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MT-09が乗りにくい本当の理由と劇的改善ガイド【ドンツキ・足つき完全対策】

MT-09は本当に乗りにくいのか?誤解と解決策を解説する記事の表紙

こんにちは。「motofrontier」の「マコト」です。

信号待ちでふとショーウィンドウに映る自分のバイクと姿を見て、思わずニヤリとしてしまう瞬間ってありますよね。あの独特のシルエットに見惚れる時間は、ライダーだけの密かな楽しみだと思っています。

さて、今回はヤマハの「MT-09」についてお話しします。デザインもスペックも魅力的ですが、ネットやSNSで情報を集めていると、「乗りにくい」「疲れる」といった声や、「買って後悔した」なんていう少し不安になる評判を見かけることも多いのではないでしょうか。特に「雨の日」の走行や長距離ツーリングでの快適性について、気になっている方もいるはずです。

「買って後悔した」という評判が気になる方は、後悔の具体例(足つき・風圧・燃費など)を整理したこちらも参考になります。MT-09購入で後悔する致命的な理由とは?燃費・足つきの真実とMT-07との決定的な違いを徹底解説

MT-09の悩み一覧:ドンツキ、シートの硬さ、足つき、雨の恐怖

あなたは今、こんなことで悩んでいませんか?

  • ✅ MT-09のデザインは好きだが、「じゃじゃ馬」すぎて扱えるか不安
  • ✅ 実際に乗っているが、低速でのギクシャク感やドンツキに疲れてしまう
  • ✅ 足つきが悪そうで、立ちゴケしないか心配で購入に踏み切れない
  • ✅ 大型バイク初心者なので、もっと穏やかな車種にした方がいいか迷っている

もし一つでも当てはまったなら、この記事があなたの疑問をすべて解決します。

MT-09が乗りにくいと言われる根本的な原因

「MT-09は乗りにくい」という評価は、決してバイク自体の欠陥ではありません。それは、軽量な車体とハイパワーなエンジンの組み合わせが生む「過敏さ」に由来しています。

なぜこれほどまでに賛否が分かれるのか、そしてなぜ多くのライダーが「扱いにくい」と感じてしまうのか。ここではそのメカニズムを、ライダー心理とマシンの構造の両面から深く紐解いていきます。

アクセル開け始めのドンツキと解決策

MT-09の軽さとハイパワーが過敏さを生むメカニズムの図解

MT-09、特に2014年から2016年の初期型(Gen1)や、2017年から2020年の2代目(Gen2)に乗るライダーが最も口を揃えて言うのが「ドンツキ」の問題です。これはアクセルを全閉状態からわずかに開けた瞬間に、ライダーの意図よりも遥かに強く、ドン!とトルクが出てしまう現象のことです。

例えば、市街地の交差点を左折するシーンを想像してみてください。減速してコーナーに入り、出口に向けてじわっとアクセルを開けようとした瞬間、車体がガクンと前に飛び出そうとする。慌ててアクセルを戻すと、今度は強烈なエンジンブレーキがかかってつんのめる。この「オンかオフか」しかないような挙動が、ライダーに常に緊張を強いるのです。

この原因の多くは、MT-09のエンジン特性と環境規制への対応によるものです。排出ガス規制に対応するため、減速時には燃料を完全にカット(フューエルカット)し、再加速時に噴射を再開する制御が行われています。MT-09の「CP3エンジン」はトルクが強大であるため、この燃料噴射が再開された瞬間のトルク変動が非常に大きく、それが車体を揺さぶるドンツキとして現れるのです。

特に最もパワーが出る「Aモード」ではこの傾向が顕著で、「スイッチのようにオンかオフかしかない」「公道では危なくて使えない」と感じるほど過敏な場合があります。ベテランライダーであっても、Uターンや極低速走行では神経をすり減らすことになりかねません。

ここがポイント

この挙動は決して不具合ではなく、「スーパーモタード」のようなキビキビとしたエキサイティングな走りを意図した、メーカーによる「味付け」でもあります。しかし、渋滞路やヘアピンカーブなどの繊細なスロットルワークが求められる日本の道路事情においては、この特性がライダーにとって大きなストレス要因となることも否定できない事実です。

すぐにできる対策:モード変更をためらわない

この問題に対する即効性のある解決策は、プライドを捨てて「Bモード(Gen3以降はMode 3/4)」を積極的に使うことです。Bモードはレスポンスが意図的に穏やかに設定されており、アクセル操作に対する反応がワンテンポ遅れるような感覚になります。

これにより、ドンツキの角が取れ、ギクシャク感が大幅に軽減されます。「せっかくのMT-09なのにBモードなんて…」と思うかもしれませんが、街乗りやツーリングではBモードの方が圧倒的にスムーズで速く走れることも多いのです。

マコト
マコト
「Bモード」や「Rainモード」を使うことは、決して恥ずかしいことではありません。むしろ、ベテランほどうまく状況に合わせてモードを使い分け、リスクを管理します。街乗りでの快適性は疲労軽減に直結し、結果として長く安全に走り続けるための「賢い選択」と言えます。

身長による足つきの不安と軽さの恩恵

MT-09のシート高は約825mm。この数値は、大型ネイキッドバイクとしては標準的か、やや高めの部類に入ります。さらに、純正サスペンションの設定が比較的硬め(初期沈み込みが少ない)であったり、シート幅が意外とあったりするため、数値以上に足つきが厳しいと感じるライダーが多いのが現実です。

私自身、身長170cm前後ですが、両足のかかとまでべったり接地させることはできません。信号待ちのたびに、お尻を少しずらして片足を着く「停車フォーム」をとる必要があります。

特に、路肩に傾斜がある場所や、砂利が浮いているような場所での停車には気を使います。これが「立ちゴケ」への恐怖心に繋がり、「気軽に乗れない」という心理的なハードルになっているケースも少なくありません。

しかし、ここで注目すべきはMT-09の「圧倒的な軽さ」です。装備重量で約189kg(Gen3)という数字は、教習車でおなじみのCB400SF(約200kg)よりも軽く、400ccクラス並み、あるいはそれ以上の軽さを誇ります。これは足つきの悪さを補って余りあるメリットです。

重いバイク(例えば220kgを超えるようなリッターマシン)の場合、足つきが悪くバランスを崩してグラッとくると、人間の筋力では支えきれずにそのまま倒してしまうことがあります。

しかし、MT-09はその軽さゆえに、仮に足がつま先立ち状態(バレリーナ状態)であっても、あるいは少しバランスを崩して「おっとっと」となっても、片足の筋力だけで十分にリカバリーできてしまうのです。

MT-09は45度傾いても軽いためリカバリー可能であることを示す図

「足つきが悪い=乗りにくい」と短絡的に考えがちですが、MT-09に限って言えば、この軽さが足つきのネガティブさを相殺してくれるんです。

重いバイクで足つきが悪いのは恐怖ですが、軽いバイクなら意外となんとかなるものですよ。また、取り回しの楽さは正義です。ガレージからの出し入れが億劫にならないというのは、バイクに乗り続ける上で非常に重要な要素になります。

長距離ツーリングで疲れるシート問題

MT-09オーナーの間で、もはや「通過儀礼」として語られるのがシートの問題です。純正シートはその形状から、一部では「三角木馬」と揶揄されることさえあります。これは決して大袈裟な表現ではなく、多くのライダーが納車直後からお尻の痛みに悩まされています。

この痛みの原因は、主に以下の3点に集約されます。

  • クッションの薄さ: スリムな車体デザインと足つき性を確保するため、特にシート前方部分のウレタンが非常に薄く設計されています。これにより、着座時に坐骨がベースプレートの硬さを直接拾ってしまい、短時間で痛みが生じます。
  • 前下がりの傾斜: シート座面がタンクに向かって前下がりに傾斜しています。走行中の微振動やブレーキングのたびに、ライダーの体が徐々に前方(クッションが一番薄い部分)へずり落ちてきてしまいます。結果、常に窮屈な姿勢を強いられ、股関節周りにも負担がかかります。
  • 表皮の滑りやすさ: 標準のシート表皮は比較的滑りやすく、加速時には体が後ろに置いていかれそうになり、減速時には前に滑るため、ニーグリップで体を固定し続ける必要があり、下半身の疲労を加速させます。

「長距離ツーリングは修行」と言われる所以はここにあります。1時間も走ればお尻が悲鳴を上げ、休憩のたびにストレッチをせずにはいられなくなる。これでは、せっかくのツーリングの楽しさも半減してしまいますよね。対策としては、意識的に着座位置を後ろに取る、滑り止めのパンツを履くといった工夫もありますが、根本的な解決にはやはりハードウェアの変更が必要になってきます。

ナイロンパンツなどで滑りやすい時は、タンクパッドがあるとニーグリップが楽になります。地味なパーツですが、余計な力が抜けて運転しやすくなりますよ。

雨の日は怖い?レインモードの活用法

「MT-09は雨の日が怖い」という話をよく耳にします。確かに、軽量な車体に100馬力オーバーのエンジンを積んでいるわけですから、濡れた路面でのラフなアクセル操作は禁物です。タイヤのグリップ力が低下している状況で、あの鋭いトルクが立ち上がれば、リアタイヤがいとも簡単に空転(スピン)してしまうリスクがあります。

また、路面温度が低い冬場の走り出しなども同様です。冷えたタイヤと濡れた路面、そこに過激なレスポンスが加われば、ライダーが恐怖を感じるのは当然のことでしょう。しかし、ここで恐れてガレージにしまい込んでしまう必要はありません。MT-09には、こうした状況を克服するための強力な武器である「電子制御システム」が搭載されているからです。

MT-09のBモードとトラクションコントロール活用によるドンツキ対策

具体的には、「Mode 4」や「Rain Mode」と呼ばれる出力特性モードへの切り替えです。これを選択すると、最高出力が大幅に抑制され、スロットルレスポンスも非常に穏やかになります。感覚としては、まるで400ccの教習車に乗っているかのような、優しくマイルドな反応に変化します。

さらに重要なのが、トラクションコントロールシステム(TCS)の活用です。TCSの介入度を最大(最も安全な設定)にしておけば、万が一リアタイヤが滑りそうになった瞬間、バイクがそれを検知して瞬時に出力をカットし、スリップを防いでくれます。現行モデル(Gen3以降)では6軸IMUによる高度な検知が行われるため、コーナーリング中のスリップでさえも制御してくれます。

雨の日や疲れている時、あるいは路面状況が読めない峠道などでは、迷わずこれらのモードを活用してください。「ハイパワーモードで乗らないと損」なんてことはありません。安全に、リラックスして家に帰ることこそが、最も賢いライダーの選択です。

劇的に乗りやすくするカスタムと調整

ここからは、「乗りにくさ」を物理的に解消するための具体的な方法をご紹介します。精神論や慣れでカバーするのも一つの手ですが、適切なパーツ交換やセッティングを行うことで、MT-09は驚くほど素直で扱いやすいマシンに生まれ変わります。「別のバイクになったみたいだ」と感動するオーナーも多い、効果絶大のアプローチです。

MT-09を乗りやすくするカスタム:サスペンション、コンフォートシート、ECU書き換え

サスペンション交換で跳ねない足回りへ

MT-09、特に初期型(Gen1)の純正サスペンションは、コストダウンの影響もあってか、スポーツライディングには少々物足りない設定になっています。よく言えば「しなやかで動きが良い」のですが、悪く言えば「コシがなく、落ち着きがない」のです。

具体的には、路面のギャップやマンホールを通過した際、スプリングの反発を抑える「減衰力(特に伸び側)」が不足しているため、車体がいつまでもフワフワ、ボヨンボヨンと揺れ続けてしまいます。また、加速時にはリアサスペンションが大きく沈み込みすぎるため、フロントタイヤの接地感が希薄になり、コーナー出口で外側に膨らんでいくアンダーステア傾向が出やすくなります。

これを劇的に改善するのが、リアショック(リアサスペンション)の交換です。定番の「Öhlins(オーリンズ)」や、ヤマハ純正オプションとして用意されている「KYBスペシャルサスペンション」などが推奨されます。これらに換装することで、以下のような変化が得られます。

サスペンション交換のメリット

  • 収束性の向上: 路面の段差を乗り越えた後の揺れが「トンッ」と一発で収まるようになり、接地感と安心感が段違いに増します。
  • トラクションの向上: 加速時にリアが過剰に沈み込むのを防ぎ、タイヤを路面に押し付ける力が適切に働くため、前に進む力が逃げません。
  • 乗り心地の改善: 高品質なダンパーは動き出しがスムーズなため、路面の細かい凹凸をきれいに吸収し、突き上げ感を軽減します。

オーリンズなどの社外サスペンションは決して安い買い物ではありませんが、その効果は体感しやすく、バイクライフの質を根本から向上させる投資価値があります。

まずはコストをかけない調整から

高価なパーツを買う前に、まずは純正サスペンションに付いている「プリロード調整機構」と「減衰力調整機構」を触ってみましょう。特にプリロード(バネの初期荷重)を自分の体重に合わせて調整し、乗車時の沈み込み量(サグ)を適正化するだけでも、ハンドリングの安定感は大きく変わります。取扱説明書を見ながら、標準設定に戻したり、少し硬めにしてみたりと試行錯誤するのも楽しみの一つです。

マコト
マコト
マフラー交換で「音」を変えるのもバイクの醍醐味ですが、MT-09に関しては、同じ予算をサスペンションやシートに投じて「走り」や「快適性」を変えるほうが、納車後の満足度は高い傾向にあります。まずは見た目よりも「乗り味」への投資を検討してみるのがおすすめです。

ECU書き換えでマイルドな特性にする

「ドンツキ」や「ギクシャク感」を根本から消し去り、エンジンのキャラクターそのものを乗りやすく変えてしまう最強の手段が、ECU(エンジンコントロールユニット)の書き換え、通称「ECUリフラッシュ」や「ECUチューニング」です。

これは、専門のショップに依頼して、ECU内のプログラムデータを書き換える作業です。メーカー純正の状態では、排出ガス規制や騒音規制に適合させるために、あえて燃料を薄くしたり、点火時期を遅らせたり、スロットル開度を制限したりしている部分があります。これを最適化することで、エンジンの本来の性能を引き出しつつ、扱いやすさを向上させることができます。

具体的には、以下のような調整が行われます。

  • フューエルカット解除: アクセルオフ時の燃料カット機能を無効化または緩和することで、再加速時のドンツキ(ショック)を解消します。
  • 電子スロットルマップの最適化: アクセル開度に対するバタフライバルブの動きを滑らかにし、リニアで扱いやすいレスポンスに変更します。
  • 冷却ファン作動温度の変更: 早めにファンを回すことで、夏場のエンジン熱ダレやライダーへの熱風被害を軽減します。

これを実施すると、まるでキャブレター車のように滑らかで、かつ力強いエンジンの繋がりを手に入れられます。「今まで悩んでいたのは何だったんだ」と驚くほど乗りやすくなるため、特に初期型オーナーにとってはマフラー交換以上に優先すべきカスタムと言えるでしょう。

コンフォートシートでお尻の痛みを軽減

先ほど触れた「お尻の痛み」に対する決定打となるのが、ヤマハの純正アクセサリーとして販売されている「コンフォートシート」への交換です。これは、その名の通り快適性を重視して設計されたシートで、ノーマルシートのネガティブな要素を徹底的に潰しています。

まず、ウレタン素材が変更されており、ノーマルよりも高密度でコシのある素材が採用されています。指で押しただけでもその違いがわかるほどで、長時間の走行でも底付きしにくく、衝撃吸収性が格段に向上しています。また、表皮にはスエード調(アルカンターラ調)の素材や、グリップの良い素材が使用されており、高級感が増すだけでなく、加減速時の体のズレを防止してくれます。

さらに特徴的なのが、座面に設けられた「ハンプ(段差)」です。この段差がストッパーの役割を果たし、加速時にお尻が後ろにズレるのを防ぐと同時に、着座位置を安定させる効果があります。これにより、無駄なニーグリップの力が抜け、下半身の疲労軽減にも繋がります。

導入コストは数万円かかりますが、ツーリング先での痛みから解放されることを考えれば、十分に元が取れるアイテムです。「これがないとツーリングに行けない」というオーナーも多い、必須級の装備と言えます。

純正シートの硬さに悩んでいるなら、やはりこれが一番の解決策候補です。決して安くはありませんが、レビューなどをチェックしてみると、多くのオーナーに選ばれている理由がわかると思います。

「いきなり数万円のシート交換はハードルが高い…」という場合は、後付けタイプを試してみるのもアリです。まずはここから始めてみるのが、お財布にも優しい選択かもしれません。

低速エンストの悩みはリコールを確認

もしあなたが2021年以降のモデル(Gen3)にお乗りで、あるいは中古での購入を検討されている方で、「発進時にエンストしやすい」「クラッチを切った瞬間に回転が落ちて止まる」という症状に悩まされているなら、それはあなたの運転技術のせいではない可能性が高いです。

実は、Gen3モデルの一部の車両において、エンジンコントロールユニット(ECU)のプログラム不具合により、スロットルバルブへの堆積物や吸気脈動の影響で、意図せずエンジンが停止(ストール)する現象が報告されています。これに関しては、ヤマハ発動機から正式にリコール(改善対策)が発表されています。

具体的には、ECUのプログラムを対策品に書き換えることで改善されます。この作業はディーラーにて無償で行われます。もし心当たりがある場合は、車台番号を確認し、リコール未実施であればすぐに販売店へ相談してください。この対策を行うだけで、低速域の粘り強さが改善し、発進時の安心感が戻ってきます。

(出典:ヤマハ発動機株式会社『リコール・改善対策・サービスキャンペーン検索』

購入を迷う人へ贈る後悔しない選び方

ここまでMT-09の「ネガティブな側面」とその対策について詳しく解説してきましたが、それでもまだ「本当に自分に扱えるだろうか?」と迷っている方もいるでしょう。ここでは、ライバル車との比較や、最新モデルの進化を踏まえて、あなたがこのバイクを選ぶべきかどうかを最終ジャッジするための材料を提供します。

大型バイク初心者でも扱えるか検証

「大型二輪免許を取ったばかりで、最初の1台にMT-09を選んでも大丈夫ですか?」という質問は、SNSや知恵袋で頻繁に見かけます。結論から言えば、「電子制御を適切に使えば、初心者でも全く問題ない」と断言できます。

確かにMT-09は、何の制御もなしにフルパワーで走らせれば、前輪が簡単に空を向くほどの猛獣です。しかし、現代のMT-09には、その猛獣を手懐けるための「檻(電子制御)」が備わっています。

納車直後の慣れないうちは、最も出力が抑えられたモード(Rain ModeやMode 4)を選択してください。この状態であれば、スロットルレスポンスは非常にマイルドになり、400ccクラスのバイクと変わらない感覚で運転できます。

そして、自分のスキルが向上し、バイクに慣れてきたら、Standardモード、Sportモードへと段階的にステップアップしていくことができます。つまり、MT-09は「初心者向けの優しいバイク」と「ベテラン向けの刺激的なバイク」の二面性を持ち合わせており、ライダーの成長に合わせて長く付き合っていける懐の深さがあるのです。最初から恐れる必要はありません。理性を持ってモードを選べば、これほど頼もしい相棒はいません。

安定のZ900と比較してわかる性格

MT-09の購入を検討する際、必ずと言っていいほど比較対象に挙がるのがKawasakiの「Z900」です。価格帯や排気量が近く、どちらも魅力的なストリートファイターですが、その性格はまるで正反対です。どちらが自分に合っているか、以下の表で整理してみましょう。

比較項目Yamaha MT-09Kawasaki Z900
エンジン形式直列3気筒 (CP3)直列4気筒
エンジン特性低中速トルク型、爆発的、非線形高回転型、スムーズ、線形
ハンドリングヒラヒラと軽快(少し不安定さも楽しむ)しっとりと安定感がある(接地感が強い)
重量軽い(約189kg)重厚(約212kg)
こんな人向け刺激が欲しい、バイクを積極的に操りたい快適にツーリングしたい、絶対的な安心感が欲しい

Z900は「洗練された優等生」です。直列4気筒エンジンはどこまでもスムーズに吹け上がり、振動も少なく、重量がある分だけ路面のギャップに対しても挙動が穏やかです。「何も考えずに乗っても速くて快適」なのは間違いなくZ900でしょう。

対してMT-09は「刺激的なエンターテイナー」です。アクセルを開けた瞬間に地面を蹴飛ばすような強烈なトルク感、軽さを活かしてパタパタと倒し込んでいくコーナーリング。常にライダーに「操作」を要求してきます。

もしあなたが「リラックスして景色を楽しみながら走りたい」ならZ900が良いでしょう。しかし、「バイクとの対話を楽しみたい」「アドレナリンが出るような刺激が欲しい」「退屈なバイクは嫌だ」なら、MT-09一択です。

電子制御が進化した新型の乗り味

MT-09に搭載された6軸IMUセンサーによる姿勢制御のイメージ図

ネット上で見かける「MT-09は危ない」「制御不能」といった情報の多くは、実は2014年〜2016年頃の初期型に関する感想であることが多いです。2021年にフルモデルチェンジしたGen3、そして2024年に登場したGen4では、バイクの頭脳とも言える電子制御システムが劇的に進化しています。

最大の特徴は、YZF-R1譲りの「6軸IMU(慣性計測装置)」の搭載です。これはバイクの「前後」「左右」「上下」の動きと回転をリアルタイムで検知するセンサーです。

これにより、単にタイヤの回転差を見るだけでなく、「今バイクがどれくらい傾いているか」「ウィリーしそうか」「横滑りしているか」を正確に判断し、人間の反応速度を超えた速さでエンジン出力を制御してくれます。

例えば、コーナーの立ち上がりでアクセルを開けすぎてリアが滑り出しても、IMUがそれを感知して瞬時にスライドを止めてくれます。フロントが上がりすぎれば、出力を絞って優しく着地させてくれます。

現行のMT-09は、過激なパワーを持ちながらも、それを裏で高度なAIが監視し、ライダーが致命的なミスをしないように守ってくれる「ハイテクマシン」に進化したのです。昔のイメージだけで「危ない」と決めつけるのは非常にもったいないことです。

マコト
マコト
最新の6軸IMUは確かに優秀ですが、魔法ではありません。タイヤのグリップ限界を超えれば、どんな制御があっても転倒します。「制御があるから無茶できる」ではなく、「制御があるから万が一の時もパニックにならずに済む」という、あくまで「保険」として捉えておくのが鉄則です。

MT-09オーナーのリアルな本音Q&A

最後に、実際にMT-09を検討している方からよく聞かれる「マニアックだけど重要な悩み」について、オーナー視点で正直にお答えします。

Q. 上級グレードの「SP」を選べば、足回りの不満は解消されますか?

A. はい、劇的に変わります。
Standardモデルで感じる「フワフワ感」や「落ち着きのなさ」は、SPに標準装備されているKYB製(DLCコーティング)フロントフォークと、オーリンズ製リアショックによってほぼ解消されます。初期作動がスムーズでありながら、奥でしっかり踏ん張ってくれるため、「タイヤが路面に張り付いている」感覚が得られます。予算が許すなら、後からサスペンションを交換するよりも最初からSPを選んだ方がコストパフォーマンスは高いです。

Q. 妻や恋人を後ろに乗せる(タンデム)のは厳しいですか?

A. 正直に言いますが、かなり厳しいです。
MT-09のタンデムシートは面積が小さく、位置も高いため、パッセンジャー(同乗者)は常に緊張を強いられます。さらにトルクが強いため、不用意に加速すると同乗者が後ろに振り落とされそうになります。グラブバー(持ち手)も標準では付いていません。「1時間程度の街乗り移動」なら耐えられますが、1日ツーリングに連れて行くと、二度と乗ってくれなくなる可能性が高いです。タンデムメインなら、トレーサー9GTなどを検討すべきです。

Q. ツーリングでの航続距離はどれくらいですか?

A. 給油ランプを気にしながら走る必要があります。
MT-09のタンク容量は14リットルと、このクラスにしては小さめです。燃費は乗り方によりますが、ツーリングで平均18〜20km/L程度。つまり、計算上の航続距離は250km強ですが、精神衛生上、200kmを超えたあたりでガソリンスタンドを探し始めることになります。山深いルートを走る際は、早め早めの給油計画が必須となり、これが地味にストレス(乗りにくさ)の一因になります。

MT-09が乗りにくいと感じる人への結論

最終的に、MT-09が乗りにくいと感じるかどうかは、あなたがバイクに「何を求めているか」という価値観次第です。このバイクは、ライダーに対して受動的な快適さを提供してくれる、至れり尽くせりの高級ツアラーではありません。能動的に操り、自分好みにセッティングを詰め、バイクと格闘し、対話することを求めるスポーツマシンです。

その「過敏さ」や「軽さ」は、見方を変えれば、丁寧なスロットルワークや荷重移動を学ぶための最高の教材になります。雑な操作には厳しく反応しますが、的確な操作には最高のエキサイトメントで応えてくれます。最初はギクシャクして疲れるかもしれません。しかし、それを乗り越えて、自分の手足のようにスムーズに走らせられるようになった時、あなたは他のどの「優等生バイク」よりも深い一体感と達成感を味わえるはずです。

最後に、この記事の重要ポイントを整理しておきます。

  • 「乗りにくさ」の正体は、軽量な車体とレスポンスの良いエンジンの「過敏さ」であり、欠陥ではない
  • 低速のドンツキや跳ねる挙動は、モード変更(Bモード推奨)やサスペンション調整で劇的に改善可能
  • 初期型に比べて現行型(Gen3以降)は6軸IMUなどの電子制御の進化により、安全性と扱いやすさが段違いに向上している
  • Z900のような安定・快適志向ではなく、刺激と「操る楽しさ」を求めるライダーに最適
  • 足つきは悪くても車体が圧倒的に軽いため、身長が低くてもリカバリーしやすく、立ちゴケリスクは意外と低い

MT-09の「乗りにくさ」は、言い換えれば「操る楽しさの裏返し」です。ネット上のネガティブな声に惑わされず、まずはディーラーで試乗してみてください。

その刺激的な加速と、驚くほどの軽さを体感すれば、きっと「あ、これなら自分にも扱えるかも」「この刺激、クセになるかも」というワクワク感に変わるはずです。さあ、あなたも「Dark Side of Japan」の世界へ踏み出してみませんか?

MT-09の乗りにくさは操る楽しさの裏返しであるという結論スライド

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