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MT-07を買って後悔する人の共通点とは?維持費・寿命・リセールまで徹底解説

夕焼けのワインディングを走るヤマハMT-07(シルバー×ブルー)と「MT-07、心を昂らせる相棒。」のキャッチコピーが入ったアイキャッチ画像

こんにちは。「motofrontier」の「マコト」です。

大型自動二輪免許を取得して、初めての相棒、あるいは久しぶりのリターンライダーとしての相棒に、ヤマハの「MT-07」を検討している方は非常に多いのではないでしょうか。

700ccクラス(排気量688cc)でありながら、400cc並みに感じる軽快さと、手が届きやすい価格設定。カタログスペックや雑誌のレビューだけを見れば、これ以上ないほど「完璧な優等生」に見えるバイクです。

しかし、購入前に詳しく調べようとして検索エンジンで情報を探していると、「MT-07を買って後悔した」という声や、「乗っていてつまらない」といったネガティブな評判を目にしてしまい、不安になっている方もいるはずです。

さらに「足回りがチープ」「高速道路が地獄」など、ドキッとするような言葉が並んでいると、せっかく高いお金を払って購入する愛車選びで失敗したくないと考えるのは当然のことです。

あなたは今、こんなことで悩んでいませんか?

  • ✅ ネットの口コミで「サスペンションがフワフワで安っぽい」と書かれていて、走りに不安がある
  • ✅ ネイキッドだから高速ツーリングに行きたいけれど、風圧で疲れて楽しめないのではないかと怖い
  • ✅ 初めての大型バイクとして、あの爆発的なトルクやパワーを本当に扱いきれるか心配
  • ✅ 維持費がかさんだり、売る時の値段(リセール)が暴落して、金銭的に大損をしたくない

もし一つでも当てはまったなら、この記事があなたの疑問をすべて解決します。

MT-07を買って後悔する人の共通点

MT-07 YAMAHA公式サイト画像
出典:ヤマハ発動機「MT-07」

最初に結論から申し上げますと、MT-07というバイクは、誰にでも手放しで100%おすすめできる「万能な優等生」ではありません。実際に購入した後で「失敗した」「イメージと違った」と後悔して手放してしまう人には、実は明確な共通点や思考のパターンが存在します。

ここでは、多くのオーナーたちのリアルな声と、私自身が試乗やツーリングを通じて感じた分析を交えて、その「後悔のメカニズム」を深く紐解いていきます。

ホンダ車のような完璧さを求めるな

ホンダのような完璧な安定感とMT-07の操るダイレクト感の違いを示す比較図

まず最初にはっきりとお伝えしておきたいのは、もしあなたが教習所で乗った「CB400SF」や「NC750X」のような、ホンダ車特有の「誰が乗っても100点をくれる完璧な安定感」や「シルキーな乗り味」を求めているのであれば、MT-07は選ばない方が良いかもしれない、ということです。

教習車にも採用されるホンダの4気筒や2気筒モデルは、エンジンの吹け上がりが非常に滑らかで、低速でも粘りがあり、スロットル操作に対して神経質な挙動を見せません。

車体もどっしりと安定しており、ライダーのミスを許容してくれる包容力があります。これこそがホンダの素晴らしい技術力なのですが、ヤマハがMT-07で目指した世界観は、これとは対極に位置しています。

MT-07は、ヤマハが掲げる「人機官能」というコンセプトのもと、意図的に「バイクを操るダイレクト感」や「ライダーの操作に対する即応性」を重視して作られたマシンです。

具体的には、アクセルを少し開けた瞬間に「ドンッ」と出る爆発的なトルクや、ショートホイールベースと軽量ボディがもたらす、良い意味で落ち着きのないヒラヒラとしたハンドリングが特徴です。

この特性は、ベテランライダーや刺激を求める人にとっては「意のままに操れる楽しさ」として映りますが、免許を取り立ての初心者や、ひたすら安心感を求める人にとっては、「ギクシャクして乗りにくい」「車体がフラフラして怖い」というネガティブな印象に繋がりかねません。

「優等生」ではなく、乗り手が積極的にコントロールして初めて輝く「じゃじゃ馬」的な要素があることを理解していないと、そのギャップに苦しむことになります。

コストカットと引き算の美学の違い

MT-07の軽量ボディとG-SHOCKに通じるタフな道具感のデザインコンセプト

MT-07のレビューで最も頻繁に批判されるポイントに、「各部の作りが安っぽい」「コストダウンが目立つ」というものがあります。

確かに、実車を細かく見ていくと、スイングアーム周りのデザインが簡素であったり、プラスチックパーツが多用されていたり、メーター周りが非常にシンプルであったりと、100万円を超えるリッタークラスの高級車のような「所有するだけで満たされる質感」は希薄かもしれません。

しかし、私はこれを単なるメーカーの「手抜き」や、利益を出すための悪質な「コストカット」だとは考えていません。ヤマハの開発陣は、「走る楽しさに直結しない要素を徹底的に削ぎ落とす」という、ある種の「引き算の美学」を持ってこのバイクを設計したのだと感じます。

ここがポイント

豪華で重厚な金属パーツを多用して車重が200kgを超えてしまうよりも、見た目はシンプルで質素でも、大型バイクとしては驚異的な「183kg(現行モデルの車両重量の目安)」という軽さを手に入れる。この割り切りこそがMT-07の最大の武器であり、コンセプトそのものなのです。

例えば、もしMT-07が豪華なアルミ削り出しパーツや電子制御サスペンションを標準装備していたら、価格はさらに上がり、車重も重くなっていたでしょう。それでは「誰もが気軽に楽しめる大型バイク」というMT-07のアイデンティティは崩壊してしまいます。

「安っぽさ」は、見方を変えれば「気負わずにガシガシ使い倒せる道具感」とも言えます。高級腕時計ではなく、タフで高機能なG-SHOCKのような魅力を理解できるかどうかが、後悔しないための大きな分かれ道になります。

所有感が薄いと感じる心理的要因

多くのライダーにとって、大型バイクを購入する動機の一つに、「大きなバイクを所有する満足感」や「迫力ある車体を見せびらかしたい」という承認欲求に近い感情があることは否定できません。しかし、MT-07はこの「所有感」や「ハッタリ」という点においても、他の大型バイクとは一線を画しています。

MT-07の車体サイズは、一見すると400ccクラス、あるいは250ccクラスと見間違えるほどにコンパクトです。リアタイヤこそ180サイズという太いものを履いていますが、全体的なシルエットは非常にスリムで凝縮感があります。

そのため、ツーリング先の道の駅などで、ハーレーやリッターSS(スーパースポーツ)、あるいはカワサキのZ900RSのような堂々としたバイクの隣に並べたとき、「あれ? 俺のバイク、なんか小さくて迫力不足かも…」「隣のバイクの方が立派に見えるな…」と、ふと引け目を感じてしまうケースがあるようです。

もしあなたが「デカくて重いバイクこそが大型バイクの正義」という古き良き価値観を重視しているのであれば、このコンパクトさは間違いなくデメリットに映り、所有欲を満たしてくれない原因になるでしょう。

しかし、実際に所有して生活を共にしてみると、この小ささは最強の武器に変わります。狭い駐輪場での出し入れ、渋滞路でのすり抜け、狭い峠道でのUターンなど、巨大なバイクでは億劫になるシーンでも、MT-07なら自転車感覚で気軽に対応できます。「重圧から解放される自由」こそが、MT-07の真の所有感なのです。

刺激不足という評価の誤解

MT-07のCP2エンジンと4気筒エンジンの実用域トルク比較グラフ

インターネットの掲示板やSNSでは、「MT-07はパワー不足でつまらない」「すぐに飽きる」という辛辣な意見を目にすることもありますが、これは大きな誤解、あるいは評価基準のズレを含んでいることが多いです。

確かに、カタログスペック上の最高出力(約73馬力)だけを見れば、同クラスの4気筒エンジンを積むCB650R(約95馬力)や、リッターバイクのパワーには遠く及びません。

最高速や、サーキットでのラップタイムを競うような場面では、MT-07は非力に感じるでしょう。しかし、公道でバイクを楽しむために本当に必要なのは、「ピークパワー」ではなく「実用域のトルク」です。

MT-07に搭載されている「CP2(クロスプレーンコンセプト)エンジン」の実力は、スペック表の数値には決して現れない「アクセルを開けた瞬間の加速力」にあります。

270度クランク並列2気筒エンジンが奏でるドコドコとしたパルス感と共に、信号待ちからの発進や、峠道のカーブの立ち上がりでアクセルをひねった時、路面を蹴り出すような力強いトルク感は、病みつきになるほどの強烈な刺激があります。

「エンジンをレッドゾーンまで回さないと走らない」のではなく、「どの回転域からでも瞬時に加速する」楽しさ。これを「つまらない」と感じる人は、おそらく日本の公道では使いきれないような超高速域での性能を基準にしているのでしょう。

法定速度内や、常識的な速度域でこれほどエキサイティングなエンジンは、世界中を探してもそう多くはありません。

弱点を自分色に染める解決策

ここまで、MT-07が抱える「ネガティブな側面」について正直に解説してきました。しかし、これらの弱点は、実は「自分好みにカスタムするための余地」として残されているとも言えます。

ここでは、よく挙げられる不満点を克服し、MT-07を自分だけの最高の一台に仕上げるための具体的かつ実践的な解決策を紹介します。

柔らかいサスは操る楽しさの源泉

MT-07の純正サスペンションが柔らかい理由と社外品交換による性能向上

「サスペンションがフワフワして怖い」「コーナーで腰砕けになる」という声は、MT-07に関する不満の中で最も多く、そして深刻なものの一つです。特に初期型(2014〜2017年モデル)においては、リアサスペンションの減衰力が不足気味で、体重のあるライダーやペースの速いライダーからは不評を買うことがありました。

しかし、メーカーがあえてこの「柔らかい設定」にしたのには、明確な教育的意図があります。それは、ライダーが積極的に体重移動を行ったり、ブレーキとアクセルのオンオフで車体の姿勢をコントロールする感覚(ピッチングモーション)を、低い速度域でも明確に感じ取れるようにするためです。

高性能なスポーツバイクのガチガチに硬いサスペンションは、ある程度の荷重(スピードとG)をかけないと動きません。しかしMT-07の純正サスは、交差点を曲がる程度の速度でもよく動き、「今、前輪に荷重が乗っているな」「今、後輪で路面を蹴っているな」という情報をライダーに分かりやすく伝えてくれます。

つまり、MT-07の純正サスは、スポーツライディングの基礎を学ぶための「最高の教材」として機能しているのです。これを「安っぽい」と切り捨てる前に、「バイクとの対話」を楽しんでみるのも一つの手です。

サスペンション交換で激変する性能

そうは言っても、「やっぱりフワフワ感が不安で攻め込めない」「もっとシャキッとした走りで安心感が欲しい」と感じるレベルまであなたが成長したなら、迷わずサスペンションを交換してしまいましょう。

これがMT-07の最も面白いところで、コストダウンされた足回りをアップグレードすると、走りの質が嘘のように激変します。

例えば、KYB(カヤバ)のスペシャルサスペンションや、オーリンズ(OHLINS)、ナイトロン(NITRON)といった一流メーカーのリアショックを入れるだけで、まるで別の高級バイクに乗り換えたかのように、路面に吸い付くような上質な走りに生まれ変わります。段差を乗り越えた時の収束が早くなり、高速コーナーでの安定感も劇的に向上します。

費用の目安と投資対効果

社外リアサスペンションへの交換は、本体価格と工賃を含めて10万円〜15万円程度が相場です。一見高く感じるかもしれませんが、MT-07は「同クラスのライバル車より数万円〜十数万円安いことが多い」バイクです。浮いた予算をサスペンションに投資することで、トータルコストは近くても、自分好みの「極上の足回り」を手に入れることができます。これは非常に賢い選択です。

最初からすべてが完成された高いバイクを買うのではなく、素材の良いバイクを買って、自分の成長に合わせてパーツを交換し、自分好みに育てていく。そんな「プラモデル的」な楽しみ方ができるのも、シンプルなMT-07ならではの隠れた魅力です。

マコト
マコト
実は、足回りをKYBやオーリンズに変えたMT-07は、別のバイクかと思うくらい『化け』ます。最初から完成された高いバイクを買うより、自分の成長に合わせてバイクを育てていく。この過程こそが一番楽しいんですよ。

高速道路よりも峠道を楽しむべき理由

「高速道路での風圧が辛い」「100km/h巡航で首がもげそうになる」というのは、カウルのないネイキッドバイクを選んだ以上、ある程度は受け入れなければならない宿命です。真正面から風を受けるため、長距離の高速移動はどうしても疲労が蓄積します。

これを解決するために、大きめのスクリーン(風防)を付けるのも一つの有効な手段ですが、スタイリングが崩れるのを嫌う人も多いでしょう。ネイキッドの風圧対策(スクリーン選び・疲労軽減の考え方)は車種が違っても共通するので、より具体例を知りたい方は 「高速がきつい」と感じる原因と対策(スクリーン・快適化)の解説 も参考になります。

そこで私は、あえて「割り切り」というマインドセットを提案したいと思います。MT-07の本領発揮ステージは、退屈な直線の高速道路ではなく、「一般道や曲がりくねった峠道」です。

軽量な車体とトルクフルなエンジンは、日本の狭く入り組んだ峠道(ワインディング)でこそ、水を得た魚のように真価を発揮します。リッターバイクが持て余してしまうようなタイトなコーナーでも、MT-07なら軽快に駆け抜けることができます。

高速道路はあくまで「美味しい峠道に行くまでの移動手段(ワープ)」と割り切り、こまめに休憩を挟みながら、目的地での極上のライディングを楽しむ。そういった「適材適所」の使い方を理解すれば、風圧の辛さも納得できるはずです。

快適性を高めるシート等のカスタム

長時間のツーリングでお尻が痛くなるという悩みも、MT-07オーナーからは頻繁に聞かれます。MT-07の標準シートは、足つき性を良くするために前方部分が絞り込まれており、クッションの厚みがやや薄めな傾向があります。また、着座位置が固定されやすいため、一点に圧力がかかりやすいのも原因の一つです。

これに対する解決策として最もおすすめなのが、ヤマハ純正オプション(ワイズギア)から発売されている「コンフォートシート」への換装です。

このシートは、スタンダードのデザインを崩すことなく、ウレタンの材質や形状を見直すことでクッション性を大幅に向上させています。また、表皮の質感も上がり、見た目の高級感もアップします。

もっと安価に対策したい場合は、シートの上に敷く「ゲルザブ(ゲル入り座布団)」や、メッシュカバーなどを導入するのも効果的です。

さらに、ハンドル位置を少し手前にする「ハンドルスペーサー」を導入して、前傾姿勢を少し緩和することで、お尻への荷重分散を図るというテクニックもあります。これらの小さな工夫の積み重ねで、片道300km程度のツーリングなら余裕でこなせる快適性を手に入れることができます。

3年間の維持費と車検費用のリアル

MT-07の年間維持費と月額コスト約12,600円の内訳詳細

さて、ここからは皆さんが現実的に最も気にされるであろう「お金」の話、維持費について詳細にシミュレーションしていきましょう。いくら車両価格が安くても、維持費が高くて生活を圧迫してしまっては元も子もありません。

MT-07を新車、あるいは高年式の中古で購入し、3年間所有(年間走行距離5,000km想定)した場合の概算コストを算出しました。

項目年間コスト目安3年間の合計備考
自動車税6,000円18,000円毎年5月に納税
重量税・自賠責約16,000円新車購入時(37ヶ月など契約条件で変動)
任意保険約40,000円120,000円年齢・等級・車両保険有無で大きく変動
ガソリン代約34,000円102,000円レギュラー170円/L、燃費25km/L、年5,000km走行で試算
メンテナンス費約50,000円150,000円オイル、タイヤ、点検費用などの積立
車検費用(1回)約50,000円3年目の車検(ショップ依頼の相場)
合計約130,000円約456,000円月額換算:約12,600円

上記はあくまで概算ですが、年間5,000km程度走る一般的なライダーの場合、車検代や消耗品を含めても、月々約12,000円〜13,000円程度のランニングコストで維持できる計算になります。

特筆すべきは「燃費の良さ」です。MT-07はレギュラーガソリン仕様であり、走り方次第で燃費は大きく変動しますが、ツーリングでは数値が伸びることも珍しくありません。これはハイオク仕様の4気筒バイクに比べて大きな節約になります。

また、車検についても、最近では自分で陸運局に持ち込む「ユーザー車検」を利用すれば、法定費用(重量税・自賠責・印紙代)の合計でおおむね約14,000円台〜(条件により前後)で済ませることも可能です。

車検の法定費用の考え方や、年間維持費の組み立て方をもう少し細かく知りたい方は 年間維持費・車検費用・資産価値の整理(考え方が共通で参考になる解説) も合わせてどうぞ。

乗り換えを見据えた資産価値の視点

賢いバイクライフを送るためには、「買う時のワクワク」だけでなく、いつか訪れる「手放す時のこと(出口戦略)」まで考えておくのが重要です。MT-07は世界的な人気車種ですが、リセールバリュー(再販価値)を最大化するためには、いくつかの重要なポイントを押さえておく必要があります。

タイヤやオイル交換の頻度と費用

MT-07は車体が軽くパワーがあるため、ライダーが「加速感」を楽しんでアクセルを大きく開けがちになります。その結果、特にリアタイヤの摩耗が予想以上に早くなることがあります。

ハイグリップなスポーツタイヤを履かせると、5,000km〜8,000km程度でスリップサインが出て交換時期が来ることも珍しくありません(走り方で大きく変わります)。

大型バイクのラジアルタイヤは高価で、前後セットで交換すると工賃込みで5万円〜7万円ほどかかるのが一般的です。維持費を抑えたい場合は、ミシュランの「ROAD」シリーズのような、耐久性とウェット性能に優れた「ツーリングタイヤ」を選ぶことで、寿命を1万km〜1万5千km以上に延ばすことができます。

一方で、オイル交換に関しては比較的リーズナブルです。オイル量は目安として、フィルター交換ありで約2.6L、フィルター交換なしで約2.3L程度と少なめで、初心者でもDIYで作業しやすいのも魅力です。自分で交換すれば、オイル代(3,000円〜4,000円程度)だけで済みます。

このように、タイヤ選びさえ間違えなければ、メンテナンス費用は大型バイクの中では「比較的リーズナブル」な部類に入ると断言できます。

買取相場とリセールバリューの推移

将来的に乗り換える際、MT-07はどれくらいの価格で売れるのでしょうか? 中古車市場の取引傾向を見ると、走行距離によって買取相場に「価格の節目(壁)」があるのは事実です。ただし、相場は年式・地域・季節・カスタム・転倒歴で大きく動くため、ここでは“目安”として理解してください。

【注意すべき走行距離の壁(目安)】

  • 〜1万km未満: 「低走行車」として扱われ、最も高値が付きやすいゾーン。
  • 〜3万km未満: 一般的な中古車としての適正価格が維持されやすい。
  • 4万km台: 状態次第で一段階下がりやすい“分かれ目”になりがち。
  • 5万km以上: 「過走行」扱いになりやすく、査定が伸びにくい傾向。

もしあなたが「3年乗って次は別のバイクへ乗り換えたい」と考えているなら、走行距離が4万kmの大台を超える前に手放すのが、経済的には最も損失を少なくする賢い選択かもしれません。

もちろん、MT-07のエンジンは非常に耐久性が高く、メンテナンスさえしていれば長く楽しめますが、日本の「資産価値(市場価格)」という視点では、走行距離がリセールバリューに影響することを覚えておいてください。

ローン地獄を避ける金利の知識

MT-07を購入する際、多くの方がローンを利用すると思います。ここで絶対に注意してほしいのが「金利手数料」と「残債」のバランスです。バイクショップの店頭で勧められるクレジットローンの中には、金利が高めに設定されているケースもあります。

例えば、乗り出し80万円を金利9%の60回払い(5年)で借りた場合、支払う利息の総額は約20万円にもなります。さらに恐ろしいのは、もし3年でバイクを売りたくなった時、バイクの買取査定額よりも、ローンの残り(残債)の方が高くなってしまう「オーバーローン」の状態に陥るリスクが高いことです。こうなると、バイクを手放すために現金を追加で支払わなければならなくなります。

据置型クレジット(残価設定ローン)も含めた「月額の安さの裏側」や、出口戦略まで含めた注意点は ローン・残価設定の落とし穴と対策(考え方が共通で参考になる解説) で詳しく整理しています。

このような「後悔」を避けるためには、以下の対策が有効です。

  • なるべく頭金を入れて、借入額を減らす。
  • 銀行や信用金庫が提供している「マイカーローン(バイク可)」を利用する。(金利が1%〜3%台と安い場合が多い)
  • カスタム費用やウェア代まで安易にローンに組み込まない。

「月々の支払いが安いから」といって安易に契約せず、総支払額がいくらになるのか、そして売りたい時に残債はどうなっているのかを冷静にシミュレーションすることが、後悔しないための鉄則です。

マコト
マコト
バイク屋のカウンターで、勧められるままにハンコを押すのだけはNG! 金利が数%違うだけで、最終的にカスタムパーツや高級ヘルメットが買えるくらいの差額が出ちゃいますからね。面倒でも銀行ローンなどは一度確認しましょう。

最後に疑問を解消!MT-07購入前のよくあるQ&A

記事の締めくくりとして、MT-07の購入を検討している方から私がよく相談される質問と、それに対するリアルな回答をQ&A形式でまとめました。ここを読めば、残りの不安もクリアになるはずです。

Q1. 大型バイク初心者ですが、アクセルワークがシビアだと聞いて不安です。大丈夫でしょうか?

A. 最初は少し慣れが必要ですが、すぐに「武器」に変わります。
確かに教習車のCB750やNC750に比べると、アクセルを開けた瞬間の反応(ドンツキ)は良すぎると感じるかもしれません。しかし、これは「丁寧に操作すれば滑らかに、ラフに開ければ元気に」反応するという、バイク本来の姿です。
最初は「ジワッと」開けることを意識すれば、軽量な車体のおかげで立ちゴケのリスクも低く、むしろ初心者にとって扱いやすいバイクだと言えます。

Q2. 指定燃料はハイオクですか?レギュラーですか?

A. お財布に優しい「レギュラーガソリン」仕様です。
これはMT-07の大きな強みです。多くの大型スポーツバイクや外車がハイオク指定である中、MT-07はレギュラーガソリンで最高のパフォーマンスを発揮するように設計されています。燃費も25km/L前後と非常に良いため、ツーリングコストは400ccクラスとほとんど変わりません。

Q3. 二人乗り(タンデム)でのツーリングは快適ですか?

A. 正直に言うと、長距離のタンデムは「不向き」です。
MT-07のリアシートはデザイン重視で小さく、クッションも薄めです。また、タンデムステップの位置も高いため、後ろに乗る人は膝が窮屈になりがちです。
街乗りや1時間程度の移動なら問題ありませんが、「毎週末、奥さんやパートナーを乗せてロングツーリングに行きたい」という目的がメインなら、もっと車体が大きくシートが快適なバイク(トレーサー9GTなど)を検討した方が、後悔しないでしょう。

Q4. エンジンの耐久性は?故障などのトラブルは多いですか?

A. 極めて頑丈です。「壊そうと思っても壊れない」レベルです。
搭載されているCP2エンジンは、アドベンチャーモデルの「テネレ700」にも採用されている信頼性の塊のようなエンジンです。シンプルな構造ゆえに故障リスクが低く、定期的なオイル交換さえしていれば、大きなトラブルに遭う確率は非常に低いです。
唯一、初期型(2014-2015年頃)の一部でウォーターポンプからの微細な冷却水滲みや、チェーンの錆びやすさが指摘されることがありますが、現行モデルや対策済みの中古車であれば心配無用です。

MT-07で後悔しないための最終結論

ここまで、MT-07の弱点や維持費、そしてお金のリスクについて正直にお話ししてきましたが、最後にこれだけは言わせてください。MT-07は、間違いなく「価格以上の感動と楽しさを提供してくれる稀代の名車」です。

(出典:ヤマハ発動機公式サイト『MT-07 価格・仕様:スペック』より、その車両重量やエンジンスペックを確認できます)

この記事の最重要ポイントをまとめます。

  • MT-07に「ホンダ車のような完璧な快適性」や「所有欲を満たす圧倒的な高級感」を求めてはいけない。
  • サスペンションやシートへの不満は、車両価格が抑えられている分、浮いたお金でカスタムすれば解決しやすい。
  • 街乗りや峠道での「操る楽しさ」に関しては、クラス最高レベルのコストパフォーマンスを誇る。
  • リセールを気にするなら、走行距離の節目(例:4万km付近)を意識して、計画的な出口戦略(売却時期)を立てる。
  • ローンの組み方(特に金利・残価設定)にさえ気をつければ、維持費は決して怖くない。

もしあなたが、「退屈でもいいから楽なバイク」ではなく、「アクセルを開けるたびにヘルメットの中でニヤけてしまうようなワクワクする相棒」を探しているなら、MT-07は間違いなく最高の選択肢になるはずです。

ネットの「後悔」という言葉だけに惑わされず、ぜひ一度お店で実車に跨り、エンジンをかけてみてください。その軽さと、身体に響く鼓動感を感じた瞬間、あなたの悩みはきっと吹き飛び、新しいバイクライフへの期待に変わるはずです。

MT-07のCP2エンジンの鼓動感と試乗でわかる真の魅力

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