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VFR800Fが不人気という噂は本当?値上がりが示す本当の理由【欠点と魅力を徹底解説】

美しい山道を背景に停まるホンダVFR800F(RC79型)の赤い車体。その堂々たる姿は「不人気」という言葉を覆すような魅力を持つ。

イメージ:motofrontier

ホンダのVFR800Fが不人気だという噂を聞き、実際の評価が気になっていませんか?

確かに、独特のVTEC機構が乗り にくいという意見や、V4エンジンゆえの熱対策の必要性、スペック上の車重やシート高に関する不安の声も存在します。これらはVFR800Fの購入を検討する上で無視できない、いわゆる「欠点」として語られがちです。

しかし、VFR800Fは本来、スポーツツアラーとして卓越したロングツーリング性能を持ち、カスタムパーツも豊富な奥深い魅力を持ったバイクです。その証拠に、生産終了後であるにもかかわらず、中古車市場では価格が値上がりするという現象まで起きています。

この記事では、VFR800Fが不人気とされる理由を一つひとつ深掘りしつつ、それがどのような走行シーンでは長所に変わるのか、そして購入後に後悔しないための真の価値とスペックを徹底的に解説します。

あなたは今、こんなことで悩んでいませんか?

  • VFR800Fが「不人気」と言われる具体的な理由を知りたい
  • VTECが「乗りにくい」と聞いて購入をためらっている
  • 重さやエンジンの熱、シート高(足つき)が不安で後悔したくない
  • 生産終了後に値上がりしている理由と、本当の評価が知りたい

もし一つでも当てはまったなら、この記事があなたの疑問をすべて解決します。

VFR800Fが不人気と言われる理由とは?

VFR800F HONDA公式サイト画像
出典:HONDA公式

VFR800Fが「不人気」とされる背景には、いくつかの非常に特徴的な理由が存在します。これらは他のバイクにはないVFR800Fならではの個性であり、オーナーや購入検討者から賛否両論が巻き起こるポイントです。具体的に、よく聞かれる3つのポイント(VTEC、熱、重さ)と、それに伴う足つき性について詳しく見ていきましょう。

乗り にくい? HYPER VTECの特性

VTEC作動ポイントである6,500rpm付近を示すホンダVFR800F(RC79型)のアナログタコメーターのクローズアップ。
イメージ:motofrontier

VFR800Fが乗りにくい、あるいは「クセが強い」と言われる最大の要因は、ホンダ独自のエンジン機構「HYPER VTEC」の存在にあります。

この機構は、エンジンの回転数に応じて作動するバルブの数を切り替えるシステムです。具体的には、低中回転域(2014年モデル以降のRC79では約6,500rpm以下)では、1気筒あたり4つあるバルブのうち2つだけを動かし、燃費の向上と低速トルクの確保を図ります。

そして、アクセルが大きく開けられ、回転数が一定(約6,500rpm)を超えると、残りの2バルブも作動を開始し、4バルブエンジンとしてフルパワーを発揮します。

この切り替わりの瞬間、排気音は「ヴォー」というV4特有の唸りから「カーン!」という甲高いレーシーなサウンドに劇的に変化し、パワーが一段階上乗せされます。

この2バルブから4バルブへ切り替わる瞬間の急激なパワーと音の変化こそが、VFR800Fの最大の魅力であり、同時に「乗りにくさ」の原因ともなっています。

特にこの挙動が顕著だったのは2002年の初期モデル(RC46)で、「ドンツキ(急なパワーの出方)」が大きく、ワインディングの最中などに意図せずVTECが作動すると、車体が不安定になりがちでした。

2014年以降の最終モデル(RC79)では、この切り替わりが電子制御によってかなりマイルドに改善され、実用域でのトルクも向上しました。しかし、機構的な特性として「VTECの谷間」と呼ばれる、切り替わり前後のわずかなトルクの落ち込みは存在します。

この特性が、常にスムーズな加速を求めるライダーからは「クセが強い」「乗りにくい」と敬遠される要因となったのです。

VTECの「谷間」に注意

VTECの切り替わり回転数(約6,500rpm)前後を多用すると、ギクシャクした走りになりがちです。特にコーナリングの立ち上がりや、市街地でのUターンの際に意図せずVTECが作動すると、車体が不安定に感じる可能性があります。乗りこなすには、この「味」を理解し、回転数を意識的にコントロールする技術が求められます。

V4エンジン特有の熱問題と熱対策

VFR800FのV4エンジン構造図、またはヒートガード付きライディングパンツを着用してバイクに跨るライダー。エンジンの熱対策を視覚的に表現。
イメージ:motofrontier

VFR800Fが搭載するV型4気筒エンジンは、その構造上、ライダーが熱を感じやすいという宿命を持っています。

一般的な並列4気筒エンジンが横一列にシリンダーを並べるのに対し、V4エンジンはシリンダーを前後(多くはV字型)に配置します。VFR800Fの場合、ライダーのシート直下や内股に近い位置に、後方の2気筒(リアバンク)が配置されています。

このため、エンジンの熱、特にリアバンクの熱がダイレクトにライダーの下半身に伝わりやすいのです。走行中はラジエーターファンが回り、カウル内部に熱気がこもりがちで、その熱気がサイドのカウル排出口からライダーの足元に放出されます。

特に渋滞の多い市街地や夏場のノロノロ運転では、内股や太ももが低温やけどの危険にさらされるほどの熱さを感じるという報告が多数あります。ジーンズなど薄手のパンツでは、熱くて耐えられないと感じるオーナーも少なくありません。

このため、多くのオーナーは、断熱性に優れた革パンツや、内側にヒートガード(当て布)が付いたライディングデニムを着用するなどの熱対策を講じています。冬場は逆に「天然の股ヒーター」として重宝されることもありますが、夏場の快適性は他の車種に比べて低いと言わざるを得ません。

マコト
マコト
VFR800Fの熱問題は深刻に語られがちですが、これは高性能V4エンジンの証でもあります。最新のアドベンチャーバイクなどと比較すると確かに熱いですが、適切なウェア(革パンツや専用デニム)で十分対策可能です。また、一部のオーナーはカウル内部に断熱材を貼るなどの工夫もされています。

欠点とされる重さと取り回し

VFR800Fの車両重量は、その「不人気」イメージを補強する大きな一因となっています。

最終モデル(RC79)のスペック上の車両重量は243kgあります。これは、例えばライバルと目されるカワサキのNinja 1000SX(235kg)など、同クラスの現代的なスポーツツアラーと比較しても、やや重たい部類に入ります。

この重さは、特に発進停止の多い市街地走行や、傾斜のある駐車スペースでの押し引き(取り回し)の際に大きな負担となります。さらにV4エンジンは、その構造上、並列エンジンよりも重心が高くなりがちな傾向があります。

VFR800Fも例外ではなく、この243kgの重量と高めの重心が相まって、一度バランスを崩すと支えきれずに立ちごけするリスクが高まります。特にバイク初心者や小柄なライダーにとっては、この「重さ」が購入をためらう最大のハードルになることが多いです。

ただし、この重さはネガティブな側面だけではありません。一度走り出してしまえば、この重量が圧倒的な直進安定性路面に吸い付くような接地感を生み出します。

特に高速道路での横風に対する強さや、長距離巡航時の疲労度の低さは、この重さの恩恵です。走ってしまえば重さを感じさせない、むしろ重さが快適性に貢献するのがVFRの特徴であり、あくまで「止まっている時」の欠点と言えます。

不安になるシート高と足つき性

身長170cmの男性ライダーがVFR800Fに跨り、両足の踵がわずかに浮いている足つきの様子。シート幅の広さを強調。
イメージ:motofrontier

前述の「重さ」と「重心高」に加えて、シート高とシート幅も足つき性に不安を感じさせる要因です。

VFR800Fのシート高は、標準で809mm、シートの取り付け位置を変更することでローポジション(789mm)に調整可能です。数字だけ見れば、ローポジションの789mmはアドベンチャーバイクなどに比べると決して高くはありません。

しかし、問題はシートの幅にあります。VFR800Fのシートはライダー側も比較的幅広に設計されており、さらにV4エンジンの幅もあって、足をまっすぐ真下に下ろしにくくなっています。

そのため、身長170cmのライダーがローポジションに設定しても、両足のカカトが浮いてしまうケースが多いです。243kgという車重と高めの重心が相まって、信号待ちなどで不安定な路面(傾斜や凹凸)に足を着く際に、車体を支えきれるか不安を感じるライダーは少なくありません。

足つき改善のカスタム

VFR800Fには、純正のローシート(789mm)以外にも、社外品のローダウンキット(リアサスペンションのリンクを変更して車高を下げるパーツ)が販売されています。また、シート加工専門店でシート内部のウレタンを削る「アンコ抜き」を行うのも定番のカスタムです。これにより、足つき性は格段に向上させることが可能です。

VFR800Fの真価:基本スペックと長所

ここまで「不人気」とされる理由、つまりVFR800Fの「クセ」の部分を解説しました。しかし、VFR800Fにはそれを補って余りある魅力と、ホンダの技術が惜しみなく投入された優れたスペックがあります。このバイクの真価を見ていきましょう。

V4エンジンがもたらす独自のスペック

VFR800F(RC79型)の特徴である片持ちスイングアーム(プロアーム)の精巧なメカニズムを捉えたクローズアップ写真。
イメージ:motofrontier

VFR800Fの核心は、やはりV型4気筒エンジンがもたらす独特のフィーリングと高性能にあります。

V4エンジンは、2気筒エンジンのような「鼓動感」と、4気筒エンジンのような「スムーズな回転フィール」を併せ持つと表現されます。VFR800Fも例外ではなく、不等間隔爆発による「ドロドロ」「ゴロゴロ」といった、まるで猫が喉を鳴らすような独特の排気音とバイブレーションを低回転域で楽しめます。

そして、VTECが作動する高回転域では、800ccとは思えないレーシーな加速感と、突き抜けるような官能的なV4サウンドを楽しめます。最終モデル(RC79)のスペックは、最高出力79kW(107PS)を10,250rpmで発揮します。

また、ホンダのV4エンジンの歴史は、伝説的なホモロゲーションモデル「VFR750R(RC30)」や「RVF(RC45)」など、レースシーンでの栄光と共にあるため、「ホンダの特別なV4に乗っている」という所有感は、他のバイクでは味わえない大きな魅力となります。(参考:本田技研工業株式会社「VFR750R(RC30)」)

VFR800F (RC79 / 2017年モデル) 主要スペック

以下は、日本国内で最終的に販売された2017年モデルの主要スペックです。

項目スペック
エンジン水冷4ストロークDOHC4バルブV型4気筒
総排気量781cc
最高出力79kW (107PS) / 10,250rpm
最大トルク77N・m (7.9kgf・m) / 8,500rpm
車両重量243kg
燃料タンク容量21L
シート高809mm / 789mm (調整可能)
フレーム形式ダイヤモンド(アルミツインチューブ)
トランスミッション常時噛合式6段リターン

(出典:本田技研工業株式会社 広報発表 2017年1月)

購入後に後悔しないためのポイント

VFR800Fの購入で後悔しないためには、このバイクの「得意なステージ」と「苦手なステージ」を正確に理解することが何よりも重要です。

前述の通り、VFR800Fは市街地走行や短距離の移動において、その弱点(重さ・熱・VTECのギクシャク感)が目立ちやすいバイクです。

もし、あなたのバイクの使用目的が「近所の買い物」や「片道30分程度の通勤・通学」がメインである場合、VFR800Fの欠点ばかりが目につき、「こんなはずじゃなかった」と後悔する可能性が高いです。

このバイクは、高速道路を使った長距離移動や、郊外のワインディングロードをゆったりと、しかし時にはスポーティーに楽しむために設計された「スポーツツアラー」です。

購入を検討する際は、必ず試乗を行い、以下の点をチェックすることをおすすめします。

  • VTECが切り替わる6,500rpm前後のフィーリングは許容できるか
  • 低速(時速30km以下)でのUターンや交差点での右左折で、重さやハンドリングに不安はないか
  • 停止・発進を繰り返した際の熱は耐えられるか

これらの「クセ」を許容できる、あるいは「面白い」と感じられたならば、VFR800Fはあなたにとって最高の相棒となるでしょう。

もし、あなたが街乗りメインでの利用や、より軽快な走り、維持費の経済性を重視するのであれば、VFR800Fとはキャラクターが異なるホンダの直列4気筒スポーツCBR650Rの燃費や維持費もあわせてチェックしてみると良いでしょう。

ロングツーリングで輝くスポーツツアラー

VFR800Fのネガティブな側面(重さ、熱、クセ)は、その主な用途である「ロングツーリング」においては、逆に大きなメリットや許容できる要素に変わります。スポーツツアラーとしてのVFR800Fの圧倒的な強みを紹介します。

快適なロングツーリング性能

VFR800F(RC79型)のハンドル周りとメーターパネル。5段階調整式グリップヒータースイッチや情報豊富な表示が確認できる。
イメージ:motofrontier

VFR800Fは、日本国内の道路事情において「最強のスポーツツアラー」の一台と断言できます。

まず、欠点とされた243kgという車重は、高速道路での巡航において、横風にも動じない圧倒的な直進安定性を生み出します。軽いバイクのように車体があおられて不安になることが少なく、長距離を走るほどその疲労度の差は歴然です。

次に、21Lという大容量燃料タンクは、VFR800Fの良好な燃費(WMTCモード値で19.2km/L、高速巡航では20km/L以上)と相まって、無給油での航続距離400km以上を容易に実現します。給油の回数が減ることは、ツーリングのリズムを崩さず、快適性に直結します。

さらに、VFR800Fにはツーリングを快適にするための豪華な装備が標準で搭載されています。

VFR800Fの豪華な標準ツーリング装備

  • 5段階調整式グリップヒーター:冬場や高地での走行に絶大な効果を発揮します。
  • ETC車載器:2017年モデル以降はETC2.0が標準装備。渋滞回避支援や災害情報など、より高度な情報を利用可能です。(出典:国土交通省)
  • ABS:急ブレーキ時や雨天時のタイヤロックを防ぐアンチロック・ブレーキ・システム。
  • TCS(トラクション・コントロール・システム):後輪のスリップを検知すると燃料噴射を制御し、駆動力を最適化。雨天や荒れた路面での安心感を高めます。
  • メンテナンスに便利なセンタースタンド:チェーンメンテナンスや洗車、長期間の駐車時に非常に役立ちます。

そして、あのVTECも、高速巡航時は燃費の良い2バルブで静かに走行し、追い越し加速でアクセルをひとたび開ければ、瞬時に4バルブのパワーが解放されるため、非常に合理的で楽しいシステムとして機能します。

走りを変えるカスタムパーツの世界

純正パニアケースとトップケースをフル装着し、長距離ツーリングの準備が整ったホンダVFR800F(RC79型)。
イメージ:motofrontier

VFR800Fは、そのままでも高性能なツアラーですが、カスタムによって「乗りにくさ」を改善し、ツーリング性能をさらに高めることができます。オーナーの中には、純正の乗り味を自分好みに調整している方が多く存在します。

例えば、ネガティブな要素として挙げた点も、カスタムで多くが解消可能です。

  • クラッチの重さ:VFR800Fは油圧クラッチですが、長距離では左手が疲れるという声もあります。これは社外品の軽量クラッチレバー(例:U-KANAYA製など)に交換するだけで、劇的に軽くなるケースがあります。
  • VTECの谷間:社外品のECUチューニング(例:パワーコマンダーなど)を導入し、燃料噴射マップを最適化することで、VTECの切り替わりをよりスムーズにし、谷間を解消することも可能です。
  • 積載性:純正オプションのパニアケース(サイドバッグ)やトップケースを取り付けることで、ロングツーリングに必要な荷物をスマートに積載できます。
  • 足つき性:前述の通り、ローダウンキットやシートのアンコ抜きで、安心して乗れるポジションに調整できます。

マフラーを交換して、V4サウンドの鼓動感をより強調するなど、自分だけの一台を育てる楽しみがVFR800Fにはあります。

マコト
マコト
特に「クラッチの重さ」は多くのオーナーが指摘する点です。長距離ツーリングでは左手の疲労に直結するため、まずは操作系のカスタム(レバー交換など)から始めるのが、費用対効果が非常に高くおすすめと言えます。

中古相場が示すVFR800Fの本当の評価

「不人気」という言葉とは裏腹に、VFR800Fの中古車市場は近年、驚くべき動きを見せています。生産終了後の価格動向が、このバイクの真の評価を物語っています。

生産終了後に価格が値上がりする背景

VFR800Fは、2022年10月に施行された「令和2年排出ガス規制」に対応することなく、他の多くの名車と共に生産終了となりました。

この生産終了のアナウンスを受け、VFR800Fの中古車相場は高騰・値上がり傾向に転じました。

これは「不人気」だったのではなく、「分かる人には分かる、唯一無二のバイク」であったことの明確な証明です。市場から新車が消えたことで、「ホンダのV4スポーツツアラー」を手に入れたいという需要が、良質な中古車に集中したのです。

ホンダのラインナップからV4エンジンを搭載したスポーツツアラーが消滅し、これに代わる直接的な現行車種が存在しないため、程度の良い中古車(特に2017年以降の後期型RC79)は希少価値が高まっています。

2025年現在、走行距離の少ない高年式モデルは、新車時の販売価格(約140万円~)を超えるプレミア価格で取引されることも珍しくありません。これは、市場がVFR800Fの「不人気」という評価ではなく、「希少な名車」という評価を下している証拠です。

VFR800Fに関するよくある質問 (Q&A)

VFR800Fを検討する際によく寄せられる質問と、それに対する回答をまとめます。

Q. VFR800FのVTECは本当に乗りにくいですか?

A. 「乗りにくい」というよりは「クセが強い」と表現するのが正確です。
特に2002年~のモデル(RC46)は、VTECが作動する瞬間のパワーの出方が急激で、これを「ドンツキ」と感じて乗りにくさを覚える方がいたのは事実です。
しかし、2014年以降の最終モデル(RC79)では、この切り替わりが電子制御で非常にマイルドに改善されました。不意に作動しても車体がギクシャクすることはほとんどなく、むしろ高回転域への「ブーストがかかる」ような官能的な加速を楽しめる「味付け」になっています。

Q. エンジンの熱は夏場に耐えられますか?

A. 「対策が必要」です。
V4エンジンは構造上、後部シリンダーがライダーの股下近くにあるため、並列4気筒エンジンよりも熱的に厳しいのは事実です。特に渋滞の多い市街地走行では、かなりの熱を感じます。
ただし、高速道路や郊外のワインディングを走っている限りは、走行風が当たるため大きな問題になりません。夏場に乗る際は、革パンツやヒートガード付きのライディングデニムを着用するなど、ウェア側での熱対策を講じることで、快適性は大きく改善します。

Q. VFR800Fは初心者や小柄な人でも乗れますか?

A. 「初めての大型バイク」としては、あまりおすすめできません。
車両重量が243kgと重く、V4エンジンは重心も高めになりがちです。そのため、立ちごけのリスクは他のバイクより高いと言えます。
また、シート高自体(ローで789mm)は低くできますが、シート幅があるため、スペックの数字以上に足つきが悪く感じる可能性があります。中型バイクなどで「重さの扱いや取り回し」に慣れた方であれば問題ありませんが、購入前には必ず実車にまたがり、引き起こしや取り回しが可能かを確認してください。

Q. 不人気なのに、なぜ中古価格が値上がりしているのですか?

A. 「不人気だった」のではなく、「ニッチ(玄人好み)だった」と考えるのが正しいです。
VFR800Fは、ホンダのV4技術と豪華な装備(TCS、ABS、グリップヒーター、ETC標準装備)を搭載した非常にコストのかかったバイクでした。その結果、新車価格が同クラスのライバル(Ninja 1000など)より高額になり、販売台数自体は伸び悩みました。
しかし、生産終了によって「ホンダのV4スポーツツアラー」という唯一無二の存在が新車で手に入らなくなったため、その真価と希少性が見直され、中古車市場で需要が供給を上回り、価格が高騰しているのです。

VFR800Fは不人気でも愛される名車

これまで見てきたように、VFR800Fは「不人気」という単純な言葉では片付けられない、非常に個性的で多くの魅力を持つバイクです。この記事の重要なポイントをもう一度おさらいしましょう。

  • VFR800Fが不人気と言われた理由は、重さ・熱・VTECのクセという強すぎる個性
  • これらの欠点は、高速安定性・V4の証・官能的な加速という長所の裏返し
  • 市街地では欠点だが、ロングツーリングでは最高の美点に変わる
  • 生産終了後に値上がりしている今、その真価が再評価されている

「VFR800Fは不人気」という言葉に惑わされず、その本質を見極めることが重要です。もしあなたが「重厚なツアラー」と「官能的なV4スポーツ」の両方を求めるなら、VFR800Fはあなたにとって最高の相棒になる可能性を秘めています。

まずは中古車情報サイトで現在の相場をチェックし、お近くの販売店で一度、その唯一無二の存在感に触れてみてはいかがでしょうか。

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