こんにちは。「motofrontier」のマコトです。
このページに来てくれたということは、CBR600RRの最高速について気になっているのかなと思います。国内仕様と逆輸入車、旧モデルと現行モデルで話がバラバラだったり、最高速リミッター解除や最高速実測、最高速実測動画、最高速チャレンジといった情報が次々出てきて、「結局どれが本当なの?」とモヤっとしてしまいやすいですよね。
この記事では、そういった情報をできるだけ整理しながら、「どの年式・どの仕様の最高速を知りたいのか」「自分の用途に合うのはどのモデルなのか」を一緒に考えていきます。読み終わるころには、数字そのものよりも、自分の走り方に合った一台をどう選ぶかがかなりクリアになっているはずです。
あなたは今、こんなことで悩んでいませんか?
- ✅ CBR600RRの最高速が年式や仕様でどう違うのか分からない
- ✅ 旧モデル国内仕様と逆車、現行モデルのどれを選ぶべきか迷っている
- ✅ リミッター解除やECU書き換えでどこまで最高速が伸びるのか気になっている
- ✅ 公道メインなのに最高速ばかり気にしている自分に少しモヤモヤしている
もし一つでも当てはまったなら、この記事があなたの疑問をすべて解決します。
そして、せっかくバイクを楽しむなら、走りそのものをもっと快適にしてくれるアイテムにも目を向けたいところですね。
特に、安全性と機能性を兼ね備えたヘルメットは長距離ツーリングや日常の通勤でも快適さを大きく左右します。
CBR600RRの最高速を年式別に徹底比較

まずは、いちばんややこしい「年式と仕様ごとの最高速」の話から整理していきます。PC37/PC40世代の旧モデル国内仕様と逆車、それから2BL-PC40型(現行世代)で、最高速のキャラクターがガラッと変わってくるので、この章でベースとなる前提を揃えてしまいましょう。
そのうえで、中古車市場で狙いやすい個体ごとに「どのくらいの最高速ポテンシャルがあるのか」「公道メインならどこまで気にすべきか」「サーキットでタイムを狙うならどの仕様が向いていそうか」を、なるべくイメージしやすい形でまとめていきます。ここをしっかり押さえておくと、後半の章で出てくる話もスッと頭に入ってくると思います。
旧モデル国内仕様の最高速とリミッター

まずは、中古車サイトで一番よく見かけるであろうPC37/PC40世代の旧モデル国内仕様からです。
ここはある意味いちばん分かりやすくて、日本仕様はどの年式でも速度リミッターで180km/h前後に頭打ちになる仕様とされています。メーターで見ると、きれいに180km/h付近で伸びが止まり、それ以上は回転だけがじわっと上がるような挙動になることが多いです。
実際に乗った人の話でも、「6速全開でしばらく粘っても180km/hからほとんど変わらない」「下りでも182〜3km/hで頭打ち」という感想がよく出てきます。
ここで大事なのは、これはマシンのポテンシャルが低いわけではなく、電子的な制御で制限されているだけという点ですね。エンジン自体はまだ余力を感じるのに、あえて封じているイメージです。
旧モデル国内仕様は、エンジン自体のポテンシャルとしてはもっと上を狙えるものの、あくまで日本の公道メインで使うことを想定されているので、180km/h以上が封印されている形になっています。
高速道路の速度域でも加速はかなり鋭いですし、一般的な日本の環境で「もっと最高速が欲しい」と感じるシーンは、正直かなり限られてきます。むしろ、「ここから上はもう危ないからやめておきなさい」と、バイク側がやんわりブレーキをかけてくれているような安心感もあるかもしれません。
日常域での乗り味としては、リミッターの存在よりも、
- 低速での扱いやすさ(渋滞・街乗り)
- ワインディングでのレスポンス
- 車体のコンパクトさと足つき
といった要素のほうが圧倒的に気になってくるので、「旧モデル国内仕様=遅い」というイメージで切り捨てるのは、ちょっともったいないかなと感じます。公道だけであれば、リミッターがあること自体を忘れてしまうくらい、十分以上のパフォーマンスを持っていますよ。
ちなみに、180km/hリミッターは日本の法規や自主規制に沿って設定されているもので、これを解除してしまうと公道走行でのリスクが一気に上がると言われています。
リミッターがあるからこそ、ある意味でバランスのいい国内仕様とも考えられるので、その点は頭の片隅に置いておきたいところです。速度超過そのものももちろんNGなので、「180km/hリミッター=そこまで出していい」という意味ではまったくない、というのも改めて意識しておきたいですね。
| 世代 | 仕様 | 出力イメージ | リミッター/最高速の目安 |
|---|---|---|---|
| PC37前期 | 国内仕様 | 約78PSクラス | 180km/hで速度リミッター作動 |
| PC40前期 | 国内仕様 | 約78PSクラス | 同じく180km/hリミッター |
| PC40後期 | 国内仕様 | 馬力規制対応版 | 基本は180km/hリミッター |
逆車フルパワー仕様の実測最高速
次に、同じPC37/PC40世代でも「逆車」と呼ばれるフルパワー仕様です。こちらは国内仕様と違い、180km/hのスピードリミッターが存在しないうえに、エンジン出力も高いのがポイントです。
いわゆるヨーロッパ仕様や北米仕様などが該当していて、車検証の原動機型式やフレーム番号で判別できるケースが多いですね。
欧州仕様フルパワーではおおよそ119PSクラスとされていて、PC37/PC40いずれの世代でも、条件が揃えば実測で250km/h以上、メーター読みで280〜299km/h近くまで到達したという報告がいくつもあります。
ここまで来ると、もはや数字の世界というか、「そこまで出してどうするんだ」という領域ですが、サーキットの長いストレートやスピードアタックイベントでは、やっぱりロマンがあるところですよね。
体感としても、国内仕様と乗り比べると、
- 10,000rpm以降の伸びの鋭さ
- 6速に入れてからの「まだ行くの?」という加速感
- 高回転を維持したままじわじわ速度が乗っていく感覚
あたりがかなり違ってきます。もちろん、これはあくまでクローズドコースでの話ですし、車体コンディションやライダーの体重、スプロケットの丁数などによってもだいぶ変わってきます。「フルパワーだから絶対に◯◯km/h出る」とは言えないですが、終速側に余裕があるのは間違いないかなと思います。
逆車の中でも、どの年式・どの仕様がどれくらいの馬力なのかをもう少し詳しく知りたい場合は、同じmotofrontierでまとめているCBR600RR逆車の馬力と見分け方を徹底解説した記事も参考になると思います。
車検証の見方や、カウル形状・カラーリングの違いなども絡めて整理しているので、「この個体はどっち?」と迷ったときのヒントになるはずです。
現行モデルの最高速と121馬力の実力

2020年以降の2BL-PC40型、いわゆる現行モデルは、「国内仕様なのにフルパワー寄り」という、旧型とはまったく違うキャラクターを持っています。ここが、いまのCBR600RRを語るうえでいちばん面白いポイントかなと思います。
ホンダ公式の主要諸元を見ると、日本仕様であっても最大出力が89kW(121PS)/14,250rpmと明記されていて、これは海外向けのスペックと同等レベルの数字です。さらに、6速ギア比1.208、最終減速比2.625という数字も公表されているので、ここから理論上の最高速を計算していくこともできます。
このスペックの詳細は、Honda公式サイト「CBR600RR スペック・サイズ」に掲載されています。興味があれば、一度実際の数値を眺めてみるとイメージが湧きやすいと思います。(出典:Honda公式サイト「CBR600RR スペック・サイズ」)
実際のテストやギア比計算、GPS実測の報告などを総合すると、実測で240〜255km/h前後、理論値では約255km/hあたりが現実的なレンジと言われています。
体感としても、旧PC40逆車にかなり近いフィーリングで、サーキットの長いストレートでは「600の中では十分すぎる終速だな…」という印象を受けるはずです。
また、現行モデルは電子制御もかなり進化していて、パワーモードやトラクションコントロール、ABSなどが標準装備になっています。そのおかげで、「フルパワーだけど恐さが少ない」というのも大きな魅力です。
旧型フルパワーで高回転を使うときの「もうちょっと電子制御ほしいな…」という感覚がだいぶ薄れていて、安心してアクセルを開けていけるのは、サーキット初心者にとってもありがたいポイントかなと思います。
CBR600RR最高速リミッター解除の実態
「じゃあ旧モデル国内仕様の180km/hリミッターを解除したら、どこまで伸びるの?」という疑問もよく見かけます。ここは、気になるけどなかなか情報がまとまりにくいところですよね。
各種ショップの情報を見る限りでは、ECU書き換えやリミッターカットユニットで速度リミッターを解除する方法が一般的とされています。純正ECUの書き換えで速度リミットを外したり、サブコン(サブコンピュータ)を追加してメーカー出荷時とは違うマップに書き換えたり、といったメニューですね。
ただし、リミッター解除を行っても、国内仕様のままではエンジン出力自体がフルパワー仕様より低いため、「逆車や現行フルパワー並みの最高速」までは届きにくいという話が多いです。
実測で230〜240km/h台に乗ればかなりいい方、というイメージに近いかなと思います。最高速だけにフォーカスすると、「頑張ってリミッターを外しても、結局フルパワー仕様には届きにくい」という見方もできてしまいます。
それでも、リミッター解除にはメリットもあって、
- サーキットの長いストレートで頭打ち感が減る
- ギア比をロング寄りに振ったときに使える回転域が増える
- 「封印されていたエンジンの伸び」を少し味わえる
といった部分に魅力を感じる人もいます。一方で、速度域だけでなく、エンジンやタイヤ、ブレーキなどへの負荷も大きくなりますし、法的な面や保証の面でもリスクが上がる改造です。
ショップの説明でも「サーキット専用」「自己責任」と明記されていることが多く、一般公道での使用は推奨されていないとされています。速度そのものの追求は、どうしても安全面とトレードオフになってしまう部分があるので、「そこまでして最高速を伸ばしたいのか?」という自分自身への問いかけも、しっかり挟んでおきたいところかなと思います。
CBR600RRの最高速に影響する要素
ここからは、「なぜ同じCBR600RRでも最高速が少しずつ違うのか?」という話を、もう少し噛み砕いて見ていきます。スペックシートに書かれている数字だけでなく、ギア比や空力、ライダーの体格、当日のコンディションまで、いろんな要素が複雑に絡んでくる世界なんですよね。
サーキットでの最高速チャレンジに興味がある人はもちろん、公道で「どこまで求めればいいのか」を判断したい人にとっても、この章を読んでおくと、最高速の数字との付き合い方がちょっと楽になると思います。
「あの人の動画は260km/h出ているのに、自分のは250km/h止まりだった…」と落ち込む前に、「条件が違えば結果も違うよね」と冷静に考えられるようになるはずです。
エンジン性能とギア比が決める理論値

まずベースになるのが、エンジン性能とギア比から計算される「理論上の最高速」です。現行CBR600RRの場合、ホンダ公式のスペック上では最大出力89kW(121PS)/14,250rpm、6速ギア比1.208、最終減速比2.111/2.625、タイヤサイズは前120/70ZR17、後180/55ZR17といった数値が公表されています。
ざっくり言えば、「6速でエンジンがレブリミットまで回ったときに、タイヤが1分間に何回転しているか」「その回転数だと何km/hになるか」という計算をしていくと、理論上は255km/h前後まで届き得るという数字が出てきます。もちろん、これはあくまで机上の計算で、実際には空気抵抗や路面抵抗でそこまで到達できないことも多いです。
| 項目 | 数値(現行CBR600RR) |
|---|---|
| 最高出力 | 89kW[121PS]/14,250rpm |
| 変速比(6速) | 1.208 |
| 減速比(1次/2次) | 2.111/2.625 |
| リアタイヤサイズ | 180/55ZR17 |
| 理論最高速の目安 | 約254〜255km/h |
PC37/PC40世代のフルパワー仕様も、ギア比やタイヤ外径が近いため、理論値としては似たレンジになりますが、ピークパワーの違いやレブリミットの設定、エンジンの特性によって、実際にどこまで「引っ張れるか」は変わってきます。
逆車であっても、少しショート寄りのスプロケットに変えていると、最高速側よりも加速重視のセッティングになり、終速は理論値より下がっていきます。
ここでのポイントは、「最高速は、エンジンの馬力とギア比の両方で決まる」ということです。
馬力だけ見て「このバイクは◯◯馬力だから絶対に△△km/h出る」と考えるのではなく、「どんなギア比で、どの回転数まで回しているのか」までセットで見てあげると、数字の意味がだいぶ変わってきますよ。
空力性能とライディング姿勢の重要性
理論値に近いところまで本当に伸ばそうとすると、次に効いてくるのが空力性能とライディングフォームです。
CBR600RRは、Moto2やMotoGPマシンからのフィードバックを受けたカウル形状や、小型ウイングレットなど、空力面での工夫がたくさん盛り込まれているとされています。ストレートでの安定性やフロントの接地感を高めつつ、できる限り小さな空気抵抗で突き進んでいくようなデザインになっています。
とはいえ、カタログに載っている空力性能だけでなく、ライダーがどれだけタンクに伏せられるかでも、実際の最高速は変わってきます。上半身が少し起きているだけでヘルメットや肩に当たる風が増え、速度が上がるほど空気抵抗としてブレーキのように効いてきます。
「なんか今日は伸びないな…」と思ったら、動画を見返したらポジションがイマイチだった、ということも結構あります。
サーキットで周回を重ねていると、「同じ直線、同じギアでも、今日は伏せ方が決まっていて2〜3km/h伸びてるな」という日もあったりします。特に、メーターで200km/hを超えたあたりからは、フォームやライン取り、風向きなどの小さな差が、そのまま最高速の差になって表れやすいです。「速い人ほどフォームがコンパクトでキレイ」というのは、最高速の世界でもそのまま当てはまるなと感じます。
ECU制御とリミッターカットの効果
最近のCBR600RRは、ECUによる電子制御の塊といってもいいくらい、いろいろな制御が詰め込まれています。現行モデルでは、電子スロットル(TBW)と6軸IMUを組み合わせたトラクションコントロールや、選べる出力特性のマップ、ABS、ウイリーコントロールなどが搭載されていて、これらが間接的に最高速の出方にも影響すると言われています。
例えば、パワーモードをマイルド寄りにしていると、スロットル全開でもほんの少し出力が抑えられ、結果として立ち上がり加速や到達最高速に微妙な差が出てくることがあります。
逆に、もっとも鋭いモードに設定しておくと、ストレートでの加速は気持ちいいですが、ライダー側の体力やメンタルもそれなりに持っていかれますよね。
一方で、旧モデル国内仕様に関しては、ECU側で速度リミッターや出力制限が入っているケースが多く、ショップによるECUフラッシュやサブコンを使ったリミッターカット/フルパワー化が定番メニューになっています。
これによって、速度リミットを解除したり、フルパワーに近い燃調・点火タイミングに変更したりして、終速や高回転の伸びを改善する狙いですね。
ただし、こうしたECU書き換えやリミッターカットは、車検適合性や保証、耐久性の面でリスクを伴うチューニングです。
ショップの情報でも「サーキット専用」と明記されていることが多く、公道での使用は推奨されていないという点は、しっかり意識しておいた方がよさそうです。「とにかくフルパワー」というよりも、「自分の使い方で本当に必要かどうか」を冷静に考えたうえで検討するのがいいかなと思います。
体重や風向きが最高速に及ぼす影響
最後は、忘れがちだけど意外と効いてくる「人間と環境」の要素です。ライダーの体重や装備の重さ、風向き、気温、標高、路面勾配などによって、同じCBR600RRでも最高速が数km/h〜10km/h近く変わると言われています。ここは、数字だけ追いかけていると見落としがちなところですね。
例えば、冬場の冷たい空気でパワーが出やすい日や、追い風+わずかな下り勾配が合わさった状況だと、「今日はやたらメーターの伸びがいいな…」と感じることがあります。
逆に、真夏の高温+向かい風だと、同じ直線・同じギアでも明らかに終速が落ちたりします。ライダーの体重も、5〜10kg違うだけで、最高速にちょっとした差が出ると言われることがあります。
他にも、カウルの有無やスクリーンの高さ、サイドバッグやリアボックスの有無など、ちょっとしたカスタムや積載でも空気抵抗は変わってくるので、「フルノーマルのテスト」と「ツーリング仕様での実測」を単純比較するのは、あまりフェアではないかもしれません。
なので、ネットで見かける最高速の数字は、「いつ、どんな条件で計測されたものなのか」まで含めて眺めてあげると、より冷静に判断しやすくなると思います。
同じCBR600RRでも、条件が違えば結果が違うのは当たり前なので、「自分の環境ではだいたいこのくらい出れば十分かな」という目安を、自分なりに持っておくと良さそうです。
ライバル車との最高速比較と特徴

ここからは、CBR600RRの最高速をライバル車と比べてみるパートです。どうしても気になってくるのが、「他の600ccスーパースポーツと比べてどうなの?」というポイントかなと思います。
ここでは、YZF-R6、ZX-6R(636)、GSX-R600あたりをざっくり取り上げながら、終速だけでなくキャラクターの違いも含めて見ていきます。
細かい数字の勝ち負けにこだわりすぎると、せっかくのバイク選びが窮屈になってしまうので、あくまで「傾向」として捉えてもらえるとちょうどいいかなと思います。「このクラスの中で、CBR600RRはこんなポジションにいるんだな」とイメージする材料にしてみてください。
YZF-R6との最高速比較とエンジン特性
まずはヤマハのYZF-R6。R6は、600ccクラスの中でもかなり高回転寄りのピーキーなエンジンとして有名で、サーキット志向のライダーから根強い人気があります。高回転の伸び方や、サウンドの甲高さは、動画で見ていても「これは気持ちよさそうだな…」と感じる部分ですよね。
最高速に関しても、いろんなテストや動画を見ていると、だいたいCBR600RRと同じか、条件によっては少し上を行くケースが多い印象です。特に、ストレートの長い海外サーキットでは、260km/h近辺の数字が出ていることもあるようで、「さすが高回転型」という感じがします。
一方で、低中回転域はかなり細く、街乗りやツーリングでの扱いやすさという点では、CBR600RRに軍配が上がるシーンも多いかなと思います。R6は「サーキットで回してナンボ」のバイクというイメージが強く、常用回転数がどうしても高めになりがちです。そのぶん、走っているときの高揚感はすごいですが、長距離移動では少し疲れやすいかもしれません。
CBR600RRと比べると、
- YZF-R6:ピーキーでサーキット全振り。最高速や高回転の盛り上がり重視。
- CBR600RR:高回転も楽しめるけど、全域での扱いやすさや安心感も重視。
というイメージに近いかなと思います。どちらも「本気の600」であることに変わりはないですが、どの領域をメインの遊び場にするかで、好みは分かれそうです。
ZX-6R(636)の最高速と圧倒的パワー差
次に、排気量636ccというちょっとズルい(いい意味で)カワサキのZX-6R。600ccクラスの中では「636」という独自路線を取っていて、そのぶん中低速トルクと最高速の両方でアドバンテージがあると言われています。
ZX-6Rは、カタログスペック上でも最大出力は125〜130PSクラスとされていて、ラムエア加圧が効いた状態ではさらに上乗せされることもあります。
ストレートでの伸び方もかなり余裕があって、体感としても「まだまだ加速が続く」という印象になりやすいバイクですね。サーキットで隣を走られると、「あれ?向こうだけ何か違う燃料入ってない?」と感じることもあるかもしれません。
そのぶん、車体サイズや重量感はCBR600RRよりやや大柄で、高速道路やサーキットの高速コーナーでは安定感が光る一方、タイトなワインディングや切り返しの多いレイアウトでは、少しヒラヒラ感が薄いように感じる人もいるかもしれません。このあたりは、「絶対的な速さ」を取るのか、「扱いやすさ」を取るのかで好みが分かれるところです。
CBR600RRと比べると、
- ZX-6R:最高速もトルクも欲張りたい人向け。直線での「圧」がすごい。
- CBR600RR:クラス平均の最高速だけれど、コーナーも含めたトータルバランス重視。
という棲み分けかなと感じます。純粋な最高速だけを追いかけるなら、ZX-6Rのほうが有利なシチュエーションが多いと思いますが、「タイム」とか「乗りやすさ」まで含めて考えると、CBR600RRも十分に食らいつけるポテンシャルを持っています。
GSX-R600の最高速と安定感の違い
スズキのGSX-R600は、CBR600RRと同じく長く愛されているミドルSSで、「ザ・スーパースポーツ」という雰囲気が強い一台です。トップスピードに関しても、いろんなテストを見る限りでは255〜260km/h前後のレンジに入ってくることが多く、クラス内ではかなり優秀な部類だと感じます。
GSX-R600は、車体がやや大柄で安定志向のセッティングというイメージが強く、高速域での直進安定性や、高速コーナーでの落ち着きが光るバイクです。長めの高速ツーリングや、高速サーキットでじっくり走るようなシーンでは、「ラクに速い」というメリットを感じやすいと思います。
一方で、CBR600RRはコンパクトでヒラヒラ感が強く、切り返しやタイトなコーナーでの扱いやすさが特徴です。「身体ごとマシンを振り回して走りたい」という人には、こちらのキャラクターのほうがハマるかもしれません。
最高速単体で見ると、GSX-R600とCBR600RRはほぼ同じレンジにいるので、数字だけで差を感じることはあまりないと思います。それよりも、
- どんなステージで走ることが多いか(峠/高速/サーキット)
- どんなライディングスタイルが好きか(ヒラヒラ派/安定感派)
といった部分で、自分との相性を考えていくと選びやすいかなと感じます。「どっちが速いか」よりも、「どっちが自分に合っているか」で決めるのが、長く付き合ううえでは大事ですよね。
600ccクラス全体で見る最高速ランキング
ここまでをざっくりまとめると、600ccスーパースポーツのトップスピードはだいたいこんなイメージです。あくまで「おおまかな目安」ですが、各モデルの立ち位置を掴むのには役立つかなと思います。
| モデル | 排気量 | 最高出力の目安 | 実測最高速の目安 |
|---|---|---|---|
| CBR600RR(現行) | 599cc | 121PSクラス | 約240〜255km/h |
| CBR600RR(旧逆車) | 599cc | 119PSクラス | 約250km/h以上 |
| YZF-R6 | 599cc | 118〜120PSクラス | 約255〜260km/h |
| ZX-6R (636) | 636cc | 125〜130PSクラス | 約260km/hオーバー |
| GSX-R600 | 599cc | 120PS前後 | 約255km/h前後 |
こうして見ると、CBR600RRの最高速はクラス平均〜やや控えめくらいで、「ZX-6Rが一歩リード、R6やGSX-R600とほぼ横並び」といったバランスになっていることが分かります。
とはいえ、実際のサーキットのラップタイムは、最高速だけでなく、ブレーキングやコーナリング、立ち上がりのトラクションなど、いろんな要素の総合点で決まります。
最高速という一点だけを切り取ればZX-6Rが有利な場面が多いと思いますが、「扱いやすさと安心感を持った600」という意味では、CBR600RRはかなりバランスのいい位置にいると感じます。
あなたがもし「サーキットにも行きたいけど、公道もそれなりに走るよ」というスタイルなら、そのバランス感はかなり魅力的に映るはずです。
CBR600RRの魅力は最高速だけではない
ここまで散々「最高速」の話をしておいてなんですが、個人的にはCBR600RRの本当の魅力は、最高速という数字そのものにはないと思っています。ここからはちょっと視点を変えて、「走っていて気持ちいいか」「自分の遊び方に合っているか」という観点から、このマシンの良さを整理してみます。
最後には、「自分の用途と予算なら、どのCBR600RRを選ぶのが良さそうか?」というところまでイメージできるようにしたいので、最高速の数字にちょっと疲れてきたな…という人も、もう少しだけ付き合ってもらえるとうれしいです。
公道ではリミッターよりも扱いやすさが重要
まず大前提として、日本の公道でCBR600RRに乗るなら、180km/hリミッターの有無はほとんど意味を持たないと感じています。高速道路の制限速度+αくらいまでなら、旧モデル国内仕様でも余裕すぎるほど速いですし、それ以上の速度域はそもそも使うべきではない世界です。
むしろ、公道メインで大事になってくるのは、
- 渋滞や街中での扱いやすさ
- ワインディングでのコントロール性
- 疲れにくさや熱対策
- 維持費や保険料などの現実的な部分
あたりかなと思います。そういう意味では、旧モデル国内仕様のCBR600RRは、公道メインの人にとってかなり「賢い選択」になり得ます。中古相場も逆車より抑えめで、なおかつ「180km/h以上はそもそも使わない」という前提なら、リミッターの存在を気にする必要はほとんどないはずです。
また、国内仕様はキャブレター車のような「トルクモリモリ」という感じではないものの、街乗り〜中速域での扱いやすさは十分です。600ccの直4らしく、回せばきちんと伸びますし、回さなければそこそこ大人しく付き合ってくれます。
ツーリング先の峠道でも、3〜4速あたりを使いながらクルっと向きを変えていけるので、「上まできっちり回さないと楽しくない」ということもありません。
友人ライダーともよく話すのですが、「公道しか走らないのに逆車や現行フルパワーにこだわる必要って、実はそこまでないよね」という結論になることが多いです。もちろん、ロマンとして欲しくなる気持ちはすごく分かるんですけどね。「国内仕様でも、ちゃんと自分の走るフィールドではオーバースペックなくらい速いよね」というのが、最近の共通認識になりつつあります。
サーキットで体感する加速力とエンジンフィール

一方で、サーキットのストレートでフルスロットルを開けたときのCBR600RRの加速とエンジンフィールは、本当に別世界です。メーターの数字というより、
・10,000rpmを超えたあたりから一気に盛り上がるパワー感
・14,000rpm近辺まで伸び続ける直4サウンド
・スロットルを開けていくほどに軽くなっていくフロントの浮遊感
こういった感覚が、最高速という単語の裏側にある「楽しさ」の部分かなと思います。
特に現行CBR600RRは、電子制御のおかげでかなり安心して高回転を使っていけるので、「600SSのピーキーさが怖い」という人にとっても、かなり扱いやすい印象です。
トラクションコントロールやABSがサポートしてくれるおかげで、「転んだらどうしよう」という恐怖感を少し軽くしながら、全開加速の気持ちよさを味わいやすくなっています。
さらに、コーナリング性能もこのクラスならではで、ブレーキングでしっかり減速して、スパッと向きを変え、立ち上がりで回転を一気に引き上げるという一連の流れが、すごく自然にできるようになっています。タイムを削るためにシビアなラインを狙っていくときも、「ちゃんと応えてくれる相棒」という感じが強いです。
サーキットを走り始めると分かるのですが、「何km/h出たか」よりも、「何周走っても楽しいか」「怖くない範囲でどれだけ攻められるか」のほうが、バイク選びでは大事になってきます。その意味で、CBR600RRは最高速だけでなく、そこに至るまでの過程も含めて楽しめるバイクだなと、改めて感じます。
旧モデルと現行モデルの選び方と判断基準
ここまで読んで、「結局どのCBR600RRを狙うのがいいんだろう?」と感じている人も多いと思うので、最後にざっくりとした判断基準をまとめておきます。どれも正解になり得る選択なので、あなたの用途と予算、好みを重ね合わせながら読んでもらえると嬉しいです。
公道メイン+たまにワインディング
この使い方なら、旧モデル国内仕様がかなり現実的な選択肢だと感じます。180km/hリミッターの存在は、実用域ではまず気になりませんし、中古相場も逆車より抑えめです。
外装の状態やメンテ履歴に予算を回しやすいので、「状態のいい一台に乗りたい」という人にも向いています。ナンバー付きのままサーキットの体験走行に行くくらいであれば、パワー的にも十分楽しめると思います。
サーキットも本気で楽しみたい
本格的にサーキットを走るつもりなら、旧モデル逆車(フルパワー)か現行2BL-PC40の二択になってくるかなと思います。どちらも実測250km/h前後の最高速ポテンシャルがあり、タイムを狙うなら十分すぎる性能です。
旧逆車は購入価格を抑えつつ、フルパワーのパンチを味わえるのが魅力で、現行モデルは電子制御や足まわりの進化を含めて「走りの総合力」で優れているイメージです。
本気で走りを楽しむなら、やっぱり装備にも少しこだわりたくなりますよね。
特にグローブとブーツは、操作性や安心感を大きく左右するアイテムです。手や足にフィットするものを選ぶだけで、ブレーキングやシフト操作の感覚がぐっと良くなります。
CBR600RRとCBR650Rで迷っているなら
同じmotofrontierで書いているCBR650Rの最高速と総合性能をまとめた記事でも触れていますが、CBR650Rはストリート寄り、CBR600RRはサーキット寄りのキャラクターというイメージで捉えると分かりやすいと思います。
通勤や街乗り、ツーリングもがっつりやりたいならCBR650R、走りの楽しさやサーキットを重視するならCBR600RR、という分け方もありかなと感じます。
また、燃費や維持費、ツーリングでの快適さなどを重視するなら、CBR600RRだけでなくCBR650Rや他のマルチパーパスモデルも比較しつつ検討するのがおすすめです。CBR650Rの燃費や維持費については、CBR650Rの燃費と維持費をまとめた記事でも詳しく触れています。
CBR600RRの最高速に関するQ&A
Q1. CBR600RRの最高速って結局いくつなんですか?
A1.一番よく聞かれる質問ですが、「どの年式・どの仕様のCBR600RRか」で答えがまったく変わるのがポイントです。
ざっくりまとめると、
- 旧モデル国内仕様(PC37/PC40):速度リミッターで実質180km/h前後
- 旧モデル逆車フルパワー:実測で250km/h以上、メーター読み280〜299km/h報告もあり
- 現行モデル(2BL-PC40):国内仕様でもフルパワー寄りで、実測240〜255km/h前後
というイメージです。同じ「CBR600RR」でも仕様が違うだけで、このくらい最高速の世界が変わってきます。
Q2. 公道メインなら、最高速やリミッターは気にした方がいいですか?
A2.正直なところ、日本の公道だけで乗るなら最高速やリミッターはほとんど気にしなくて大丈夫かなと思います。
高速道路の制限速度+αくらいの範囲であれば、旧モデル国内仕様でも余裕すぎる加速力がありますし、それ以上の速度域はそもそも使うべきではない世界です。むしろ、
- 街乗りや渋滞での扱いやすさ
- ワインディングでのコントロールのしやすさ
- 熱対策やポジションのきつさ
- 維持費・保険料などの現実的な負担
こういったポイントのほうが、日々の満足度に直結しやすいです。だから、公道メインなら旧モデル国内仕様を「賢い選択肢」として前向きに検討してOKだと思います。
Q3. 旧モデル国内仕様のリミッターを解除すれば逆車並みに速くなりますか?
A3.ここはけっこう誤解されやすいところですが、リミッター解除だけでは逆車フルパワー並みの最高速には届きにくいとされています。
理由はシンプルで、国内仕様は速度リミッターに加えてエンジン出力そのものも抑えられているからです。ECU書き換えやサブコンでリミッターを外しても、実測230〜240km/h台に乗ればかなり良い方、というイメージに近いかなと思います。
それと、リミッター解除やECU書き換えは、安全面・保証面のリスクが高いチューニングとされています。ショップの案内でも「サーキット専用」「自己責任」と明記されていることが多いので、興味があっても公道で使う前提ではおすすめしにくい内容かなと感じます。
Q4. 最高速だけ見たら、CBR600RRよりZX-6RやYZF-R6のほうがいいですか?
A4.最高速という数字だけを切り取ると、
- ZX-6R(636):260km/hオーバーのケースもあり、クラス最強クラス
- YZF-R6:255〜260km/h前後のテスト結果が多い
- CBR600RR:旧逆車や現行は250km/h前後、クラス平均〜やや控えめ
というバランスなので、「数字だけならZX-6RやR6のほうが上」と感じる場面もあると思います。
ただ、実際にサーキットで走ってみると、ラップタイムは最高速だけで決まらないんですよね。ブレーキングのしやすさ、コーナリング中の安心感、立ち上がりでのトラクションの出しやすさなど、いろんな要素の総合点で結果が変わってきます。
CBR600RRは「最高速はクラス平均だけど、トータルバランスで戦えるバイク」という立ち位置なので、「数字の勝ち負け」より「乗って楽しいか」「自分に合っているか」で選ぶのがいいかなと思います。
Q5. これから買うなら旧モデル逆車と現行モデルどっちがいいですか?
A5.ここは用途と予算でかなり変わってきますが、ざっくりとした目安としては、
| 用途イメージ | おすすめ寄りの仕様 | ポイント |
|---|---|---|
| 公道メイン+たまにワインディング | 旧モデル国内仕様 | 維持費・車両価格が抑えやすく、リミッターも実用上は気になりにくい |
| サーキット走行も本気で楽しみたい | 旧モデル逆車 or 現行モデル | どちらも実測250km/h前後のポテンシャル。旧逆車は価格、現行は電子制御が強み |
| 最新装備と安心感を重視 | 現行モデル(2BL-PC40) | フルパワー寄り+トラコン・ABSなど電子制御が充実 |
なので、「とにかく最新がいい」「電子制御の安心感が欲しい」というあなたには現行モデル、「購入予算を抑えつつフルパワーのパンチを味わいたい」というあなたには旧モデル逆車が、それぞれ相性いいかなと思います。
Q6. 結局、CBR600RRの最高速ってどこまでこだわるべきですか?
A6.私の考えとしては、「公道メインなら、最高速の数字は“ロマンとして楽しむ”くらいがちょうどいい」かなと思っています。
CBR600RRの本当の魅力は、
CBR600RRの本当の魅力は、
- 10,000rpmを超えてから一気に盛り上がる高回転のフィーリング
- ヒラヒラと向きを変えられるコーナリング性能
- サーキットで1コーナーに飛び込んでいくときの安定感と安心感
こういう部分にあると感じています。最高速という数字は、その延長線上にある“おまけ”みたいなものかなと。
なので、「自分の走るフィールドで、どの仕様なら一番気持ちよく走れそうか」をイメージしながら、旧モデル国内仕様・旧モデル逆車・現行モデルのどれを選ぶか考えてみてもらえると嬉しいです。最高速のスペックに振り回されず、自分の使い方にいちばんハマる一台を選べたときが、いちばん幸せなCBR600RRライフのスタートかなと思います。
まとめ:CBR600RRの最高速と本当の価値
ここまで、年式ごとの最高速や仕様の違い、そしてそれぞれの魅力について見てきました。最後に、このバイクとどう向き合うのが一番幸せなのかを、ポイントとして整理しておきます。
- CBR600RRの最高速は年式と国内仕様か逆車か現行かで大きく変わる
- 公道メインなら最高速よりも旧モデル国内仕様の扱いやすさや維持費を重視した方が幸せになりやすい
- サーキットで最高速性能を生かしたいなら旧モデル逆車か現行CBR600RRを軸に用途と予算から選ぶのがおすすめ
- このマシンの魅力は最高速という数字ではなく高回転のエンジンフィールとコーナリング性能にある
- 自分が走るフィールドをイメージしながらどのCBR600RRの最高速性能を求めるかを考えることが大切
CBR600RRの最高速は、ロマンを感じさせてくれる大切な要素だと思いますが、実際のバイクライフを形作っていくのは、毎日の通勤やツーリング、たまのサーキット走行で「気持ちよく走れたな」と思える瞬間の積み重ねかなと感じています。
この記事が、あなたにとってちょうどいいCBR600RRとの付き合い方を考えるきっかけになってくれたらうれしいですし、もし機会があれば、ぜひ安全な環境でこのマシンのポテンシャルと自分なりの最高速を楽しんでみてください。
あなたのライディングスタイルにぴったり合う一台が見つかるよう、これからも一緒にバイクの世界を掘り下げていけたらうれしいです。