルよりもMT-10の方が、あなたの心を満たしてくれるはずです。

マコト
マコト
どちらが優れているかではなく、『何に重きを置くか』ですね。軽快に遊び倒したいなら09、所有感と絶対的な安定性を取るなら10。ご自身のスタイルに合わせて選んでみてください。

購入前に知っておきたい!MT-10特有のQ&A

最後に、購入を真剣に検討している方からよく寄せられる、マニアックですが非常に重要な質問にお答えします。「こんなはずじゃなかった」を防ぐための、リアルな実情です。

MT-10購入前のよくある質問(ガス欠、燃料、立ちごけ対策)

Q1. 田舎のガソリンスタンドが少ないエリアへ行く際、予備燃料は必要ですか?

A. 精神衛生上、1L程度の携行缶を持つことを強くおすすめします。
北海道や山間部では、次のスタンドまで50km以上離れていることがザラにあります。MT-10の実航続距離(警告灯点灯まで)が160km前後であることを考えると、予備燃料があるだけでツーリングの楽しさが劇的に変わります。「ガス欠の恐怖」は景色を楽しむ余裕を奪ってしまいますので、安心を買うつもりで装備しておくのが正解です。

Q2. 緊急時なら、レギュラーガソリンを入れても大丈夫ですか?

A. 基本的にはNGです。エンジンの寿命を縮めるリスクがあります。
YZF-R1譲りのエンジンは非常に圧縮比が高く、ハイオクガソリンを前提に点火時期などがセッティングされています。レギュラーを入れると異常燃焼(ノッキング)が発生しやすくなり、最悪の場合エンジン内部を損傷させる可能性があります。「山奥でどうしてもガソリンがない」という究極の緊急時以外は、必ずハイオクを給油してください。

Q3. オイル交換などのメンテナンスは自分でもできますか?

A. 可能ですが、「センタースタンドがない」点に注意が必要です。
MT-10にはセンタースタンドが装備されていません。そのため、オイル交換やチェーン清掃を自分で行う場合は、リアタイヤを持ち上げる「メンテナンススタンド(レーシングスタンド)」が必須アイテムとなります。また、オイルフィルターの位置やカウルの脱着など、整備性は決して良いとは言えません(カウルが知恵の輪のような構造になっています)。最初はショップに任せるのが無難かもしれません。

Q4. 立ちごけした際のダメージは大きいですか?

A. かなり大きいです。「スライダー」は納車と同時に付けるべきです。
ネイキッドバイクのため、転倒するとクランクケースカバーやラジエーター、オイルクーラーといった重要部品が直接地面にヒットする可能性があります。特にオイルクーラーは飛び石や転倒で破損しやすい位置にあります。修理費が高額になるため、フレームスライダーやエンジンガードは、ドレスアップパーツではなく「必須の保険」と考えて装着してください。

mt 10を買って後悔しないための最終決断

MT-10オーナーになるための覚悟と試乗のすすめ

ここまで、MT-10というバイクが持つ強烈な魅力と、決して無視できない現実的な課題について、包み隠さずお話ししてきました。最終的にハンコを押すかどうかの決め手は、あなたがバイクライフに何を求めているか、その一点に尽きます。最後に、この選択で後悔しないための重要なチェックポイントを整理しておきましょう。

  • 燃費、熱、積載性など、日常生活でのデメリットは確実に存在する。これらは「噂」ではなく「事実」であると受け入れること。
  • 合理的・経済的な視点だけで選ぶと、維持費の高さや給油の頻度に疲れ、後悔する可能性が高い。
  • それら全てのネガティブな要素を補って余りあるのが、世界で唯一のCP4エンジンが奏でる官能的なサウンドと、魂を揺さぶる加速である。
  • MT-10は誰にでも優しい優等生ではなく、乗り手を選ぶ「魔王」のような存在である。その契約書にサインする覚悟があるかどうか。

もしあなたが、多少の手間やコストをかけてでも、他にはない強烈な個性を愛したいと願うなら、MT-10は間違いなく最高の相棒になります。理屈や計算で考えるのはやめて、

まずは一度、そのエンジン音を聴きにレンタルバイクや試乗へ行ってみてください。きっと、キーを回し、スターターボタンを押してエンジンを目覚めさせた瞬間に、あなたの迷いはすべて消え去るはずです。

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