こんにちは。「motofrontier」の「マコト」です。
大型バイクへのステップアップを考えるとき、どうしても気になってしまうのが「お財布事情」ではないでしょうか。特に、昨今のガソリン価格の高騰を見ていると、憧れの大型ライフも「維持費が怖くて踏み出せない」という方が多いかもしれません。
そんな中で、スズキのSV650は「燃費が良い」「維持費が安い」という評判をよく耳にしますが、一方で「タンク容量が少ないからツーリングが不安」「実際のところ燃費は悪いの?」といった疑問の声も聞かれます。
SV650の燃費性能や維持費について詳しく知りたいと思い、この記事をご覧になっているあなたのために、今回はSV650の経済性について、徹底的に深掘りしてみました。
- ✅ 大型バイクに乗りたいけれど、ガソリン代や維持費で家計を圧迫したくない
- ✅ SV650のタンク容量は14Lしかないけれど、ツーリングでガス欠にならないか不安だ
- ✅ カタログ燃費は知っているけれど、実際の街乗りやツーリングでの実燃費が知りたい
- ✅ 4気筒モデルと迷っているが、ランニングコストにどれくらいの差が出るのか気になる
もし一つでも当てはまったなら、この記事があなたの疑問をすべて解決します。
SV650の燃費データを徹底分析
まずは、SV650の燃費性能について、メーカー公表値と実際にユーザーが出している数値の両面から分析していきます。カタログスペック表の数字だけでは見えてこない、SV650の本当の実力が見えてきました。
燃費データは単なる数字ではなく、そのバイクがどのような設計思想で作られ、どのような走りを得意としているかを雄弁に語る重要な指標です。
燃費が悪いという噂の真相
ネット上の口コミ掲示板やSNS、あるいは個人のブログなどを見ていると、時折「SV650は燃費が悪い」といった意見を目にすることがあります。これから購入を考えている方、特に経済性を重視してSV650を候補に入れている方にとっては、非常にドキッとする話ですよね。「えっ、燃費が良いって聞いてたのに嘘なの?」と不安になってしまうのも無理はありません。
しかし、結論から申し上げますと、SV650の燃費は決して悪くありません。むしろ、650ccクラスの大型バイク、特にミドルクラスのスポーツモデルとしてはトップクラスに優秀です。私が実際に様々な大型バイクに乗ってきた経験や、周囲のSVオーナーの話を総合しても、SV650が「ガソリン食い虫」であるという事実は確認できませんでした。
なぜ「悪い」という評価が生まれるのか?
ではなぜ、火のない所に煙は立たぬと言うように、「悪い」という検索候補や評価が出てくるのでしょうか。これには主に3つの理由が考えられます。
- 250ccクラスからのステップアップによるギャップ:
これが最も多いケースです。最近の250ccバイク、例えばジクサー250やCB250Rなどは、単気筒エンジンを搭載しておりリッター35km〜40kmという原付並みの超低燃費を叩き出します。そういったバイクから乗り換えた場合、いくらSV650が優秀でもリッター25km前後ですから、「あれ?思ったより給油回数が多いな」と感じてしまうのです。しかし、排気量が2.5倍以上あり、パワーも倍以上あることを考えれば、これは物理的に仕方のないことです。 - 使用環境が極端に悪い:
SV650はスポーツバイクです。真夏の都内の大渋滞、信号待ちばかりの通勤路、あるいは短距離のチョイ乗り(エンジンが温まる前に目的地に着いてしまうような乗り方)ばかりを繰り返せば、当然燃費は悪化します。このような条件下ではリッター20km程度まで落ち込むこともありますが、これはSV650に限らずどんな内燃機関の乗り物でも同じです。 - メンテナンス不足:
意外と見落としがちなのがこれです。ドライブチェーンが錆びついて固着していたり、タイヤの空気圧が規定値より低かったりすると、走行抵抗が増えて燃費はガタ落ちします。「燃費が悪い」と嘆く前に、一度チェーン清掃と空気圧チェックをするだけで、リッター2〜3km改善することはよくある話です。
つまり、「燃費が悪い」という噂の多くは、比較対象の違いや使用環境、メンテナンス状況に起因するものであり、SV650というバイク自体のポテンシャルが低いわけではないのです。普通にツーリングに使っていて「燃費が悪い」と感じることは、ユーザーの実感としてまずないと言っていいでしょう。
ユーザーの実燃費記録を検証
ここが今回、私が最も声を大にしてお伝えしたい面白いポイントなんですが、SV650には「カタログ燃費よりも実燃費の方が良い」という、現代の工業製品としては非常に珍しい、嬉しい逆転現象が頻繁に起きています。
通常、自動車やバイクのカタログ燃費(WMTCモード値など)は、ある程度理想的な環境で測定された数値であり、我々ユーザーが公道で走る「実燃費」は、その数値の8割〜9割程度に落ち着くのが一般的です。「カタログでは25km/Lって書いてあったのに、実際は20km/Lしか走らないじゃん!」という経験、皆さんも一度はあるのではないでしょうか。
しかし、SV650に関してはその常識が通用しません。メーカー公表のWMTCモード値は24.4km/L(クラス3、サブクラス3-2、1名乗車時)とされています。しかし、大手燃費投稿サイトやSNSでのユーザー報告を集計してみると、以下のような驚きのデータが出てきます。
| 走行シーン | ユーザー平均実燃費 | カタログ値(24.4km/L)との比較 | マコトのコメント |
|---|---|---|---|
| 総合平均 | 約 26.0 km/L | 約 +1.6 km/L | 平均値ですらカタログ超え。驚異的です。 |
| 市街地・通勤 | 21.0 〜 24.0 km/L | ほぼ同等 〜 やや減 | ストップ&ゴーが多くても20km/Lを切ることは稀。 |
| ツーリング(一般道) | 28.0 〜 32.0 km/L | 大幅に向上 | 信号の少ない快走路では無敵の経済性。 |
| 高速道路巡航 | 26.0 〜 28.0 km/L | 安定して向上 | 空気抵抗はあるものの、エンジン効率が勝る。 |
なんと、多くのユーザーの実測値が、カタログ値を上回っているのです。特にツーリング時の伸びは凄まじく、急加速・急減速を控えた丁寧なスロットル操作を心がければ、リッター30kmの大台に乗る例も多数報告されています。大型バイクでリッター30kmですよ?これはひと昔前の250ccクラスに匹敵する数値です。

なぜこれほどまでに実燃費が良いのか?

この「カタログ値超え」の背景には、スズキが長年熟成させてきた645cc V型2気筒エンジンの完成度の高さがあります。
- デュアルスパークテクノロジー:
1気筒あたり2本の点火プラグを持つことで、燃焼効率を最適化しています。これが低中回転域での安定した燃焼を生み出し、無駄な燃料消費を抑えています。(出典:スズキ株式会社『SV650 ABS 走行性能』) - フリクションロスの低減:
V型2気筒エンジンは4気筒に比べて部品点数が少なく、内部の摩擦抵抗(フリクションロス)が小さい傾向にあります。ピストンやクランクシャフトが回る際の抵抗が少なければ、それだけ少ないガソリンで距離を走ることができます。 - ローRPMアシスト:
発進時にエンジン回転数を自動でわずかに上げる機能です。これにより、発進時のエンストを防ぐだけでなく、ライダーが無意識に低回転域を有効活用してスムーズに走れるようになり、結果として燃費向上に寄与していると考えられます。
これらの技術が組み合わさり、我々が普段使う「ごく普通の回転域」で最高の効率を発揮するようにチューニングされているのです。
年式による燃費性能の違い
中古車市場でも人気の高いSV650ですが、購入を検討している方の中には、「古い年式だと燃費が落ちるのでは?」「最新の排ガス規制に対応したモデルはパワーダウンして燃費も悪くなっているのでは?」と心配される方もいるかもしれません。
SV650は2016年の国内再登場(第3世代)以来、ユーロ4からユーロ5(令和2年(2020年)排出ガス規制)へと、厳しさを増す環境規制に対応するためにマイナーチェンジを繰り返してきました。
一般的に、排ガス規制が厳しくなると、触媒(キャタライザー)を大型化したり、燃調を薄くしたりする必要があり、燃費やパワー感といった「走りの楽しさ」に関わる部分が犠牲になることが多いのがバイク業界の常でした。
しかし、SV650に関しては、年式による燃費性能の悪化は実用上ほとんど見られません。これは非常に素晴らしいことです。
初期型も現行型も「高燃費」は変わらない
ネット上の膨大な給油記録データを分析してみると、初期型(2016年〜2018年モデル)のユーザーも、最新の現行型(2022年〜モデル)のユーザーも、同様に26〜27km/L前後の平均値を叩き出しています。
これはスズキのエンジニアたちが、吸排気系の見直しやECU(エンジンコントロールユニット)の緻密なセッティング変更によって、厳しい規制をクリアしつつも、SV650の美点である「高効率」を死守した結果と言えるでしょう。
最新モデルでは触媒の変更などにより最高出力発生回転数などが微妙に変化していますが、実用燃費という観点では誤差の範囲内です。予算に合わせて、お好みのカラーリングや状態の良い個体を選んで全く問題ありません。
ちなみに、燃費以外にも「買ってから後悔したくない!」と心配な方は、SV650のメリット・デメリットを詳しく解説したこちらの記事も参考にしてみてください。
SV650で後悔する人、しない人の決定的な違い。「つまらない」という噂の正体と、欠点を愛着に変える方法
高速道路での伸びしろ
週末は高速道路を使って遠くへ行きたい、というロングツーリング派の方にとって、高速巡航時の燃費は死活問題です。SV650は高速道路でもその真価を遺憾なく発揮します。
100km/h巡航時のエンジン回転数は、トップギア(6速)で約4,000回転〜4,500回転付近(スプロケット設定等により微差あり)。レッドゾーンが1万回転以上あるSV650にとって、この回転域はまさに「余裕のクルージング」領域です。エンジンが唸りを上げることもなく、Vツイン特有の心地よい鼓動を感じながら淡々と距離を稼ぐことができます。
空気抵抗との戦い
ただし、SV650はカウル(風防)を持たないネイキッドモデルです。高速道路では、ライダー自身が風の抵抗を一身に受け止めることになります。ここで重要なのが「空気抵抗とアクセル開度」の関係です。
カウル付きのスポーツツアラーやフルカウルSSに比べれば、当然ながら風の抵抗は大きくなります。そのため、例えば「新東名高速道路の120km/h区間で、常に追い越し車線をリードするようなペース」で走り続けた場合、風圧に逆らうためにアクセルを多めに開ける必要があり、燃費は22〜23km/L程度まで落ちることがあります。
しかし、走行車線を法定速度(80km/h〜100km/h)で平和に流すような走り方であれば、空気抵抗の影響は限定的となり、エンジン自体の素性の良さが勝ります。その場合、コンスタントに20km/L台後半、条件が良ければ30km/L近くをキープし続けることも可能です。
「あれ?まだ燃料計の目盛りが減らないな。壊れてるのかな?」と錯覚するほど、高速巡航時のスタミナは十分です。カウルがないことは「飛ばしすぎない安全運転」への抑止力にもなり、結果として高燃費につながるというポジティブな側面もあるかもしれませんね。
気になる維持費とライバル比較
さて、ここからはさらに現実的な、お小遣い制ライダーの皆様(私もです!)にとって最重要課題である「お金」の話を深掘りしていきましょう。燃費が良いことはわかりましたが、それが具体的な金額としてどれくらいの差になるのか、ライバル車と比較してどれくらいお得なのか、シミュレーションしてみました。
年間の維持費はいくらかかる
まずは、SV650を所有した場合の年間のガソリン代を試算します。前提条件として、週末のツーリングとたまの通勤で使用し、年間10,000km走ると仮定します。ガソリン価格は地域や時期によりますが、ここでは計算しやすいようにレギュラー154円/Lとして設定します。
【年間10,000km走行時のガソリン代試算(SV650)】
- 走行距離:10,000km
- 実燃費:26.0km/L(ユーザー平均値を採用)
- 必要燃料量:10,000 ÷ 26.0 ≒ 384.6リットル
- ガソリン単価:154円(レギュラー)
- 年間合計:約 59,228円
いかがでしょうか。大型バイクで日本列島を縦断できるほどの距離(1万キロ)を走って、燃料代が6万円を切るというのはかなり優秀な数字です。月額に換算すれば約4,900円。これなら、限られたお小遣いの範囲内でも、家計を圧迫することなく十分に遊び回れる金額ではないでしょうか。
ちなみに、これがリッター15kmしか走らないリッタークラスのバイクや、旧車のキャブ車だった場合、ガソリン代は年間10万円を超えてきます。その差額4万円があれば、新しいヘルメットを買ったり、ツーリング先で豪華な海鮮丼を何度も食べたりすることができます。維持費の安さは、バイクライフの質の向上に直結するのです。
ライバル車とのコスト比較
では、SV650の購入を迷っている方が必ずと言っていいほど比較対象にする、ミドルクラスのライバルたちと比べてみましょう。強力なライバルであるヤマハのMT-07、同じ2気筒のカワサキZ650、そして4気筒エンジンのホンダCB650R。この3台とSV650を並べてみます。今回はより実態に即した「みんカラ」等のユーザー投稿平均値を基に算出しました。

| モデル | エンジン形式 | 実燃費(平均) | 年間燃料代(概算) | SV650との差額 |
|---|---|---|---|---|
| YAMAHA MT-07 | 直列2気筒 | 約26.3 km/L | 約58,500円 | -700円 |
| SUZUKI SV650 | V型2気筒 | 約26.0 km/L | 約59,200円 | 基準 (±0) |
| KAWASAKI Z650 | 直列2気筒 | 約22.1 km/L | 約69,700円 | +10,500円 |
| HONDA CB650R | 直列4気筒 | 約22.1 km/L | 約69,700円 | +10,500円 |
この結果は非常に興味深いものです。燃費最強と言われるMT-07とSV650の差は、年間で見てもわずか数百円程度。実質的に「ほぼ同等」と言って差し支えありません。
一方で、同じ2気筒のライバルであるZ650と比較すると、年間で約1万円以上の差が出ています。これはSV650が「2気筒だから燃費が良い」というだけでなく、スズキのVツインエンジンの効率が頭一つ抜けていることを示しています。維持費を重視するなら、SV650の優位性は明らかです。
ちなみに、最強のライバルMT-07の燃費性能について詳しく知りたい方は、こちらの記事もチェックしてみてください。
MT-07燃費の実態!悪い噂は嘘?タンク容量13Lでもツーリング余裕
4気筒モデルとの決定的な差
ここで特に注目していただきたいのが、4気筒モデルであるCB650Rとの差です。年間で約10,500円の違いが出ています。たかが1万円と思うかもしれませんが、長く乗れば乗るほどこの差はボディブローのように効いてきます。
例えば5年間所有して5万キロ走った場合、燃料代だけで約5万円の差がつきます。5万円あれば、前後タイヤを新品のハイグリップタイヤに交換してお釣りが来ますし、車検費用の大部分を賄うことができます。
また、メンテナンスコストの面でも差が出ます。4気筒モデルはスパークプラグが4本必要ですが、SV650はデュアルスパークなので本数こそ4本と同じですが、シリンダーヘッド周りの整備性や、エンジンオイルの量なども微妙に異なってきます。一般的に、部品点数が多く複雑な4気筒エンジンよりも、2気筒エンジンの方が消耗品のトータルコストは抑えられる傾向にあります。
CB650Rの4気筒サウンドと高回転の伸びは確かに魅力的で、それにお金を払う価値は十分にあります。しかし、「4気筒の音」に年間1万円以上の追加燃料コストを払い続ける覚悟があるか、それとも「Vツインの鼓動と経済性」を取って実利を重視するか。ここがSV650を選ぶかどうかの大きな分かれ道になりそうです。
CB650R側の維持費事情についても公平に判断したい方は、こちらの記事が参考になります。
CB650Rの燃費は悪い?実燃費データと年間維持費・資産価値
レギュラー仕様の大きな恩恵
そして、維持費を語る上で忘れてはならない決定的な要素が、SV650が「レギュラーガソリン仕様」であるという点です。これは地味ですが、毎回の給油で確実に効いてくる大きなメリットです。
輸入車(ドゥカティやトライアンフなど)や、国内メーカーでもSS(スーパースポーツ)系の高性能モデルは、そのほとんどが「ハイオク指定」です。一般的にハイオクガソリンはレギュラーに比べて、リッターあたり10円前後〜十数円ほど高く設定されています。

もしSV650がハイオク仕様だったら?
仮にSV650がハイオク仕様だったとして計算し直してみましょう。年間使用量384.6リットル × 差額15円 = 約5,769円。これだけの金額が余計にかかってしまうことになります。
先ほどのライバル比較で、4気筒との差が約1万円ありましたが、もし比較対象がハイオク仕様の輸入車であれば、その差はさらに広がります。どこにでもあるガソリンスタンドで、一番安いレギュラーガソリンを給油できる。そしてそれでいて、スポーツライディングも十分に楽しめる。この「気軽さ」と「懐の深さ」こそが、SV650が世界中で愛され、長く乗り続けられる秘訣なのかもしれません。
タンク容量とツーリング適性
最後に、多くの人が購入前の懸念点として挙げる「タンク容量」についてです。スペック表にある「14L」という数字を見て、「大型バイクなのに14L?少なくない?」「ツーリングで仲間より先に給油しなきゃいけないんじゃ…」と購入を躊躇している方もいるのではないでしょうか。
タンク容量14Lへの不安解消
結論から自信を持って言います。SV650において、14Lタンクは全く問題になりません。むしろ、車両のキャラクターにマッチした最適解だとすら言えます。なぜなら、これまでに解説してきた通り「燃費が抜群に良いから」です。
タンク容量の大きさというのは、単体で見る数字ではありません。「燃費 × 容量 = 航続距離」という計算式で判断すべきものです。例えば、リッターSSなどで燃費が15km/L〜18km/L程度のバイクが、少し大きめの17Lタンクを積んでいたとしましょう。 17L × 18km/L = 306km。 これがそのバイクの最大航続距離です。
対して、SV650は14Lタンクですが、燃費が26km/L走ります。 14L × 26km/L = 364km。 なんと、タンク容量が3リットルも小さいSV650の方が、実際には給油なしで60km近くも遠くまで行けるのです。この事実を知れば、「14Lしかない」という不安は「14Lで十分なんだ」という納得に変わるはずです。

ツーリングでの実質航続距離
では、机上の計算だけでなく、実際のツーリングシーンを想定した「実質航続距離」をシミュレーションしてみましょう。ギリギリまで走るのは精神衛生上よくないので、安全マージンを見て、タンク内のガソリンを1L残した状態(13L消費)まで走ると仮定します。
【シーン別:実質航続距離の目安(13L消費時)】
- 街乗り・通勤(燃費22km/L想定):約286km
毎日往復20kmの通勤に使ったとしても、給油は2週間に1回で済みます。 - 高速・ツーリング(燃費26km/L想定):約338km
東京から出発して、名古屋の手前まで無給油で行ける距離感です。 - 省燃費走行(燃費30km/L想定):約390km
条件が整えば、ワンタンクで400km近いグランドツーリングも夢ではありません。
一般的に、バイクツーリングでは200km〜250km程度走ったら休憩を兼ねて給油を行うのがセオリーです。日本の道路事情において、300km以上ガソリンスタンドが存在しない区間(北海道の極一部を除く)などまずありません。人間の方が先に疲れて休憩したくなる距離です。休憩のついでに給油すれば良いだけの話なので、実用上で「タンクが小さくて困った」となる場面は、皆無と言っていいでしょう。
給油ランプの点灯タイミング
それでも、知らない土地を走っている時にガソリンが減ってくるのは怖いものです。いわゆる「ガス欠恐怖症(Range Anxiety)」ですね。ですが、SV650はそのあたりのライダー心理をよく理解した設計になっています。
SV650の燃料残量警告灯(給油ランプ)は、燃料の残量が残り約4.2Lになると点灯(または点滅開始)するように設定されています。(※モデル年式により表示形式が若干異なりますが、残量は概ねこの数値です)
ここがポイントです。「残り4.2L」というタイミングは、かなり早めの設定と言えます。 4.2L × 26km/L = 約109km。 つまり、ランプが点いた瞬間には、まだ100km以上走れる燃料が残っているのです。
高速道路で走行中にランプが点灯しても、次のサービスエリア(通常50km間隔)どころか、その次のサービスエリアまで余裕で到達できます。「やばい!ガソリンがない!」と焦る必要は全くありません。「おっと、そろそろ次の休憩場所を探そうかな」くらいの余裕を持って対処できる。この「早めの警告」が、ライダーの精神的な余裕を大きく生んでくれます。

ガス欠リスクとメーター表示
さらに、SV650のフルLCDメーター(液晶メーター)には、ライダーをサポートする便利な機能が備わっています。「平均燃費計」と「瞬間燃費計」です。
この平均燃費計の精度は比較的高いと評判で、これを見れば「今の走り方ならあとどれくらい走れるか」を容易に計算できます。また、トリップメーター(区間距離計)と組み合わせて、「前回の給油から〇〇km走ったから、平均燃費〇〇km/Lを掛けると消費量は〇〇リットルだな」と推測することも可能です。
スリムなタンクの恩恵
最後に一つ付け加えると、14Lという容量に抑えたことで、SV650の燃料タンクは非常にスリムな形状をしています。これが足つき性の良さや、ニーグリップ(膝でタンクを挟む動作)のしやすさに直結しています。 もしこれが20Lタンクだったら、車体はもっと太くなり、SV650の美点である「軽快なハンドリング」や「小柄な人でも安心の足つき」が損なわれていたかもしれません。
「14Lしかない」と悲観するのではなく、「スリムで扱いやすい車体を手に入れた代償として、必要十分な14Lに最適化された」と捉えるのが正解でしょう。このスリムなタンクと高燃費エンジンの組み合わせこそが、SV650というバイクのパッケージングの妙なのです。
SV650の燃費に関するよくある質問(Q&A)
最後に、SV650の燃費や維持費について、購入検討者の方からよく寄せられる疑問にQ&A形式でお答えします。技術的な根拠に基づいた回答ですので、ぜひ参考にしてください。
Q1. レギュラー仕様ですが、ハイオクを入れたら燃費は良くなりますか?
A. 基本的には変わりません。むしろコスト増になるだけです。
SV650のエンジンはレギュラーガソリンのオクタン価に合わせて点火時期等が最適化されています。ハイオクを入れても洗浄効果などは期待できますが、燃費やパワーが劇的に向上することはありません。メーカー指定のレギュラーを入れるのが経済的にも性能的にもベストです。
Q2. 冬場は燃費が悪くなると聞きましたが、本当ですか?
A. はい、事実です。これはSV650に限った話ではありません。
気温が下がると、エンジンオイルや各部のグリスが硬くなりフリクションが増えるほか、空気密度が高くなるため燃料噴射量が増える傾向にあります。また、暖機運転の時間が長くなることも燃費悪化の一因です。冬場はリッター2〜3km程度落ちる(23〜24km/L程度になる)と考えておくと良いでしょう。
Q3. 高速道路で一番燃費が良い速度は何キロくらいですか?
A. 空気抵抗とのバランスで、80km/h〜90km/h巡航が最も伸びます。
SV650の場合、6速・3,500〜4,000回転付近がトルクの立ち上がりと巡航のバランスが良い領域です。100km/hを超えると空気抵抗が二乗で増えていくため、燃費は徐々に低下していきます。のんびり左車線を走るのが、最もお財布に優しい走り方です。
SV650の燃費と総評まとめ
ここまで、SV650の燃費性能、維持費の安さ、そしてタンク容量の実用性について、様々なデータと共に検証してきました。最後に、この記事でお伝えしたかった重要ポイントをまとめます。

- 実燃費はカタログ値を上回る26.0km/L前後、ツーリングなら30km/L超えも狙える驚異の経済性
- 4気筒ライバル車(CB650Rなど)と比較して年間1万円以上の燃料コスト差があり、長く乗るほど差が開く
- 「レギュラーガソリン仕様」のおかげで、ハイオク指定車に比べてガソリン価格高騰の影響を受けにくい
- 14Lタンクでも航続距離は実質350km以上を確保しており、ツーリングでの実用性は非常に高い
- 早めに点灯する給油ランプ(残4.2L)のおかげで、ガス欠の不安なく走りに集中できる
SV650は、単に「価格が安いバイク」や「維持費が安いバイク」ではありません。Vツインエンジンの楽しい鼓動感、軽快なコーナリング性能、そして所有欲を満たすデザイン。これらスポーツバイクとしての魅力を一切犠牲にすることなく、お財布への優しさという最強の武器を隠し持っている、まさに「賢者の選択」と言える一台です。
もしあなたが、「維持費を抑えつつ、大型バイクの楽しさを存分に味わいたい」「気兼ねなくロングツーリングに出かけたい」と考えているなら、SV650は間違いなく最高の相棒になるはずです。
さあ、浮いたガソリン代で、次はどこへツーリングに行きましょうか?美味しいものを食べに行くもよし、カスタムパーツを買うもよし。SV650となら、あなたのバイクライフはもっと自由になります。