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VFR800Fが乗りにくい説を検証!重さとVTECの「味」を徹底解説

VFR800Fが乗りにくい説を検証!重さとVTECの「味」アイキャッチ画像

イメージ:motofrontier

こんにちは。バイクブログ「motofrontier」運営者の「マコト」です。

VFR800Fに興味を持って調べてみると、一部で「乗りにくい」といった評価を目にすることがあるかもしれませんね。V4エンジンという響きには憧れるものの、実際のところどうなんだろう、と不安になる気持ち、私もよく分かります。

特に、VTECが作動する瞬間の「ドンツキ」や「ギクシャク」した感じ、240kgを超える「重さ」ゆえの「取り回し」の難しさ、ハンドルの切れ角が狭くて「Uターン」が絶望的、なんて話を聞くと、本当に自分に扱えるのか心配になりますよね。

さらに「足つき」への不安や、独特のライディングポジションが合わなかったらどうしよう、結果的に「買って後悔」することにならないか…など、ネガティブな情報が気になる方も多いと思います。

この記事では、なぜVFR800Fが「乗りにくい」と言われるのか、その具体的な理由を深掘りしつつ、特に誤解されがちな初期型と最終型(RC79)の違い、そして「乗りにくさ」を解消するための対策について、詳しく解説していきます。

あなたは今、こんなことで悩んでいませんか?

  • VFR800Fの「ドンツキ」や「ギクシャク」が不安
  • 240kg超えの重さで、取り回しやUターンが難しそう
  • 足つきや前傾ポジションが自分に合うか心配
  • 買って後悔しないか、ベテラン向けの「癖」が気になる

もし一つでも当てBはまったなら、この記事があなたの疑問をすべて解決します。

VFR800Fが乗りにくいと言われる2大要因

VFR800F HONDA公式サイト画像
出典:HONDA公式

VFR800Fが「乗りにくい」と評される背景には、単なるイメージではなく、このモデル特有の構造や特性に起因する、いくつかの具体的な理由があるかなと思います。

特にネガティブな評価が目立つのは、「VTECのフィーリング」と「物理的な重さ」の2点に集約されることが多いですね。ここでは、多くのライダーが指摘するその具体的な理由を掘り下げていきます。

原因1:初期型VTECのドンツキ(ギクシャク感)

VFR800Fの代名詞であり、最大の個性ともいえるのが「HYPER VTEC」(可変バルブタイミング機構)です。これは、エンジンの回転数に応じて、1気筒あたりに作動するバルブの数を2つから4つに切り替えるホンダ独自の技術ですね。

低回転域では2バルブで動作し、燃費と中低速トルクを両立させ、高回転域に入ると4バルブに切り替わってV4エンジン本来のパワフルな走りを発揮する、という仕組みです。

問題は、この「2バルブ→4バルブ」に切り替わる瞬間の出力特性の変化です。特に初期型(RC46/2002年〜)では、この切り替わりが比較的はっきり(悪く言えば「唐突」)に感じられました。

リニアな加速を期待してスロットルを開けていくと、VTECの作動回転数(約6,000〜6,800回転あたり)を境に、急にトルクとパワーが立ち上がるような感覚があります。これが、いわゆる「ドンツキ」や「ギクシャク感」として体感されることがありました。

例えば、ワインディングでVTECの作動回転数付近を使いながらコーナリングしている最中に、意図せずバルブが切り替わると、車体の挙動がわずかに不安定になりがちです。これが「乗りにくい」という評価の一番大きな要因として、長く語り継がれているんですね。

原因2:243kgの車重がもたらす取り回しの難しさ

原因2:243kgの車重がもたらす取り回しの難しさ
イメージ:motofrontier

もう一つの大きな要因は、紛れもない物理的な「重さ」です。VFR800F(RC79)の車両重量は243kg もあり、これは同排気量のスポーツツアラーの中でも重い部類に入ります。

この重さが最もライダーにプレッシャーを与えるのが、走行時ではなく、バイクから降りた状態での「取り回し」です。

日常の押し引きでの負担

自宅のガレージからの出し入れや、ツーリング先のちょっとした傾斜地での駐輪など、マシンを腕力で支えなければならない場面では、この243kgという重さがズッシリとのしかかってきます。

特にVFRはV4エンジン搭載もあってか、重心がやや高く感じられることもあり、一度バランスを崩しかけると「おっとっと…」と冷や汗をかく場面も少なくありません。

立ちごけの恐怖と引き起こしの困難さ

万が一バランスを崩して立ちごけしてしまった場合、この車体を一人で引き起こすのはかなり困難です 。この「もしも」の時のリカバリーの難しさが、常にライダーに精神的なプレッシャーを与えます。

特に足つきに不安があるライダーにとっては、停止するたびに「気を使うバイク=乗りにくい」という感覚に直結してしまう側面は大きいと思います。

苦手な低速走行とUターンの困難さ

苦手な低速走行とUターンの困難さ
イメージ:motofrontier

「取り回しの重さ」に加えて、VFR800Fが決定的に「乗りにくい」と感じられるシチュエーションが、「極低速走行」です。

これには、先ほどの「重さ」に加えて、さらに2つの特性が複雑に絡んでいます。

V4エンジン特有の低速トルク特性

多くのオーナーレビューで指摘されているのが、「3000回転以下のトルクが薄く、エンストしやすい」という点です 。特に1速で3000回転以下を維持しながらノロノロ運転(例えば渋滞路 など)をしようとすると、ギクシャクしたり、最悪の場合は突然エンストしたりするリスクを伴います 。

スポーツバイクゆえのハンドルの切れ角

VFR800Fはスポーツツアラーであり、スーパースポーツ由来のセパレートハンドルを採用しています。このため、構造的にハンドルの切れ角が狭い という特性があります。

この「低速トルクの薄さ」と「ハンドルの切れ角の狭さ」、そして「243kgの車重」という3つの要素が組み合わさることで、Uターンや、細い山道での切り返しが非常に困難なものになっています 。これがVFR800Fの最大のウィークポイントであり、「乗りにくい」と言われるシチュエーションの代表格かもしれませんね。

前傾ポジションと足つきへの不安

前傾ポジションと足つきへの不安
イメージ:motofrontier

VFR800Fは、その名の通り「スポーツツアラー」というカテゴリです。そのため、アドベンチャーバイクのようなアップライトなポジションとは一線を画す、セパレートハンドルを採用しています 。

もちろん、スーパースポーツ(SS)ほど極端な前傾姿勢ではありませんが、ネイキッドやアドベンチャーモデルから乗り換えると、ある程度の前傾姿勢を要求されます。これが長距離ツーリングになると、人によっては手首や首、背中への負担となり、「(快適に)乗りにくい」と感じる要因になることもあります。

さらに重要なのが「足つき」の問題です。標準状態でシート高は2段階に調整可能 (809mm/789mm)ですが、それでも車重が243kgあるため、停止時に両足がベッタリ着かないと不安を感じるライダーは少なくありません。

この「足つきへの不安」が、先ほど解説した「取り回しの重さ」や「低速時の不安定感」と組み合わさることで、ライダーの不安感を何倍にも増大させ、結果として「乗りにくい」という強い印象を形作っていると考えられます。

事実:最終型(RC79)は「乗りにくい」のか?

ここまで「乗りにくい」と言われる理由を詳しく見てきましたが、実はその評価やイメージの多くは、「初期型(RC46)」の印象が強く残っているからかもしれません。2014年に登場した「最終型(RC79)」では、そうしたネガティブな部分がどう変わったのか、その真価を詳しく見ていきましょう。

最終型で改善されたVTECの制御

私が、VFR800Fを語る上で一番強調したいのが、この点です。初期型(RC46)でネガティブに指摘されたVTEC作動時の「ドンツキ」や「ギクシャク感」は、最終型(RC79 / 2014年〜)では、進化した電子制御燃料噴射装置(PGM-FI) などにより、劇的に改善されています。

2バルブから4バルブへの切り替わりは非常にスムーズかつリニアになり、ライダーが不快に感じるような急激なトルク変動(ショック)はほとんど感じられなくなりました。

もちろん、切り替わった瞬間は分かりますが、それが「ドン!」と来るのではなく、「フワッ」とパワーが乗ってくるような、とても洗練されたフィーリングになっています。

その結果、VTECが作動した瞬間の「カァーン!」と切り替わるレーシーなエンジン音の変化 と、そこからもう一段伸びる加速感 が、ネガティブな「癖」ではなく、ポジティブな「快感」としてしっかりと感じられるようになりました。

まさに「乗りにくい癖」が「官能的な味付け」へと昇華したのが、この最終型VTECの最大の進化点だと私は思います。

重さが生む高速巡航の安定性

重さが生む高速巡航の安定性
イメージ:motofrontier

あれほど低速走行や取り回しではネガティブだった「243kgの重さ」ですが、VFR800Fが得意とするステージ、つまり高速道路やワインディングに持ち込むと、これ以上ない「強力な武器」に変わります。

矢のような直進安定性(オンザレール感)

ひとたび速度が乗れば、この重さが車体を路面にビタッと押し付け、矢のような直進安定性を生み出します 。特に高速道路での巡航は、横風にも強く、まるで路面というレールの上を滑っているかのような「オンザレール感」 があり、ライダーは余計な緊張を強いられません。これが長距離を走っても疲労感が少ない大きな理由ですね。

速度域の高いワインディングでの安心感

この「重さを活かした安定性」は、速度域の高いワインディングでも真価を発揮します。サスペンションがしっかりと仕事をし、少々荒れた路面 やギャップを通過しても、車体が暴れることなくピターッと路面を掴み続ける安心感があります 。

これは、軽量バイクのヒラヒラとした軽快感とは対極にある、VFR800Fならではの「重厚なスポーツ性」 と言えるでしょう。

V4エンジン特有の「力強さ」と鼓動感

V4エンジン特有の「力強さ」と鼓動感
イメージ:motofrontier

そして何より、VFR800Fの心臓部であるV4エンジン です。残念ながら国産車では最後のV4スポーツツアラーとなってしまいましたが 、そのフィーリングは本当に唯一無二です。

一般的な直列4気筒エンジンが「キーン」とか「シャープに吹け上がる」とすれば、VFRのV4は「ドロドロ」という独特の排気音と共に、「分厚いトルクで押し出す」感覚です。

レビューでも「低速からフラットな立ち上がり」 や「もりもりと加速する力強さ」 と表現されています。決して過激なパワーではありませんが、どの回転域からでもスロットルを開ければ応えてくれる信頼感があります。

アイドリング時から聞こえる独特の鼓動感、そしてVTECが作動した時のレーシーなサウンド への変化。この「プレミアムな体験」 こそが、多少の乗りにくさを補って余りある、VFR800F最大の魅力だと断言できます。

「乗りにくさ」を解消する具体的な対策

とはいえ、最終型(RC79)でVTECのフィーリングが劇的に改善されたとしても、「重さ」や「足つき」「ポジション」といった物理的な問題は残りますよね。でも、安心してください。そうした「乗りにくさ」の要因を緩和・解消するための、定番の対策(カスタムとテクニック)が存在します。

対策1:ローダウンで足つきを改善

ローダウンで足つきを改善
イメージ:motofrontier

低速時の不安定感や立ちごけの不安に直結する「足つき」の問題は、やはりローダウンによって解消するのが最も効果的かもしれません。

専門ショップなどでは、VFR800Fの純正サスペンションの良さを活かしつつ、比較的リーズナブルにシート高を下げるローダウンキットやプラン が提供されているようです。情報によれば、どれくらい下げるかによって、その効果とハンドリングへの影響が異なるみたいですね 。

ローダウンの目安と効果

  • 10mm〜20mmダウン: 足つきが「多少楽に」なります。ハンドリングのバランスを崩さず、むしろスポーツ性能が向上する可能性もあるとされています。
  • 30mmダウン: 足つきは「大幅に良く」なります。ただし、車体姿勢のバランスを取るため、フロントフォークの突き出し調整や、停車時の傾きを適正化するサイドスタンドの加工(ショート化)が必須になる場合があります。

単なる足つき対策ではない「スポーツローダウン」

ここで面白いのは、VFR800Fのローダウンは、単なる足つき対策(ネガティブの解消)に留まらない可能性がある、という点です。

専門家の見解によれば、VFR800Fの純正姿勢は、実はやや「前下がり(フロント荷重が強い)」で「リアの車高がやや高め」 な傾向にあるようです。これが一部のライダーにとっては、加速時にリア荷重を感じにくい「悪癖」 と感じられることもあるとか。

したがって、ローダウン(特にリアを適度に下げること)は、この「前下がり」姿勢を補正し、マシンをより「ニュートラルなハンドリングに寄与」させる効果 が期待できます。結果として、「旋回性が大幅にアップ」 する好循環が生まれるとされており、足つきに不安がないライダーであっても、ハンドリング改善を目的としてローダウンを検討する価値があるかもしれませんね。

ローダウンは車体のディメンション(寸法)を変える重要なカスタムです。費用や作業内容もショップによって異なるため、導入を検討する場合は、必ずVFR800Fの施工実績が豊富な専門ショップに相談することをおすすめします。

対策2:ハンドルアップスペーサーでポジションを楽に

「VFR800Fに乗りたいけど、前傾ポジションがどうしてもキツい…」と感じる場合は、ハンドルアップスペーサーの導入が有効な対策になります。

例えば、HURRICANE(ハリケーン)といったサードパーティメーカーからは、ハンドル位置を15mmアップさせるスペーサーが販売されています 。また、ホンダ純正のオプション としても、ハンドル位置を上げるためのスペーサーが用意されていたようです。

実際のオーナーレビューによれば、「なんとなくポジションが楽になった気がする」 とのことで、劇的にポジションが変わるわけではないものの、長距離ツーリングでの手首や首への負担軽減には、一定の効果が期待できそうですね。

取り付け自体は、セパレートハンドルの根元のボルトを緩めてスペーサーを挿入するだけなので、比較的簡単とされています 。ただし、一部のレビューでは「右側のケーブルやホース類がギリギリの長さ」 との指摘もあるため、もしDIYで作業される場合は、ケーブル類を無理に引っ張って傷つけないよう、慎重に行うか、ショップに依頼するのが安心かもしれません。

対策3:低速ギクシャクを抑える乗り方のコツ

カスタム(ハードウェア)による対策と並行して、ライダーの「乗り方」(ソフトウェア)によって弱点をカバーするのも非常に重要です。特にVFR800Fが苦手とする「低速走行」や「Uターン」には、明確なコツがあります。

最大のポイントは、「アイドリングや低い回転数(3000回転以下)で粘ろうとしないこと」 です。

VFR800Fの低速コントロール術

① リアブレーキと半クラッチの活用

VFR800Fが最も苦手とする渋滞路やUターン時こそ、ギクシャクする回転域を使わないことが鉄則です。

  • スロットルはアイドリング状態にせず、あえて少し開けてエンジン回転数をトルクが安定する3000回転以上に保ちます。
  • 速度が上がりすぎる分は、リアブレーキを引きずって速度を調整します。
  • 動力の接続・切断は、半クラッチを断続的に使用して行います。

この「スロットルON+リアブレーキON+半クラッチ」の状態を維持することで、エンジンストールの不安がなくなり、駆動力が途切れないため車体は驚くほど安定します。これはVFRに限らず、大排気量スポーツバイク全般に応用できる、低速コントロールの基本技術ですね。

② Uターン時の視線とニーグリップ

重くて切れ角のないバイクでUターンする際は、恐怖心からつい足元や内側を見てしまいがちですが、それが即転倒に繋がります。

  • 車体だけを傾け、ライダーは上体を起こす「リーンアウト」の姿勢をとります。
  • 視線は常に行きたい方向(Uターンの出口)に固定します。絶対に下を見ないでください。
  • 外側の膝でタンクを強くホールド(ニーグリップ)し、車体とライダーを一体化させます。

上記①のテクニックと組み合わせることで、成功率は格段に上がりますが、それでもVFR800Fが構造的にUターンを苦手 としている事実は変わりません。無理をせず、バイクから降りて安全に方向転換する判断力も、このバイクを乗りこなす上での重要なテクニックと言えます。

代替案:VFR800Xという選択肢

VFR800Xという選択肢
イメージ:motofrontier

「V4エンジンの鼓動感やVTECのフィーリングには強く惹かれる。でも、どうしてもF(VFR800F)のスポーツポジションや低速での気遣いが、自分の使い方には合わないかもしれない…」

もしそう感じるなら、ホンダは素晴らしい代替案を用意してくれています。それが、兄弟車であるアドベンチャースタイルの「VFR800X」です 。

VFR800Xは、心臓部であるV4エンジンやVTECといった基本特性はVFR800Fと共有しながら 、ワイドなアップライトハンドルと、よりストロークのあるサスペンションを備えたアドベンチャースタイルの車体構成により、「グッと楽ができる」 モデルに仕上げられています。

長距離ツーリングでの快適性や、日常のシーン(渋滞やUターンなど)での扱いやすさをより重視するならば、VFR800Xも同時に比較検討してみることを強くおすすめします 。

結論:VFR800Fは「味」を楽しむバイク

ここまでVFR800Fのネガティブな面とポジティブな面を、オーナーの視点も交えて詳しく見てきました。最終的に、このバイクは「乗りにくい」のか、それとも「楽しい」のか、私なりの結論をまとめたいと思います。

「買って後悔」する人、しない人の違い

VFR800Fで「買って後悔」するとしたら、それはおそらく、ライダーが「バイクに求めるもの」と、VFR800Fという「バイクの特性」が、根本的にミスマッチだった場合かなと思います。

後悔する可能性がある人

  • 主な用途が街乗り、渋滞路、狭い道の走行である
  • 軽量バイクのようなヒラヒラとした軽快さや、扱いやすさを最優先する
  • バイクの癖(VTECの二面性や重さ)を「欠点」としてネガティブに捉えてしまう
  • これが初めての大型バイクである(初心者)

満足度が高い可能性のある人

  • ロングツーリングや高速巡航がメインである
  • V4エンジンの独特の鼓動感やVTECの加速フィールが大好きである
  • バイクの「癖」や「乗りにくさ」を、乗りこなす「味」や「乗りごたえ」として楽しめる
  • 色々なバイクを乗り継いできたベテランライダーである

ベテランライダーが評価する「乗りごたえ」

VFR800Fは、決して誰にでも優しい「優等生」バイクではないかもしれません。だからこそ、多くのバイクを乗り継いできたベテランライダーからは「癖や乗りにくさを味と捉えて、不人気車と言うことを理解したうえで乗るならいい」 といった、本質を突いた評価が聞かれます。

確かに「不人気」とまで言われてしまう背景には、ここで解説してきたような明確な「癖」があるからだと思います。(この点については、VFR800Fが不人気と言われる理由を考察した記事でも詳しく触れていますので、よろしければご覧ください。)

簡単に、楽に、誰でも速く走れるバイクが増えた現代において、VFR800Fはあえて「重さ」を「安定性」に変え、VTECという「二面性」をスパイスとしてライダーに提供してくれます。

ライダーがバイクの特性を深く理解し、弱点を技術でカバーし、長所を積極的に引き出すことで初めて応えてくれる。その「乗りごたえ」こそが、このバイクの最大の魅力なんですね。

維持の懸念:生産終了と部品供給

最後に、これは購入を検討する上で非常に重要な現実問題です。それは、ライディングの「乗りにくさ」(Hard to Ride)とは別に、将来的な「所有・維持の困難さ」(Hard to Maintain / Hard to Own)という問題です。

ご存知の通り、VFR800Fは国内外の排出ガス規制の強化などを受け、残念ながら2022年10月をもって生産終了となりました(参照:ホンダ公式サイト「VFR800F」)。

すでに生産終了から日が浅いにもかかわらず、一部のオーナーレビューでは「オークションでも部品の流通がそんなにない」 と指摘されており、「近い将来も確実に維持がしにくいバイクになる」 と懸念されています。10年後には部品の入手が非常に困難になる可能性もゼロではありません 。

V4特有のメンテナンス性

加えて、V4エンジンは直列4気筒と比べて構造が複雑で、メンテナンス性が悪い箇所があることも知られています。例えば、オーナー間では「オイルフィルターがカウルの奥まった非常に交換しにくい位置にある」 ことが有名で、ショップからも敬遠されがちな整備項目である、との指摘もあります。

この「部品確保の将来的な不安」と「V4特有の整備の難しさ」を受け入れる覚悟も、これからVFR800Fのオーナーになる上では必要になってくるでしょう。

VFR800Fの「乗りにくさ」に関するQ&A

最後に、VFR800Fの「乗りにくさ」に関して、多くの方が疑問に思う点をQ&A形式でまとめました。

Q.初期型(RC46)と最終型(RC79)の「乗りにくさ」は具体的にどう違いますか?

A.最も大きな違いは「VTECの制御」です。
初期型(RC46)はVTECが作動する瞬間のパワーの立ち上がりが比較的はっきりしており、これが「ドンツキ」や「ギクシャク感」として感じられ、「乗りにくい」と言われる最大の要因でした。
一方、最終型(RC79)では電子制御燃料噴射(PGM-FI)などが大幅に進化し、この切り替わりが非常にスムーズかつリニアになりました。不快なショックはなくなり、むしろVTEC作動時の音とパワーの変化が「快感」として感じられるように洗練されています。
ただし、243kgという車重 や、それに伴う「取り回しの重さ」「Uターンの難しさ」 といった物理的な扱いにくさは、最終型でも共通しています。

Q.街乗りメインで使いたいのですが、やはり「乗りにくい」でしょうか?

A.正直なところ、VFR800Fは街乗りメインのバイクとしてはあまり向いていないかもしれません。その真価は高速巡航やワインディングで発揮されます 。
「乗りにくい」と感じる要因は街乗りに集中しています。

  • 車重があるため、頻繁なストップ&ゴーは気を使います 。
  • エンジン特性として3000回転以下が苦手で、渋滞時のノロノロ運転ではギクシャクしやすく、エンストにも気を使う必要があります 。
  • ハンドルの切れ角が狭いため、市街地でのUターンや狭い場所での取り回しは非常に困難です 。

これらのネガティブな要素が、街乗りでは常につきまとう可能性があるためです。

Q.足つきが不安です。ローダウン以外に対策はありますか?

A.まず試していただきたいのが、標準のシート高調整機能です。
VFR800F(RC79)は、工具を使わずにシート高を2段階(ハイポジション809mm / ローポジション789mm)に調整できる機能が標準で備わっています。まずは低い方の789mmに設定して、足つきが改善されるか確認してみてください。
それでも不安が残る場合は、専門ショップが提供しているローダウンキット を導入するのが最も効果的です。ハンドリングへの影響 なども考慮する必要があるため、施工実績の豊富なショップに相談してみることをおすすめします。

Q.生産終了していますが、今から買っても大丈夫でしょうか? 部品が心配です。

A.それは非常に重要な懸念点であり、ライディングの「乗りにくさ」以上に、将来的な「維持の困難さ」 として認識しておくべき問題です。
VFR800Fは2022年10月をもって生産終了となりました。オーナーレビューの中には、すでに生産終了から日が浅いにもかかわらず、「オークションでも部品の流通がそんなにない」 と、部品供給への不安を指摘する声が上がっています。
また、V4エンジンは構造が複雑 な面もあり、一般的な直列4気筒エンジンに比べてメンテナンス(例えばオイルフィルター交換 など)に手間やコストがかかる可能性も考慮する必要があります。
購入を検討される際は、この「将来的な部品確保のリスク」と「V4特有のメンテナンス性」を受け入れられるかを、ご自身のバイクライフと照らし合わせて判断することが大切です。

VFR800Fは乗りにくいのではなく「操る楽しさ」がある

VFR800Fが「乗りにくい」と言われる点について、結論をまとめますね。

  • 「乗りにくさ」は主に初期型VTECのドンツキと車重(低速時)に起因する
  • 最終型(RC79)ではVTEC制御が改善され非常にマイルドになっている
  • 重さは高速安定性という長所の裏返しである
  • ローダウンやスペーサー、乗り方の工夫といった対策も存在する
  • V4の鼓動感とVTECの加速は唯一無二の「味」である

「VFR800F 乗り にくい」という不安は、特に低速域や取り回しでの扱いにくさから来ていることが多いですね。ですが、それはこのバイクが持つ「重厚なスポーツ性」と、国産車最後となった「V4エンジンという個性」の裏返しでもあります。

もしあなたが、ただ楽なだけのバイクではなく、機械と対話し、その癖を理解し、積極的に操る「乗りごたえ」を求めているなら、VFR800Fは最高の相棒になるかもしれません。生産が終了してしまった今、程度の良い中古車は貴重です。ぜひ一度、最終型(RC79)に試乗して、この唯一無二の「味」を確かめてみてください。

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