こんにちは。「motofrontier」の「マコト」です。
ホンダのCB650R、めちゃくちゃかっこいいですよね。ネオ・スポーツ・カフェというコンセプトで磨き上げられたあのモダンなデザイン、そして何よりフロントから美しく流れる4本のエキゾーストパイプ…あれを見ただけでご飯3杯はいけそうです。
一目惚れして「次はこのバイクに乗りたい!」と購入を検討している方も多いのではないでしょうか。
でも、いざ本気で買おうと思って評判を調べてみると、ちょっと気になる声が耳に入ってきますよね。
「CB650Rを買って後悔した」とか、「長時間乗ると疲れる」「優等生すぎてつまらない」といったネガティブな意見を目にして、急に「本当にこのバイクで大丈夫かな?」と不安になって足がすくんでしまった…なんて経験はありませんか?
決して安い買い物ではありません。新車なら乗り出しで100万円を超えてくる大きな投資です。維持費や足つきの良し悪し、実際の燃費、そして4気筒特有のメリット・デメリットなど、カタログには載っていないリアルな部分が気になりますよね。
「せっかく憧れの4気筒を買ったのに、こんなはずじゃなかった」なんて失敗は絶対にしてほしくありません。今回は、そんな購入前のモヤモヤを抱えている方に向けて、オーナー予備軍の視点で徹底的にリサーチし、良い部分も悪い部分も包み隠さず「真実」をお話しします。
あなたは今、こんなことで悩んでいませんか?
- ✅直列4気筒エンジンに憧れるけど、振動がひどくて高速道路で疲れるって本当?
- ✅キャンプツーリングに行きたいけど、荷物が全然積めないらしいから不安…
- ✅MT-07のような軽量でパンチのある2気筒モデルと比べて、街乗りがつまらないのではないか?
- ✅タイヤ代やガソリン代などの維持費が高そうで、家計を圧迫しないか現実的に心配
もし一つでも当てはまったなら、この記事があなたの疑問をすべて解決します。
CB650Rを買って後悔する理由と誤解の正体
まずは、ネット上の掲示板やSNS、YouTubeのコメント欄などでよく囁かれている「後悔ポイント」について、その中身を深掘りしてみましょう。
これらを詳しく見ていくと、実は車両自体の欠陥などではなく、4気筒エンジンの特性を正しく理解していないことからくる「ミスマッチ」や、用途の違いによる「無い物ねだり」がほとんどなんです。
低速トルク不足という幻想
よく「4気筒は低速がスカスカで発進が怖い」「トルクが薄くてエンストしやすい」なんて言われますが、結論から言うとCB650Rに関してはそこまで神経質になる必要はないかなと思います。この「スカスカ」という表現は、比較対象が間違っているケースが多いんです。
例えば、教習車で乗ったCB400SFや、ライバル車であるヤマハのMT-07(並列2気筒)と比較してみましょう。MT-07のような2気筒エンジンは、構造上、低回転から「ドカン!」と背中を蹴られるような強烈なダッシュ力を発揮します。
信号待ちからの発進で、アクセルを少し開けただけでグイッと前に出る感覚ですね。これと比較してしまうと、CB650Rの出足は確かに穏やかで、一瞬「あれ、進まない?」と感じるかもしれません。
でも、これは「パワーがない」のではありません。4気筒特有の、出力の出方がすごくマイルドで二次曲線的に盛り上がっていく特性そのものなんです。

街中の交差点や渋滞路での発進において、過敏すぎないこの穏やかさは、むしろ初心者やリターンライダーにとっては大きな安心感に繋がります。アクセルワークに気を使わなくていい分、実は疲れにくいとも言えるんですよ。
逆に言えば、「信号ダッシュで常に一番じゃないと気が済まない」「アクセルだけでフロントアップするような刺激が欲しい」というアグレッシブな人だと、「なんか優等生すぎて刺激が足りないな、つまらないな」と感じてしまうかもしれません。
しかし、CB650Rの真価はそこではありません。アイドリング付近からスムーズに繋がり、回転数が上がるにつれて「どこまでも伸びていくような緻密な回転フィール」と「官能的な吸気音」にあります。この「回して楽しむ」という作法を理解して乗れば、不足どころか、他のエンジン形式では味わえない極上の体験になりますよ。

魔の6000回転による振動問題
これは正直にお伝えしないといけない、CB650R最大の「後悔」要因になり得るポイントですね。多くのオーナーさんがレビューで口を揃えるのが「振動」です。特にネガティブな意見として挙がるのが、高速道路での巡航時です。
CB650Rのエンジンは、4,000回転から6,000回転あたりの領域で、車体との共振による微振動が発生しやすい傾向があります。具体的には、6速で時速100km巡航をしていると、ちょうど回転数が約4,800rpm前後になります。
そこから追い越しをかけようとしてアクセルを開け、6,000rpm付近に差し掛かると、ハンドルグリップやステップを通して「ビリビリビリ…」という高周波の振動がライダーの手足に伝わってきます。
この微振動がクセモノで、短時間なら「エンジンの鼓動」として楽しめますが、1時間、2時間と高速道路を走り続けると、手が痺れてきて明確に「疲れる」原因になります。
バックミラーが振動でブレて、後続車の車種が判別しにくくなるという声もあります。これがロングツーリング派のユーザーが「失敗したかも」と感じる瞬間です。
ただ、これも「不具合」ではなくて、エンジンの個性がフレームに伝わりやすい設計になっている結果です。それに、今は良い対策グッズがたくさん出ています。
純正よりも重たい「ヘビーウェイトバーエンド」に交換してハンドルの共振点をずらしたり、車体のフレームに取り付けて振動を吸収・減衰させる「パフォーマンスダンパー(アクティブ製など)」を装着したりすることで、この不快な振動はかなり軽減できることが実証されています。
「振動も4気筒の味のうち」と割り切れるか、あるいは購入時に「快適化カスタム」の予算をあらかじめ見ておけるかが、後悔しないためのカギになります。
積載性が皆無である現実
あのシュッとした短いテールデザイン、マスの集中化を体現していて最高にかっこいいですよね。このスタイリングに惚れて買う人が大半だと思います。でもその代償として、積載性は本当に皆無と言っていいレベルです。「少ない」ではなく「皆無」です。
シートを開けても、車検証と自賠責の書類を入れたらもう終わり、くらいのスペースしかありません。ETC車載器を入れる場所さえ工夫が必要です。
最近流行りのキャンプツーリングに行きたいと思っても、CB650Rはなかなかのハードモードです。リアシートの座面が非常に小さく、かつ後ろ下がりに傾斜しているデザインのため、タナックスのキャンピングシートバッグのような大型バッグを安定して積むのには相当な工夫がいります。
何も考えずに荷物満載のバッグを載せようとすると、固定ベルトのかける場所(フック)もなくて、「あれ、これ積めないじゃん…詰んだ…」となりかねません。
対策としては、純正の美しいデザインを少し崩すことにはなりますが、サードパーティ製のリアキャリアを付けるのが一番確実で安全です。スタイル重視でリュック一つで乗る「日帰り特化型」として割り切るか、実用性を取ってキャリアを付けるか。ここは納車後に慌てないよう、購入前に自分の使い方に合わせて覚悟を決めておくべきポイントですね。
積載や快適性を「ツーリング仕様」で詰めたい方は、こちらも参考にどうぞ。
CB650Rをツーリング仕様にするなら?快適性と積載を底上げするカスタム
E-Clutchが「左手の疲労」と立ちゴケ不安を大幅に軽減する

ここまでネガティブな話もしましたが、ここで朗報です!もしあなたが中古ではなく新車での購入を検討しているなら、ホンダの最新技術「Honda E-Clutch(イークラッチ)」搭載モデルは、街乗り・渋滞・発進停止が多い環境でのストレスを大きく減らしてくれます。
このE-Clutchは、発進・変速・停止の場面で、ライダーのクラッチレバー操作を不要にする(※必要なら握って通常操作も可能)という考え方の技術です。シフト操作はペダルで行うので、オートマとは違い「操る楽しさ」は残しつつ、面倒なところだけ機械が助けてくれるイメージですね。
これの何が効くかというと、まず渋滞時の「左手の疲労」から解放されること。そして、クラッチ操作ミスに起因するエンストや、それによる立ちゴケの不安を大幅に軽減できる点です。CB650Rのクラッチは元々そこまで重くはありませんが、それでも長時間の渋滞では握力が奪われます。E-Clutchなら、疲れ方がまるで違います。
ただし注意点もあって、E-Clutchは「振動」や「積載性」そのものを解決する装備ではありません。あくまで操作負担(左手)と発進停止のストレスに強く効く、と理解しておくと期待値のズレが起きません。
技術的な詳細が気になる方は、Hondaの公式サイトでその仕組みを確認してみてください。DCTやクイックシフターとの違いも整理されています。
(出典:Honda公式サイト「Honda E-Clutch」)
維持費やタイヤ代に見る経済的なデメリット

さて、ここからはさらに現実的な「お金」の話をしましょう。バイクは買って終わりではありません。むしろ、そこから始まる維持費の方が家計には重要です。憧れだけで突っ走ると、後で通帳の残高を見て青ざめることになりかねません。維持費のリアルを事前に知っておくことが、長く愛車と付き合うコツです。
4気筒でも燃費は悪くない事実
昔からのライダーの間では「4気筒=ガブガブガソリンを飲む燃費の悪い乗り物」というイメージが根強くあります。しかし、CB650Rに関しては、その常識は必ずしも当てはまりません。実はこのエンジン、現代の技術で燃焼効率が最適化されており、意外と優秀なんです。
実際のオーナーさんのデータを集計すると、街乗りメインでもリッター18km前後、ツーリングユースならリッター20km〜22kmくらい走るという声が非常に多いです。高速道路を淡々と流せば25km/L近くまで伸びることもあります。
CB650Rの燃料タンク容量は15リットルです。実燃費20km/Lで計算すると、満タンで300kmは走れる計算になります。日帰りツーリングなら出発時に満タンにしておけば、途中でガソリンスタンドを探してヒヤヒヤする…なんて事態はほとんど起きません。
燃費・維持費をもう少し具体的に見たい方は、こちらで深掘りしています。
CB650Rの燃費は悪い?実燃費データと年間維持費・資産価値
ネックとなるタイヤ交換費用
維持費において、ここが最大の落とし穴かもしれません。CB650Rは650ccのミドルクラスですが、走行性能を確保するために、タイヤサイズはリッタークラスの大型スーパースポーツと同じ立派なものを履いています。
| ホイール位置 | タイヤサイズ | 主な銘柄例 |
|---|---|---|
| フロント | 120/70ZR17 | Bridgestone S22 / Michelin Road6 |
| リア | 180/55ZR17 | Bridgestone S22 / Michelin Road6 |
この「リア180サイズ」というのが曲者です。例えば、ハイグリップ寄りのタイヤ(ブリヂストン S22など)に前後セットで交換しようとすると、タイヤ代だけで4万円〜5万円、そこに工賃や廃タイヤ処分料を加えると、総額で5万5千円〜6万5千円程度かかることも珍しくありません(※店舗や時期によります)。
これが400ccクラスや、リアタイヤが細い(160サイズなど)2気筒ミドルクラス(SV650やZ650など)であれば、4万円前後で済む場合もあります。つまり、タイヤ交換のたびに1万5千円〜2万円ほど高くつくイメージです。
年間1万キロ以上走るようなヘビーユーザーにとっては、1年に1回この出費がやってくるので、ボディブローのように家計を圧迫します。「次はライフ(寿命)重視のツーリングタイヤにする」など、運用でカバーする工夫が必要ですね。
でも、考えようによっては「最高峰のスポーツタイヤで地面に張り付く安心感」を買っているとも言えます。それに、次は「ミシュラン Road6」のようなロングライフタイヤを選べば、交換サイクルをかなり伸ばせますよ。維持費は工夫次第でコントロール可能です!
振動対策パーツへの追加投資

先ほど触れた「振動」への対策ですが、これを解決して快適なツーリング仕様に仕上げようとすると、車両代とは別に地味にお金がかかります。精神的な「後悔」を防ぐための必要経費として計算しておきましょう。
- ヘビーウェイトバーエンド:約5,000円〜12,000円
純正は軽いので、ポッシュフェイス製のウルトラヘビーバーエンドのような重量級パーツに変えるだけで、ハンドルの不快なビリビリが激減します。最もコスパの良い対策です。 - パフォーマンスダンパー:約35,000円〜45,000円
車体フレームに取り付けて微振動を吸収する魔法の棒です。アクティブ製(ACTIVE)の車種専用キットなどが定番で、長距離移動の疲労感が段違いになります。 - ゲル入りグリップ:約3,000円〜5,000円
物理的に手への振動を遮断する柔らかいグリップです。安価で効果的な対策です。
これらを揃えると、工賃込みで概ね5万円〜7万円くらいの出費になります。快適に乗るためには、車両価格プラスアルファの「快適化予算」を見ておいた方が、納車後の満足度が下がらずに済みます。「最初からこういうものだ」と予算に組み込んでおけば、後から「また出費か…」と後悔することはありません。
ローン利用時の総支払額リスク
最近はホンダドリームなどで「据置型クレジット(残価設定ローン)」を利用して購入する方も多いですよね。「月々1万円台でCB650Rに乗れる!」という謳い文句は非常に魅力的ですが、ここにも経済的な後悔のリスクが潜んでいます。
据置型クレジットは、車両価格の一部を最終回に据え置くことで、月々の支払額を安く見せる仕組みです。一方で、一般的に据え置いた金額(残価相当)にも手数料・金利がかかる設計が多く、総額で見ると「思ったより払っている」状態になりやすい点は理解しておきたいところです。
また、満期時に「一括で支払う」「再クレジット」「車両売却(返却を含む)」などの選択を迫られます。ここで出口戦略を決めずに契約すると、後から「結局どうするのが得だったんだ…」となりがちです。月々の安さだけで決めず、満期の動きまでセットで考えるのが後悔しないコツです。
圧倒的なリセールバリューが後悔を防ぐ

維持費やローンの話で、ちょっと怖がらせてしまったかもしれませんね。でも安心してください。CB650Rには、それらの経済的デメリットを補って余りある、最強の武器があります。それが「資産価値(リセールバリュー)」です。
中古買取相場が下がりにくい理由
CB650Rの中古車相場が強い理由はシンプルで、「ミドル4気筒の選択肢が少ない」ことにあります。
環境規制が厳しくなる中で、コストのかかるミドルクラス4気筒を継続するのは簡単ではありません。ヤマハやカワサキといった他メーカーが、コストパフォーマンスと環境性能に優れる「並列2気筒」へとシフトしていく中で、CB650Rは「4気筒を選びたい層」からの指名買いが起きやすい立ち位置にいます。
不人気説や資産価値の話を、MT-07比較も含めて整理した記事もあります。
CB650Rが不人気と言われる真実。4気筒の資産価値とEクラッチで変わる評価
2気筒ライバル車との資産性格差
これを数字のイメージでお話ししましょう。例えば、同じミドルクラスのライバルであるMT-07やZ650、SV650といったバイクは、非常に素晴らしい性能を持っていますが、中古市場でのタマ数も多く、相場は一般的なバイクの値動きになりやすいです。
一方でCB650Rは、「高くてもいいから4気筒に乗りたい」というユーザーからの需要が一定数あります。そのため、状態が良い個体は“下がりにくい”側に寄りやすい、というのが実情です。
極端な話ですが、新車で100万円で買って、3年楽しんで乗った後に70万円で売れたとしたらどうでしょう?3年間の車両代の実質負担は30万円。1年あたり10万円、月額換算で約8,300円です。これって、リセールの弱い車種を安く買って乗り潰すよりも、トータルの出費が少なく済む可能性があるんです。
損失を最小限に抑える出口戦略
この高いリセールバリューは、私たち購入者にとって「保険」になります。もし万が一、購入後に「やっぱり自分には合わなかったな」「ポジションがきつくて腰が痛いな」となったとしても、CB650Rなら傷が浅くて済みやすい。
人気車種なので、買取店も欲しがる傾向があります。そのため、売却時の持ち出し(損失)を抑えやすく、「合わなかったら売る」という選択が現実的になりやすいのも事実。迷っているなら、試す価値があるバイクだと思います。
購入前に知っておきたい!CB650Rに関するよくある質問(Q&A)
ここまでCB650Rのリアルな情報をお伝えしてきましたが、まだ細かい部分で不安が残っている方もいるかもしれません。ここでは、私が多くのオーナーやショップスタッフから聞いた情報、およびスペックデータに基づき、購入検討者が抱きがちな疑問にQ&A形式で論理的に回答します。
Q1・身長165cm前後ですが、足つきが悪くて立ちゴケして後悔しませんか?
A1・結論から言うと、過度な心配は不要です。数値以上の足つきの良さがあります。
CB650Rのシート高はスペック上「810mm」となっており、これはネイキッドモデルとしては標準的な数値です。しかし重要なのは高さではなく「幅」です。このバイクは、タンクとシートの接合部分(またがる部分)が極限まで絞り込まれた形状をしているため、足が真下に下ろしやすく、数値以上に足つき性が良好です。
身長165cmの方であれば、股下や体格によって差はありますが、両足のつま先、あるいは片足の母指球(親指の付け根)まで接地できるケースが多いです。それでも不安な場合は、社外のローダウンシート(薄型シート)やシート加工、デイトナ等の「ローダウンキット(約15mm〜20mmダウン)」を導入することで、物理的な解決が可能です。
Q 2・大型免許を取ったばかりの初心者です。パワーがありすぎて扱いきれないでしょうか?
A2・初心者にこそおすすめできる、高度な安全制御技術が搭載されています。
CB650Rには、最高出力95PSというハイパワーを安全に管理するための「Honda セレクタブル トルク コントロール(HSTC)」が標準装備されています。これは、リアタイヤのスリップ(空転)を検知すると瞬時にエンジントルクを制御し、転倒リスクを低減する機能です。雨の日や砂の浮いた路面でも安心感を高めてくれますが、スリップを完全に無くす機能ではない点は理解しておきましょう。
また、記事中でも触れた通り、4気筒エンジンは低回転域がマイルドなため、アクセルワークに神経質にならなくても暴走するようなことはありません。「ハイパワー=危険」ではなく、「ハイパワー=余裕」と捉えて大丈夫です。
Q3・2024年モデルからの「E-Clutch」は、故障リスクが高まりませんか?
A3・過度に恐れる必要はありませんが、新機構なので「絶対に壊れない」と断言できるものでもありません。
Honda E-Clutchは、従来のDCT(デュアル・クラッチ・トランスミッション)のような複雑で巨大な変速機構ではなく、従来のマニュアルトランスミッション構造に、小型モーター(アクチュエーター)と制御ユニットを追加した設計です。重量増もわずか2kg程度に抑えられています。
万が一、電気的なトラブルでシステムが作動しなくなった場合でも、物理的なクラッチレバーとワイヤーは残されているため、通常のマニュアル車としてクラッチ操作を行えば走行は可能です。「出先で不動になる」というリスクヘッジが構造レベルでなされている点は、さすがホンダの設計思想と言えます。
Q4・年間の維持費は、具体的にどれくらい見ておけば良いですか?
A4・年間走行距離5,000kmと仮定した場合、約10万円〜12万円前後が目安です(車両代・任意保険除く)。
| 項目 | 概算費用 | 備考 |
|---|---|---|
| 軽自動車税 | 6,000円 | 年1回 |
| 重量税・自賠責 | 約6,000円〜7,000円 | 2年分を1年あたりに換算(条件により前後) |
| ガソリン代 | 約40,000円 | 燃費20km/L、@160円で計算 |
| オイル交換 | 約10,000円 | 年2回(フィルター含まず) |
| タイヤ積立 | 約30,000円 | 2年に1回交換(6万円)として半額計上 |
| 合計 | 約93,000円〜 | ※点検費用等は別途 |
やはり大きなウェイトを占めるのが「タイヤ代」です。ここをツーリングタイヤでうまく節約できれば、400ccクラスと変わらない感覚で維持することが可能です。
結論:CB650Rで後悔しない人が押さえる“4気筒の選び方”

最後に、一番お伝えしたいことがあります。それは、お金やスペックのことよりも、「あの時乗っておけばよかった」という後悔が、人生において一番辛いということです。
業界全体が電動化へとシフトしていく中で、ガソリンの、それも精密機械の極みである「直列4気筒」を新車で買えるチャンスは、今後も永遠に続くとは限りません。
その時になって、「10万円や20万円の価格差をケチって2気筒にしちゃったけど、やっぱりあの4発の突き抜けるような音を聞きたかったな…」と後悔しても、条件の良い個体が手に入りにくくなっているかもしれないのです。
- CB650Rの「後悔」とされるポイントは、対策可能なものが多く致命的ではない
- 維持費はタイヤ代などで多少かかるが、売却時の資産性がカバーしやすい
- 迷っている時間はもったいない。「資産」として持っておくのも賢い選択
- E-Clutchモデルは、街乗りや渋滞でのストレス軽減に強い(ただし振動や積載性は別問題)
さあ、あとはあなたが一歩踏み出すだけです。4気筒の官能的なサウンドと共に走る週末は、きっと維持費以上の感動とプライスレスな体験をあなたに与えてくれますよ。
まずは近くのお店で、実車のエンジン音を聴きに行ってみてはいかがでしょうか。その一瞬で、あなたの迷いはすべて吹き飛ぶはずです。