こんにちは。「motofrontier」の「マコト」です。
最近、街中の信号待ちやパーキングエリアで、ふと隣に並んだバイクのエンジンに目を奪われることはありませんか?水冷エンジンのつるりとした機能的な造形が増えた現代だからこそ、無骨に刻まれた「冷却フィン」の凹凸が、強烈な個性を放っているように感じます。
さて、今回はそんな冷却フィンを持つ、現代では極めて希少となった空冷直列4気筒モデル、CB1100についてお話しします。購入を検討する際、気になって調べてみると、「CB1100は不人気」だとか「買って後悔した」といったネガティブな評価や、車体が「重い」、加速が「遅い」といった言葉が並んでいて、不安になってしまう方も多いのではないでしょうか。
しかし、そうしたスペック上の数値だけで語られる評価の裏側には、実際に所有して走らせた者にしかわからない深い世界が広がっています。
- ✅ 「CB1100は不人気」という評判が気になり、購入後に後悔しないか不安だ
- ✅ 車重が250kg以上あるため「重い」と感じて、取り回しに苦労しそうだと思っている
- ✅ 人気の「Kawasaki Z900RS」とどちらを選ぶべきか、決めきれずに迷っている
- ✅ 5速の初期型と6速の後期型、自分のスタイルにはどちらが合っているのか知りたい
もし一つでも当てはまったなら、この記事があなたの疑問をすべて解決します。
CB1100が不人気と言われる誤解の真実
まず最初にお伝えしたいのは、「CB1100が不人気」というのは、あくまで特定の切り口で見た場合の誤解に過ぎないということです。「不人気」というレッテルは、多くの場合、現代のバイク市場における「売れ筋の基準」と照らし合わせた際に生じるズレから来ています。
なぜネガティブな評価が生まれてしまうのか、そして実際のオーナーたちはどう感じているのか、その深層心理と真実を紐解いていきましょう。
実は、「不人気」と言われるバイクには、CB1100に限らず共通した「誤解の構造」があります。ターゲット層の違いや、カタログスペックには現れない価値が見過ごされているケースが非常に多いのです。

購入して後悔する人の特徴とは
正直に申し上げますと、CB1100を購入して「失敗した」「後悔した」と感じてしまう人には、明確な傾向があります。それは、バイクに対して「効率」や「絶対的なスペック」、あるいは「最新のトレンド」を最優先に求めてしまう人です。
例えば、あなたがこれまでスーパースポーツ(SS)や、最新のストリートファイターに乗っていたとしましょう。そういったバイクは、アクセルをひとひねりすれば強烈な加速Gが体感でき、コーナーでは視線を向けただけでスッと曲がっていくような回頭性を持っています。
そうした「速くて軽くて快適なバイク」こそが正義であるという価値観を持ったままCB1100に乗ると、どうしても「古臭い乗り物」「反応が鈍いバイク」に感じられてしまうでしょう。
また、ツーリング仲間が全員最新の水冷バイクに乗っている場合も要注意です。高速道路での追い越し加速や、ワインディングでのペースアップにおいて、CB1100は明らかに「置いていかれる」感覚を味わうことになります。「信号待ちからのダッシュで他車を圧倒したい」とか「峠道を誰よりも速く駆け抜けたい」といった願望を持っている場合、CB1100は最適な選択肢ではないかもしれません。
スペック上の欠点と実際の評価
カタログスペックだけを見れば、CB1100には確かに現代のバイクとしては「欠点」と捉えられかねない要素が並んでいます。例えば、最終型である「CB1100 Final Edition」のスペックを見てみましょう。
- 最高出力:90PS / 7,500rpm
- 車両重量:255kg(EX) / 252kg(RS)
リッタークラスでありながら最高出力は90PSにとどまり、装備重量は250kgを超えます。同クラスの水冷ネイキッドが150PSを超え、重量も200kgそこそこで作られている現代において、この数値は明らかに「劣っている」ように見えるかもしれません。
しかし、私たちCBファンからすれば、これらは欠点ではなく「意図された設計」であり、ホンダというメーカーの執念の結晶なのです。通常、エンジニアは少しでも軽く、少しでも高出力なエンジンを作ろうと努力します。
しかし、CB1100の開発チームは、あえて効率を犠牲にしてでも、「空冷エンジンの美しさ」や「厚みのあるトルク感」を追求しました。(出典:本田技研工業『CB1100 Final Edition』発表リリース)
特にエンジンの冷却フィンには並々ならぬこだわりが詰まっています。厚さ2mmという極薄のフィンは、冷却効率だけでなく、エンジンそのものの「造形美」を追求した結果です。
そして、このフィンが風を切ることで、走行後にはエンジンから「キン、キン」という独特の冷却音が奏でられます。これは意図して音を作ったというよりも、美しさを追求した結果として生まれた副産物ですが、オーナーにとっては「エンジンが生きている証」を感じられる至福の時間となっています。

重い車体こそがもたらす安定感
「CB1100 重い」と検索されることが多い通り、実際、このバイクの取り回しは決して楽ではありません。装備重量で約252kg〜255kg(Final Edition)。これは教習車として馴染みのあるCB400SFより50kg以上重く、リッターSSと比べても大人一人分くらい重い計算になります。
ガレージからの出し入れ、特にわずかでも傾斜がある場所に頭から突っ込んでしまった時の絶望感は、オーナーなら誰もが一度は経験する「洗礼」です。また、渋滞路での低速走行やUターンでも、グラッときた瞬間に支えきれず「立ちゴケ」してしまうリスクは常に付きまといます。特に重量級バイクの取り回しにはコツが必要ですので、不安な方は以下の記事も参考にしてみてください。
ですが、走り出してしまえば、その重さは「圧倒的な安定感」へと変わります。物理法則として、重い物体は一度動き出せばその慣性力で安定しようとします。
CB1100の場合、その重量感が路面のちょっとしたギャップや横風の影響を打ち消し、まるでレールの上を走っているかのような直進安定性を生み出します。高速道路で大型トラックの横を通過する際も、軽量なバイクのように風圧で吹き飛ばされそうな恐怖を感じることは少ないでしょう。
遅いと言われる加速性能の実際
「CB1100 遅い」という評価も散見されますが、これは「何と比較するか」の問題であり、バイクに何を求めるかによって評価が180度変わる部分です。
確かに、0-100km/hのタイムを競ったり、サーキットでラップタイムを削ったりするような走りには全く向いていません。最高出力90PSというのは、数値だけで見れば現行のミドルクラスと同等かそれ以下です。「リッターバイクなんだから、アクセルを開ければワープするような加速をするはずだ」と思って乗ると、拍子抜けするほど穏やかだと感じるでしょう。
しかし、CB1100の真骨頂は、レッドゾーンまで回した時ではなく、時速40km〜60kmで流している時にあります。最大トルクを比較的低い回転数(5,500rpm付近)で発生させるようにセッティングされているため、街中で多用する2,000〜3,000回転あたりの力強さが素晴らしいのです。
高いギアに入れたまま、アクセルをガバっと開けると、エンジンは「ズドズドズド…」と低い唸り声を上げながら、路面を蹴り出すようなトラクションを感じさせて加速していきます。
この時、ハンドルやシートを通じて伝わってくる心地よい振動(パルス感)こそが、空冷直列4気筒の醍醐味です。「回さなくても気持ちいい」「遅い速度域でも楽しい」という意味では、信号の多い日本の道路事情や、景色を楽しみながら走るツーリングにおいて、これほど贅沢で「速い(=ストレスなく走れる)」エンジンはないとさえ思います。絶対的なスピードではなく、感性に響く加速感。それがCB1100の速さの定義なのです。
ライバルZ900RSとの比較で迷う理由
多くのライダーが頭を抱えるのが、現代のネオクラシックブームを牽引する大ヒットモデル、「Kawasaki Z900RS」との比較ではないでしょうか。見た目はどちらも往年の名車(Z1とCB750F/Four)をモチーフにしたレトロスタイルですが、その中身と設計思想は完全に対極に位置しています。ここでは、両車の違いを詳細に比較し、迷いを断ち切るためのポイントを解説します。

Z900RSと迷う際の判断基準
Z900RSとCB1100、どちらも素晴らしいバイクですが、ターゲットとしているライダー層は明確に異なります。迷っている方は、以下の比較表と判断基準を参考にしてみてください。
| 比較項目 | Honda CB1100 (Final) | Kawasaki Z900RS |
|---|---|---|
| エンジン形式 | 空冷 直列4気筒 | 水冷 直列4気筒 |
| 最高出力 | 90PS / 7,500rpm | 111PS / 8,500rpm |
| 車両重量 | 252kg〜255kg | 215kg |
| フレーム | ダブルクレードル(鉄) | トレリスフレーム(高張力鋼) |
| 乗り味 | 重厚、穏やか、鼓動感 | 軽快、パワフル、吹け上がり |
- Kawasaki Z900RSを選ぶべき人:
「レトロな見た目が好きだけど、中身は最新のテクノロジーが良い」「峠道ではスポーツバイクのように軽快に走りたい」「取り回しの軽さは正義だ」「夏場の熱さや渋滞でのストレスを少しでも減らしたい」 - Honda CB1100を選ぶべき人:
「多少不便でも、冷却フィンのある本物の空冷エンジンに乗りたい」「速さよりも、エンジンの鼓動や鉄の質感を味わいたい」「時代遅れのメカニズムにロマンを感じる」「重厚な乗り心地でゆったりと旅をしたい」

夏は熱い?空冷エンジンの真実
CB1100を検討する上で避けて通れない事実、それは「夏は間違いなく熱い」ということです。これは脅しでも何でもなく、物理的な事実です。
水冷エンジンは、シリンダーの周りを冷却水(クーラント)が循環し、ラジエーターと電動ファンによって温度を一定に保ちます。しかし、CB1100の空冷エンジンにはそれがありません。頼れるのは走行風とエンジンオイルのみ。そのため、真夏の渋滞や信号待ちでは、エンジンは冷却手段を失い、またたく間に高温になります。
検索でも「CB1100 夏 暑い」と頻繁に調べられている通り、ライダーへの影響も甚大です。エンジンの熱気は容赦なく上昇し、ニーグリップしている内股やふくらはぎを直撃します。薄手のパンツでは低温火傷のリスクさえあるレベルです。油温計とにらめっこしながら、「そろそろ限界かな」と感じたら、コンビニで人間とともにバイクも休憩させて冷やす。そんな配慮が必要になります。
「なんて不便な乗り物なんだ」と思うかもしれません。ですが、空冷乗りにとっては、この「手のかかる感じ」さえも愛着の一部なのです。木陰で休憩中に、「キン、キン」と音を立てて冷えていくエンジンを眺めながら、冷たい缶コーヒーで一息つく。そんな、「機械を労る時間」を楽しめる余裕があるかどうかが、CB1100と長く付き合えるかの分かれ道と言えるでしょう。
ツーリング適性と高速道路の実態
CB1100は、基本的にはツーリング適性の高いバイクです。その理由は、先ほど述べた「車重による直進安定性」に加え、シートの出来の良さにあります。厚みのあるシートは座り心地が良く、アップライトなポジション(RSを除く)と相まって、長時間の走行でもお尻や腰への負担が少ない傾向にあります。
高速道路の走行に関しては、カウルのないネイキッドモデルであるため、風圧をもろに受けることは避けられません。時速100kmを超えると、風との戦いになります。しかし、法定速度内でのクルージングであれば、空冷4気筒エンジンは非常に滑らかで、振動も不快なビリビリしたものではなく、心地よい鼓動としてライダーに伝わります。
ただし、ここで注意が必要なのは燃料タンクの容量です。年式によってタンク容量が異なり、初期型は14L、中期以降のEXなどは17L、ファイナルエディションは16Lとなっています。特に14Lタンクのモデルは、実燃費(リッター15km〜20km前後)を考慮すると航続距離が短めになるため、ツーリングの際は早めの給油計画が必要になります。
5速と6速どっちが良いか論争
CB1100の中古車選びにおいて、最も議論が白熱するのがトランスミッションの問題です。2010年〜2013年の初期型は「5速ミッション」、2014年以降の中期・後期型は「6速ミッション」が採用されています。
| 項目 | 5速モデル(2010-2013) | 6速モデル(2014-2021) |
|---|---|---|
| 特徴 | 各ギアの守備範囲が広いワイドレシオ。 | トップギア(6速)がオーバードライブ設定。 |
| 100km/h巡航 | 約3,500rpm前後。回転数が高く感じる。 | 約3,000rpm前後。静かで燃費が良い。 |
| メリット | 変速回数が少なく、ズボラにトルクで走れる。 加速時の「伸び」を感じやすい。 | 高速道路での快適性が圧倒的に高い。 シフトショックが少なくスムーズ。 |
| デメリット | 高速で「幻の6速」にかき上げようとしてしまう。 振動と音が大きめ。 | 街中では頻繁なシフトチェンジが必要。 味が薄いと感じる人もいる。 |
初期型の5速モデルに乗ると、高速道路を巡航している時に「もう一段ギアを上げたい」と無意識にシフトペダルをかき上げてしまう、いわゆる「幻の6速」現象に悩まされることがよくあります。これが不満点として挙げられたため、マイナーチェンジで6速化された経緯があります。
私個人の意見としては、「下道メインで、エンジンのドコドコ感をダイレクトに楽しみたいなら5速」「高速道路を使ったロングツーリングの頻度が高いなら6速」がおすすめです。初期型の5速仕様は、ギアチェンジをサボってアクセルだけで速度調整をするような、大排気量車特有のズボラ運転がやりやすく、それはそれで「空冷らしい荒々しさ」があって面白いんですよ。
理想の一台に出会うための選び方
CB1100シリーズは、11年間のモデルライフの中で進化を続け、大きく分けて「無印(Standard)」「EX」「RS」という3つの異なるキャラクターを持つバリエーション展開を行ってきました。これらは単なるグレード違いではなく、乗り味や目指した方向性が明確に異なります。ここでは、それぞれの特徴を深掘りし、あなたのスタイルに最適な一台を見つけるためのガイドを提示します。
無印とEXとRSの違いを比較

まず、基本となる3つのモデルの違いを整理しましょう。
CB1100(無印・Standard)
【特徴】
シリーズの原点となるモデルです。アップハンドルに18インチのキャストホイールを採用しており、最もベーシックで素直なハンドリングを持っています。タンク形状はスリムで、容量は年式により14Lが基本です。
【おすすめな人】
「カスタムベースとして安価に手に入れたい」「気負わずに日常の足として使いたい」「往年のCB750Fのようなスポーティさとクラシックさの中間を狙いたい」という方に最適です。中古相場も比較的落ち着いており、最も手が出しやすいモデルと言えます。
CB1100 EX
【特徴】
2014年に登場した、クラシックテイストを極めたモデルです。当初よりワイヤースポークホイールと左右2本出しマフラーを採用。さらに2017年のアップデートで、フランジレス(溶接跡が見えない)製法の美しい燃料タンクが採用され、質感が増しました。シートも厚みのあるタックロール風のデザインで、まさに「伝統的なオートバイ」のシルエットを体現しています。
【おすすめな人】
「これぞCB、という王道のスタイルに乗りたい」「メッキパーツを磨くのが至福の時間」「ゆったりとしたポジションでツーリングを楽しみたい」という方には、間違いなくEXがベストバイです。
CB1100 RS
【特徴】
2017年に登場した、走りの性能を引き上げたスポーティモデルです。最大の特徴は、前後ホイールを17インチのキャストホイールに変更したこと。これにより、最新のハイグリップタイヤを選択できるようになりました。足回りも強化され、フロントフォークやリアショック、ブレーキキャリパー(ラジアルマウント)などがグレードアップされています。ポジションはやや前傾になります。
【おすすめな人】
「空冷エンジンのフィーリングは好きだが、ワインディングもキビキビ走りたい」「カフェレーサーのようなスタイルが好き」「Z900RSと迷っているが、どうしても空冷が良い」という方にはRSが刺さるでしょう。
中古価格の高騰と資産価値
ご存知の通り、CB1100シリーズは2021年の「ファイナルエディション」をもって生産が終了しました。これに伴い、中古車市場では価格が高騰傾向にあります。これは単なるブームではなく、「今後二度と新車では作れない、量産車としては最後となる可能性が高い空冷直列4気筒」という希少性が、市場で正当に評価され、一種の「文化遺産」として認知され始めた結果だと言えます。
投機目的での購入はおすすめしませんが、大切に乗っていれば、将来的に大きく値崩れすることは考えにくいでしょう。「走る資産」として所有する喜びも、このバイクの隠れた魅力の一つです。
維持費や寿命に関する注意点
「古い設計のバイクだから壊れやすいのでは?」と心配される方もいますが、その点はご安心ください。基本設計は現代の技術で作られたホンダ車ですので、エンジン自体の耐久性は極めて高いです。適切なメンテナンスを行っていれば、走行距離10万キロを超えても元気に走り続ける個体はたくさん存在します。
ここだけは注意!維持管理のポイント
- オイル管理:
空冷エンジンは熱的に厳しいため、オイルの劣化が早いです。3,000kmまたは半年ごとの交換を徹底し、夏場は粘度の高い良質なオイルを入れることを推奨します。 - サビ対策(特にEX):
スポークホイールやメッキフェンダーは、雨天走行後の放置や湿気の多い保管環境で、驚くほど早くサビが発生します。一度サビると除去は困難です。こまめな清掃と防錆剤の塗布、可能であれば屋内保管が理想です。 - タイヤ交換(無印・EX):
18インチホイールは、選べるタイヤの銘柄が限られます。最新のスポーツタイヤを履きたいと思っても、サイズがない場合があることは覚えておきましょう。
よくある質問(CB1100マニアックQ&A)
最後に、購入を真剣に検討されている方が抱きがちな、少しマニアックな疑問にお答えしておきます。
Q. スポークホイールの手入れは本当に大変ですか?
A. はい、大変です。
特に雨の日の走行後や、湿気の多いガレージでの保管は要注意です。メッキの質は高いですが、一度サビ始めると一気に広がります。美しい状態を保つには、週末ごとの拭き上げが習慣になるくらいの覚悟が必要です。自信がない方は、キャストホイール仕様のRSか無印をおすすめします。
Q. クラッチが重いと聞いたのですが?
A. 年式によります。
2017年式以降のモデル(RS含む)は「アシスト&スリッパークラッチ」が採用されており、それ以前のモデルと比較すると格段に軽く、渋滞時の疲労を大きく軽減してくれます。握力に不安がある方は、この機構が搭載された2017年以降のモデルを探すのが無難です。
Q. 生産終了後のパーツ供給は大丈夫ですか?
A. ホンダ車ですので、主要な消耗品やエンジンパーツに関しては当面心配ありません。
ただし、初期型の専用外装パーツや、メッキ部品の一部に関しては、すでに廃盤または長期欠品が出始めているという情報もあります。長く乗るつもりなら、立ちゴケしやすい箇所のパーツ(レバー、ウィンカー、ミラー等)は予備を持っておくと安心かもしれません。

CB1100が不人気という声を越えて
ここまで、CB1100の真実について、良い面も悪い面も包み隠さずお話ししてきました。「CB1100は不人気」「重い」「遅い」というネット上の言葉を見て不安になっていた方も、それが「ターゲットや価値観の違い」によるものだと、深く理解いただけたのではないでしょうか。
このバイクは、便利さや効率、絶対的な速さを求めるための道具ではありません。現代社会が切り捨ててきた「不便さ」を愛し、鉄の塊の「重さ」を噛み締め、エンジンの「熱」と対話しながら走る。そんな「古き良きオートバイライフ」を現代に継承する、最後の砦なのです。
Z900RSのような優等生も素晴らしいですが、手間がかかる子ほど可愛いとも言います。もしあなたが、数値スペックよりも「情緒」や「五感への刺激」を大切にするライダーなら、CB1100は間違いなく一生モノの相棒になるはずです。
- 「不人気」なのは絶対性能を求める層からの評価であり、情緒的価値は極めて高い
- 重さは「安定感」と「所有感」の裏返しであり、走り出せば欠点ではなくなる
- 利便性と速さならZ900RS、空冷の造形美と鼓動感ならCB1100を選ぶべき
- 用途に合わせて、鼓動感の5速(前期)か、快適な6速(後期)かを見極める
- 生産終了により資産価値としての側面も持ち合わせている
さあ、画面の前でスペック表を眺めるのはもう終わりにしましょう。中古車市場のタマ数は日々変動しており、良質な個体は年々減っていきます。
「あの時買っておけばよかった」と後悔する前に、まずは近くのバイクショップで、その美しい空冷エンジンの実車を目の当たりにしてみてください。冷却フィンの輝きを見た瞬間、あなたの理屈は吹き飛び、心が決まるはずです。