ホンダが誇るアドベンチャーバイクの雄、CRF1100L Africa Twin(アフリカツイン)。その圧倒的な存在感と、文字通り「大陸横断」を可能にするほどの卓越した走行性能から、世界中のロングツアラーに愛されている名車です。現行モデルの主要諸元や燃料タンク容量、車両サイズなどは、ホンダ公式サイトでも確認できます(参照:ホンダ公式サイト)。しかし、ネットの掲示板やSNSを覗いてみると、時折「アフリカツインはつまらない」「買って後悔した」という、にわかには信じがたいネガティブな評判を目にすることがあります。
これから購入を真剣に検討している方や、いつかは乗りたいと憧れを抱いている方にとって、こうした一言は胸に刺さる大きな不安要素になりますよね。火のない所に煙は立たぬと言うように、その酷評の裏には、車体がでかいことによる立ちゴケの恐怖や、日本の都市部特有の渋滞路におけるすり抜けの難しさといった、リアルなオーナーだけが知る具体的な欠点が隠されているのも事実です。
一方で、一度広大な大地へと走り出せば、どこまでも行けると感じさせる比類なき快適性や、世界の絶対王者であるBMWのGSと比較して初めて見えてくるホンダ独自の深い魅力も確かに存在します。
高価な買い物だからこそ、納車後に「こんなはずじゃなかった…」と後悔しないために、中古市場のリアルな動向や、新型1100の値引きの現実、さらにはAT限定大型二輪免許での付き合い方に至るまで、すべての情報をフラットに吟味して天秤にかける必要があります。長年さまざまなバイクを乗り継いできた私の目線から、ネガティブな噂の真相と、あなたが選ぶべきかどうかの決定的な判断基準を忖度なしで徹底解説しますね。
この記事の要点
- 「つまらない」と評される優等生すぎるホンダ特性の真実
- 足つきの数値に騙されて立ちゴケを連発する理由
- ハンドル幅960mmが都市部でもたらすリアルな不便さ
- ツーリングの疲労を極限まで削ぎ落とすDCTの真価
- 新車値引きの現実と中古アドベンチャー選びのチェックポイント
アフリカツインが「つまらない」と言われる5つの理由と欠点
アフリカツインの購入を夢見てリサーチを始めると、必ず一度は衝突する「つまらない」というキーワード。結論から言うと、このバイクがダメだからつまらないのではなく、むしろ【高性能すぎて人間がやることが減る】ことに起因しています。なぜそう言われてしまうのか、リアルな欠点を含めた5つの理由を、ライバル車との比較を交えながら深掘りしていきましょう。
① BMWのGS比較で見える優等生な特性
CRF1100L アフリカツインが「つまらない」と評される最大の理由は、その「極めて完成度が高すぎる優等生な特性」にあります。このジャンルの絶対王者であるBMWのR1250GS(現R1300GS)と比較すると、そのキャラクターの違いは一目瞭然です。
GSは、低回転から「ドコドコドコ!」と強烈に湧き上がる水平対向(ボクサー)エンジン独特の強烈な鼓動感、テレレバーサスペンションがもたらす「魔法の絨毯」のような唯一無二の接地感、そしてオーナーの所有欲をこれでもかと満たす圧倒的なブランド力を持っています。これに対し、アフリカツインはどこまでも黒衣に徹し、ライダーの操作に忠実かつ牙を剥かない走りに重きを置いています。これぞまさに「The Honda」と呼べる実直な作り込みです。
突出した過激さや、外車特有の強烈な自己主張よりも、あらゆる過酷な状況でライダーを決して裏切らない普遍的な安定感。これを最優先に設計されているため、KTMの1290アドベンチャーのような「フロントが浮き上がるほどの暴力的な加速」や、GSの「重厚なエンジンフィール」を期待して跨ると、良くも悪くも「スムーズすぎておとなしい」「刺激が足りない」と感じてしまうわけです。
ベテランの一言
また、アフリカツイン(特にスタンダード)はフロントに大径の「21インチホイール」を採用しています。これにより林道や荒れた路面での走破性は抜群なのですが、オンロードの峠道では19インチのGSと比べてハンドリングがかなり「大らか(悪く言えば曲がり出しがのんびり)」になります。オンロードバイクのパキパキとした旋回性を楽しみたい人にとっては、この大らかさも「面白みに欠ける」と感じる一因かなと思います。
| モデル名 | エンジン形式 | フロント車輪 | キャラクター | 刺激の質 |
|---|---|---|---|---|
| Honda CRF1100L Africa Twin |
水冷並列2気筒 | 21インチ | 世界のどこでも生き残れる万能選手 オン・オフのバランスが芸術的。乗り手に牙を剥かない。 |
長距離を走っても脳が疲れない「究極の安心感」 |
| BMW R1250GS | 水冷水平対向2気筒 | 19インチ | 圧倒的な大陸横断ツアラー 低重心でオンロードの快適性は随一。ブランド力が強烈。 |
ボクサーエンジンの唯一無二の鼓動と所有感 |
| Yamaha Ténéré700 | 水冷並列2気筒 | 21インチ | 電子制御なしのオフロード特化 軽量で、ラリー車のように振り回せるスパルタンさ。 |
自らの腕でマシンをねじ伏せるダイレクト感 |
アフリカツインは「全科目で常に85点以上を取ってくる優等生」。特定の1科目だけで120点を狙う尖ったライバルと比べると、個性が薄く見えてしまうのは仕方のない部分かもしれませんね。しかし、そのアベレージの高さこそが、世界中の冒険家から「最後に行くならこのバイク」と絶賛される理由なんです。
② 購入して後悔した人の意見とは
あこがれのアフリカツインを手に入れたものの、残念ながら短期間で手放してしまった人たちの「後悔の声」を分析すると、そこには隠しようのない共通の壁が存在します。最も切実なのが、やはり「足つき性の悪さ」と「重心の高さ」による物理的限界です。

スペック表を見ると、日本仕様はシート高810mm(ローポジション時)から乗れるため、一見「ネイキッドと変わらないじゃん」と思いがちです。しかし、ここに大きな罠があります。アドベンチャーバイクは燃料タンクや車体フレームの幅が非常にワイドなため、実際に跨ると両足が外側に大きく開かされます。そのため、数値以上に足の親指ツンツンの状態になりやすいのです。
この足つき性で、230kgを超える車体を支えるのは至難の業。さらに、アメリカンやツアラーのように重心が低いバイクとは違い、アフリカツインは最低地上高を確保するためにエンジンが高い位置にマウントされています。つまり、車体がほんの数度傾いただけで、高い位置にある重量が一気に片足にのしかかってきます。「あ、グラッとした」と思った瞬間には、もう人間の力では支えきれず、なすすべなく地面にパタンと倒してしまう「立ちゴケ」の恐怖が付きまといます。これで自信をなくし、乗るのが億劫になって手放すパターンが後を絶ちません。
③ 「でかい」は本当?サイズ感を検証
「アフリカツインはとにかくデカい」というイメージは、100%事実です。全長2,330mm、全幅960mmという体躯は、並の大型バイクが小さく見えるほどの圧倒的な威圧感を放ちます。ただし、ホンダの設計の妙として、走り出しさえすればこの巨体は嘘のように「消え去り」ます。
エンジンをコンパクトな並列2気筒にし、クランクシャフトなどの重量物を極限まで車体中央の低い位置に集める「マス集中化」が徹底されているため、時速10kmも出ていれば、まるで400ccクラスであるかのようにヒラヒラと軽快に倒し込める安定感を持っています。この走りの軽さに感動するオーナーは非常に多いです。
本当の問題は、**「エンジンを切った状態での押し引き」や「傾斜のある場所での取り回し」**です。Uターンに失敗して行き止まりの坂道に入り込んでしまった時、身長175cm以下、あるいは平均的な筋力の方が、爪先立ちの状態で230kgの巨体をバックで押し上げるのは、文字通り「絶望的な重労働」になります。このサイズ感は、広い荒野を走る分には最高の恩恵(直進安定性や横風への強さ)になりますが、狭い日本の住宅環境や駐輪場では、明確な代償としてライダーに牙を剥くことを覚悟しておくべきです。
④ 街中でのすり抜けは得意ではないのか
ロングツーリングで比類なき安楽さを誇るアフリカツインですが、そのステージを日常の街乗り、特に都市部の激しい通勤渋滞などに移すと、**ハッキリ言って苦行の領域**になります。すり抜けに関しても、大型バイクの中で最も苦手な部類に入ります。

その最大の原因は、960mm(アドベンチャースポーツ)という強烈なハンドル幅の広さです。さらに、ナックルガードが標準装備されているため、車列の横を抜けようとすると、**ちょうど一般的な乗用車やミニバンの「サイドミラー」と全く同じ高さでハンドルが干渉しそうになります。** ネイキッドやスポーツバイクのように、車のミラーの下をハンドルがくぐり抜けるような芸当ができないため、物理的にすり抜けが制限されるシーンが非常に多いのです。
ここに純正のアルミパニアケース(3点セットなど)を装着しようものなら、車幅は軽自動車の横幅に迫るレベルになります。こうなると、渋滞の後方に大人しく四輪車と同じように並ぶしかありません。ストップ&ゴーが続く都心の熱気の中、高いシート高で何度も足を着き、巨体を支え続けるのは想像以上に体力を消耗します。街乗りメインで使おうと考えているなら、このサイズ感は確実にストレスの種になります。
⑤ CRF1100L アフリカツインの隠れた欠点とは
カタログを眺めているだけでは気づきにくい、実際にガレージに迎えてから「おや?」となる隠れた欠点についても触れておきます。特に注意したいのが以下の3点です。
見落としがちな3つの注意点
- 左手ハンドルの「ボタン多すぎ問題」:
最新モデルはApple CarPlayの操作や無数のライディングモード設定ができる液晶メーターを搭載しているため、左側のスイッチボックスに配置されたボタンの数が、まるでパソコンのキーボード並みに複雑です。冬用の厚手グローブをはめていると、ウインカーを押そうとしてメーターのセッティングボタンを誤プッシュしてしまうような操作の煩雑さが残ります。 - スタンダードモデルの「チューブタイヤ」という宿命:
本格オフロード仕様のスタンダードは、リム打ちパンクに強いチューブタイヤを履いています。しかし、ツーリング先で釘を踏んだ際、チューブレスのように外側からパッチを挿して5分で修理、というわけにはいきません。タイヤをリムから外し、チューブを引っ張り出してパッチを貼るか交換する必要があるため、出先でのパンク=即レッカー移動になるリスクを孕んでいます。(※Adventure Sportsはチューブレス仕様です)。 - ハイテク化ゆえの「長期維持での故障リスク」:
電子制御サスペンション(ES)や、タッチパネル式の大型TFT液晶は、現代のツーリングを極めて快適にしてくれます。しかし、新車保証が切れた数年後、あるいは10年後にこれらの基盤や油圧アクチュエーターが故障した場合、アッセンブリ交換で数十万円単位の凄まじい修理見積もりが出る可能性を覚悟しておく必要があります。
一方で「最高の相棒」になる!アフリカツインの真価
ここまでネガティブな現実をたくさんお伝えしてきましたが、それにもかかわらず、世界中でアフリカツインが売れ続け、多くのオーナーが「これ以上のバイクはない」と溺愛するのはなぜでしょうか。それは、前述したすべての欠点を木端微塵に吹き飛ばすほどの、圧倒的な「旅の快感」が眠っているからです。
ロングツーリングでは最高の相棒になる
一部のライダーが口にする「つまらない」という評価を、圧倒的な事実でねじ伏せるのが、1日500kmを超えるようなロングツーリングのステージです。この領域において、アフリカツインの右に出るバイクはそうそう存在しません。

ホンダがダカールラリーで培った人間工学の結晶である、直立に近いアップライトなライディングポジション。これのおかげで、どれだけ走っても腰や首、肩が痛くなることがありません。特に大型の5段階調整スクリーンを持つAdventure Sportsモデルの防風性能はすさまじく、高速道路を時速100kmで巡航していても、ヘルメットの周りだけ無風状態かと思うほど穏やかな空間が保たれます。風圧による疲労が極限までカットされるため、目的地に到着した時の疲れ方が、他のバイクとは明らかに違います。
24.8Lという圧倒的な大容量タンクを積むAdventure Sportsであれば、実燃費リッター20〜22km/Lとして計算しても、**無給油で500km近くをノンストップで走破可能**です。「ガソリンスタンドが閉まっているかもしれない」という山奥のツーリングでも、燃料計を気にせずどこまでも突き進める安心感は、ロングツアラーにとって最高のロマンであり、強烈なアドバンテージになりますよ。
DCTが生み出す唯一無二の快適性
そして、アフリカツインの魅力を語る上で絶対に外せないのが、ホンダ独自の自動変速機構であるDCT(デュアル・クラッチ・トランスミッション)です。「スクーターみたいでつまらない」と食わず嫌いする人にこそ、一度ロングツーリングで試してほしいシステムです。
左手のクラッチレバー操作から完全に解放されるため、ツーリング終盤の激しい渋滞に巻き込まれても、左手がガクガクになるような苦痛とは一生無縁になります。エンストという概念そのものがこの世から消滅するのも、Uターンやガレ場での大きな安心材料です。
ですが、DCTの本質は単に「楽ができる」だけではありません。変速という脳の処理をバイク側が完璧にやってくれるため、ライダーの集中力は「スロットルワーク」「前後ブレーキの荷重コントロール」「美しい景色を見つける余裕」へと100%振り分けることができるようになります。シフトチェンジのショックもプロライダー以上の滑らかさで、タンデム(二人乗り)の同乗者のヘルメットがコツコツ当たらないほどシームレスです。イージーだからつまらないのではなく、操作の先にある「旅そのものを味わい尽くす楽しさ」を教えてくれる、極めてインテリジェンスなトランスミッションなのです。
極低速Uターンの裏技
DCTモデルで狭い道をUターンする時は、クラッチレバーでの微調整ができないため、「リアブレーキを少し踏み込んで引きずりながら、アクセルを一定に開ける」のがコツです。こうすることで、駆動力がカチッと安定し、驚くほど小さな半径でピタッと安全に回ることができますよ。
後悔しないために!購入前に知るべき現実的な課題と対策
アフリカツインを本気で相棒に迎える覚悟が固まってきたあなたへ、現実的にお財布と相談すべき「立ちゴケ対策のコスト」と「新車・中古車のリアルな購入情報」をまとめました。
必須?立ちゴケ対策と費用について
前述の通り、アフリカツインの車高の高さと230kg超のウェイトを考えると、生涯で一度も立ちゴケをしないというのは、ベテランであっても至難の業です。結論として、**「頑丈なエンジンガード(パイプガード)」は、納車当日に100%装着しておくべき必須アイテム**です。

もしノーガードの状態で立ちゴケをしてしまうと、高価なアルミラジエーターや、塗装された美しいカウル、高額なLEDウインカーが一発で大破し、**それだけで15万〜20万円クラスの修理代**が吹き飛びます。精神的なダメージも計り知れません。
| カスタム対策 | パーツの特徴と効果 | 予算の目安(工賃別) | プロの視点 |
|---|---|---|---|
| アッパー&ロア エンジンガード |
金属製パイプで車体の大部分を強固にガード。立ちゴケしてもカウルを無傷に保ちます。 | 約6万〜12万円 | 見た目はゴツくなりますが、1回倒せば元が取れる「最強の保険」です。必須。 |
| 純正ローシート (または社外加工) |
シートの肉厚を薄くし、物理的に足つきを2〜3cm改善する王道カスタム。 | 約3万〜5万円 | 足の親指から「足の裏の指の付け根」まで接地が変わるだけで、立ちゴケ率は激減します。 |
| ローダウンリンク キット |
リアサスペンションのリンクを交換し、車高自体を20mm〜30mmほど下げる。 | 約4万〜8万円 | 劇的に安心感が増しますが、オフロードの走破性やサイドスタンドの傾きが変わる点に注意。 |
購入前にチェックすべき価格と販売情報
いざホンダドリームの店頭へ向かう前に、商談のリアルな現実を知っておきましょう。知らずに行くと、自動車のような大幅値引きを期待してガッカリすることになります。
新型1100の値引き交渉は可能か
結論から言うと、**アフリカツインの新車において「10万円、20万円といった大幅な車両本体からの値引き」は、ほぼ不可能です。**
ホンダの大型専売店である「ホンダドリーム」の流通体制は非常に厳格であり、アフリカツインのような人気指名買いモデルは、値引きをしなくても売れるため、ブランド価値を守る意味でも安売りはされません。基本的には「端数の数万円を引いてもらえるか、用品取付工賃を少しサービスしてもらえるか」が実質的な限界線です。
値引き交渉を有利に進めるための3つのポイント
車両本体の値引きが渋い以上、賢いライダーは以下の3つの方法で「実質的な総額」を抑えにかかります。
- 用品(パニアケースやガード類)のセット値引きを狙う:
「純正のアルミパニア3点セット(約20万円)を同時に買うので、用品側から少し値引きか、取付工賃をサービスしてくれませんか?」という交渉は、販売店側も利益の幅を調整しやすいため、非常に通りやすい王道の戦術です。 - 3月・9月の「決算セール期」にハンコを突く:
ドリーム店の店舗や経営母体法人ごとに、どうしても登録台数を稼ぎたい決算時期があります。このタイミングに「今日、この条件で飲んでくれるなら今すぐ契約書にサインします」と伝えるのは強烈に効きます。 - 現在乗っているバイクの「下取り」を頑張ってもらう:
本体値引きがダメなら、今乗っている愛車の査定額を「あと3万円アップしてくれたら決めます」と持ちかける方法です。これも実質的な値引きと同じ効果をもたらしてくれます。
中古市場の価格動向と注意点
新車総額が200万円に迫る現行型に手が届かない場合、中古市場は非常に魅力的な選択肢です。アフリカツインは世界中でタマ数が豊富にあるため、自分の予算に合わせた最適なモデルを見つけやすいのが強みです。
モデルごとの相場観と特徴
- 旧型:CRF1000L(2016〜2019年):相場 約85万〜120万円
排気量は1000ccですが、アフリカツインならではのおおらかな長距離性能はすでに完成しています。電子制御がシンプルな分、価格が100万円前後までこなれており、「コスパ良くアフリカツインの世界に入りたい」なら最高の選択肢です。 - 現行:CRF1100L(2020年〜現行):相場 約140万〜180万円
排気量がアップし、Apple CarPlay対応の液晶や最新の6軸IMU(電子制御センサー)がフル搭載された現行型。Adventure Sportsの電子サス付き(ESモデル)は特に人気が高く値落ちしにくいですが、最新のハイスペックな旅を楽しみたいならこちら一択になります。
中古アドベンチャーバイク選びの重要チェックポイント
アドベンチャーというバイクのキャラクター上、前オーナーが「オフロード(林道)で激しく転倒させているか」を注意深く見極める必要があります。以下の3箇所に不自然な深い傷や、泥・サビが残っていないか店頭で必ずしゃがみ込んでチェックしてください。
- ステップの裏側・エンジン下部のスキッドプレート(底面の金属板): ここに大きな凹みや激しい擦り傷がある個体は、大きな岩がゴロゴロしているようなハードな林道をガンガン走破してきた証拠です。フレームや足回りに目に見えない負荷がかかっている可能性があります。
- アルミスプロケット・ホイールリムの歪み: ダート走行で石を弾いて、ホイールのリムにわずかな歪みや歪みがないか、正面から舐めるように確認してください。
- ハンドルのストッパー部分(三又周辺): 激しく転倒すると、フロントフォークがフレームのストッパーに強く叩きつけられて凹みや塗装剥がれが起きます。ここを確認すれば、単なる立ちゴケか、走行中の大ゴケかが一発で判別できます。
アフリカツインの歴史|旧型は生産終了した?
「アフリカツインって、昔に生産終了したんじゃないの?」と、何十年ぶりかにバイクへ戻ってきたリターンライダーの方から非常によく聞かれる質問について、その誤解の歴史をスッキリ紐解きます。
アフリカツインはいつ生産終了になりましたか?
結論から申し上げますと、**現行の並列2気筒モデル「CRF1100L」は生産終了していません!** 現在もホンダの最上級フラッグシップアドベンチャーとして、環境規制をクリアしながら堂々と大ヒット発売中です。
それなのに「生産終了」という噂がネットに漂っている理由は、かつて1980〜1990年代に日本のバイクブームを席巻した、**【初代・V型2気筒エンジンのアフリカツイン(XRV650/750)】**の記憶が強烈に残っているからです。
パリ・ダカールラリーで4連覇を成し遂げた伝説のワークスマシン「NXR750」の完全なるレプリカとして1988年にデビューしたXRVシリーズは、あの丸目2灯の圧倒的なラリースタイルで大人気を博しましたが、排ガス規制やアドベンチャーブームの一時的な終焉に伴い、**2000年代初頭に一度、本当に生産終了となって市場から姿を消した歴史**があります。初代XRV650やXRV750、そして2016年のCRF1000L復活までの流れは、ホンダ公式のAfrica Twinヒストリーでも紹介されています(参照:Honda Africa Twin Stories)。
それから約15年という長い沈黙を破り、ホンダが2016年に全く新しい並列2気筒の「CRF1000L」として名前を復活させたのが、現在のモダンアフリカツインの始まりです。つまり、生産終了したというのは過去の「Vツイン仕様の旧アフリカツイン(XRV)」のことであり、現在のモデルはまさにそのDNAを受け継いで進化の絶頂にありますので、安心してドリーム店へ向かってくださいね。
CRF1100L アフリカツインに関するよくある質問(Q&A)
Q. 結局のところ、アフリカツインは初心者やリターンライダーには難しいバイクですか?
Q. DCTモデルとマニュアル(MT)モデルは、どちらがおすすめですか?
【DCTがおすすめな人】:1日500km以上のロングツーリングを優雅に楽しみたい、高速道路や地方の快走路がメインステージ、都心の激しい渋滞通勤もこなしたい。クラッチ操作という疲労から解放され、美しい景色を脳に焼き付ける余裕が欲しいなら、11万円高く、10kg重くなっても間違いなくDCTを選ぶ価値があります。
【MTがおすすめな人】:従来のバイクらしく「左手と左足の儀式」で回転数を完璧に支配したい、オフロードのガレ場で一瞬のクラッチの蹴り出しを使ってフロントを浮かせたい、少しでも車重を軽く(10kg軽量)して取り回しの負担を減らしたい。バイクとの硬派なダイレクト感を最優先するならMTが正解です。
Q. 年間の維持費はだいたいどれくらいかかりますか?
Q. Adventure Sports(アドベンチャースポーツ)とスタンダードモデルの具体的な違いは何ですか?
スタンダードは、18Lタンクにショートスクリーン、そして「チューブタイヤ」を採用しており、車重が軽く未舗装路でアクティブに振り回す楽しさを追求しています。
対するAdventure Sportsは、24.8Lの巨大タンクに5段階調整の大型スクリーン、出先でのパンク修理が容易な「チューブレスタイヤ」、さらに夜間のコーナーの先を照らすコーナリングライトや、ボタン一つで乗り心地を劇的に変える「電子制御サスペンション(ES)」までフル装備しています。日本の高速道路を使った超ロングランがメインなら、Adventure Sportsの方が圧倒的な満足感を得られます。
Q. ライバル車種と比べて、アフリカツインの一番の強みは何ですか?
アフリカツインの「つまらない」という噂の裏にある本当の理由が分かったら、同じ1100ccの直列2気筒エンジンとDCTを積みながら、全く異なるキャラクターとして大ヒットしている兄弟車たちとの違いも気になりますよね。
完全なオンロード専用ツアラーに特化したNT1100や、足つき性抜群のクルーザースタイルであるレブル1100など、当サイトでは同じ心臓部を持つホンダの精鋭バイクたちも詳しく解説しています。ぜひあわせてチェックして、あなたに最適な相棒を見つけてみてください。
結局アフリカツインはつまらないのか

ネット上に転がる「アフリカツインはつまらない」という極端な酷評。その正体は、バイクがダメなのではなく、「ホンダが世界最高峰の技術で作り上げた、牙を剥かない完璧な万能性」が、一部のヒリヒリするようなスリルや過激な刺激を求めるライダーにとって物足りなく感じられた、という贅沢なギャップの裏返しに過ぎませんでした。
まとめのポイント
- 「つまらない」は高性能の裏返し。長距離で脳と体が一切疲れない究極の優等生バイク
- 数値以上の足つきのワイドさと重心の高さがあり、納車当日のエンジンガード装着は必須
- ハンドル幅960mmは車のミラーと同じ高さになりやすく、都市部の渋滞すり抜けは明確に苦手
- ロングツーリングでの防風性とDCTの安楽さは異次元。一度味わうと戻れない「旅のビジネスクラス」
- 新車値引きは渋いため用品サービスを狙うのがセオリー。中古は下回りの林道走行キズを要チェック
あなたがバイクに求めるものが、一瞬のアドレナリンが沸き立つような恐怖を伴う加速ではなく、「今週末はあの遥か遠くの岬まで、美しい景色を眺めながらノートラブルで安全に走り抜けたい」「見知らぬ土地の荒れた峠道でも、臆することなく旅を続けたい」という、人生の可能性を広げる冒険のパートナーであるならば、アフリカツインはこれ以上なく頼もしい、生涯最高の相棒になってくれます。
この巨体がもたらす「押し歩きの重さ」という可愛い弱点を受け入れる覚悟ができたら、まずは大手中古車サイトで年式ごとの相場をのんびり眺めたり、お近くのホンダドリーム店へ足を運んで、実車の放つ圧倒的なオーラに触れてみてはいかがでしょうか。シートに跨り、その大らかなフューエルタンクを目の前にした瞬間から、あなたのまだ見ぬ新しい旅のストーリーが、静かに鼓動を始めますよ。
【補足】アフリカツインが「少し大きすぎる」と感じた方へ
ここまでアフリカツインの魅力を解説してきましたが、「やはり230kg超の車重や足つきがどうしても不安…」と感じた方もいるかもしれません。そんな時は、無理をせず同じホンダのアドベンチャーシリーズである以下の2車種もぜひ比較検討してみてください。
- 軽さと扱いやすさを最優先するなら:
弟分であるミドルアドベンチャーのXL750 トランザルプが最適です。車重208kgという圧倒的な軽さは、立ちゴケの不安を劇的に減らしてくれます。 - 日常の実用性とコストパフォーマンスを求めるなら:
通常のガソリンタンク部分に巨大な収納スペース(メットイン)を持ち、燃費も抜群に良いNC750Xは、フルパニア化することで最強のキャンプツアラーに化ける名車です。
※本記事は執筆時点の情報に基づきます。価格・相場・仕様・法規制等は変更される場合がありますので、最新情報は必ず公式機関や販売店で直接ご確認ください。