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Z650RSの足つき不安を解消!軽快なハンドリングを殺さないローダウンの最適解とリンク交換の注意点

Z650RSのシート高800mmの壁を乗り越え、軽快なハンドリングを守るための足つき改善とローダウンの最適解(アイキャッチ画像)

こんにちは。「motofrontier」のマコトです。

Z650RSは、そのレトロモダンな美しいデザインと、Zシリーズならではの軽快な走りが本当に魅力的なバイクですよね。ただ、シート高が800mmに設定されているため、購入を検討している方や、実際に納車されたオーナーさんの中で「足つきに不安を感じる」という声が非常に多いのも事実です。

私も35年以上バイクに乗ってきましたが、信号待ちのわだちや、キャンプ場などの不整地での立ちゴケの恐怖は、せっかくのライディングの楽しさを半減させてしまうと痛感しています。

そこで今回は、Z650RSのローダウンについて、ローシートの活用やリンク交換による車高調整、さらにショートスタンドの絶対的な必要性まで、車体のバランスを崩さずに安心して乗るための最適なアプローチを、ベテラン目線から極めて詳しく解説していきます。

あなたは今、こんなことで悩んでいませんか?

  • ✅Z650RSのデザインに惚れたけど自分の身長で安全に乗れるか不安がある
  • ✅ローダウンリンクを入れると走りのフィーリングがどう変わるのか詳しく知りたい
  • ✅ローシートと足回り変更のどちらを選ぶべきか、メリットとデメリットで迷っている
  • ✅足つきは良くしたいけど、Z650RS本来の「ヒラヒラとした軽快さ」は絶対に失いたくない

もし一つでも当てはまったなら、この記事があなたの疑問を根本から解消し、後悔しないカスタムを選ぶための大きな手助けになるはずです。

Z650RSのローダウンの真実と注意点

Z650RSの足つきを改善するための具体的な方法を見ていく前に、まずはノーマル状態のZ650RSが物理的にどのような特徴を持っているのかを正しく知っておくことが非常に大切です。ここでは、なぜ足つきが課題になりやすいのか、そしてこのバイクの最大の魅力である運動性能について深掘りして触れていきます。

Z650RSの足つきのリアル

Z650RSのカタログ上のシート高は、標準で800mmに設定されています(出典:カワサキモータースジャパン公式『Z650RS 主要諸元』)。この数値だけを見ると、近年のミドルクラスのネイキッドバイクとしては標準的か、ごくわずかに高めの部類に入ります。

Z650RSは水冷パラレルツイン(並列2気筒)エンジンを採用しているおかげで、4気筒モデルと比べると車体幅やシートの前側が非常にスリムに絞り込まれており、数値から受ける印象よりも足は下ろしやすくなっているのが特徴です。

より詳しい設計の工夫については、Z650RSの足つき・設計思想を深掘りした関連記事も合わせて読んでいただくと、イメージが湧きやすいかもしれません。それでも身長が160cm前後、あるいはそれ以下の小柄なライダーにとっては、決して油断できない高さであることは間違いありません。

足つき性というのは、単にシート高の数値だけで決まるものではなく、シートの幅による大腿部の開き具合、サスペンションの1G沈み込み量(ライダーが跨った際に自重で沈む量)、そしてライダー自身の股下寸法(インシーム)や体重など、複数の要素が絡み合って決まります。一般的な体格を想定した場合の、身長別の足つきの目安とそれに伴うリスクを整理してみました。

Z650RSのシート高800mmにおける身長別(155cm・160cm・165cm)の足つき状態と、心理的・操作的リスクの比較図
ライダーの身長(目安)接地状況の傾向想定される心理的・操作的影響とリスク
155cm前後両足つま先が辛うじて触れる程度、または片足のみ停車時や不整地でのバランス維持が非常に難しくなります。強風や路面のわずかな傾斜で転倒リスクが急増し、ツーリングでの心理的疲労が極めて大きくなる傾向があります。
160cm前後両足つま先の腹、または片足母指球まで平坦な舗装路での停車は可能ですが、乗車したまま足の力で車体を後退(バック)させるのは困難です。駐車の際は降りて押し歩く技術が求められます。
165cm前後両足の指の付け根から母指球付近まで一般的な市街地走行やツーリングにおいて、大きな不安を感じることは少ないでしょう。ただし、疲労が溜まった終盤の傾斜地などでは注意が必要です。
170cm以上両足かかとが僅かに浮く、またはベタ足車体を安定して支えられ、Z650RSの軽さを最大限に楽しめる理想的な状態です。ストップ・アンド・ゴーも全く苦になりません。

Z650RSは車両重量が188kgと、ミドルクラスの中では非常に軽量な部類に入ります。そのため、「少し足つきが悪くても、車体が軽いからリカバリーしやすい」という肯定的な意見もよく耳にします。

確かに重いバイクよりは支えやすいのですが、ストップ・アンド・ゴーを何十回も繰り返す過酷な市街地や、長時間のライディングで握力や脚力が低下したツーリングの帰り道では、わずかなバランスの崩れが立ちゴケに直結します。

「つま先ツンツン状態」での乗車は、ライダーの心理的な余裕を奪い、結果的に視野を狭くして安全運転に支障をきたす可能性もあるため、無理をせずに確実な足つきを確保することが、バイクライフを長く楽しむための第一歩かなと思います。

理想のハンドリングを保つ条件

Z650RSが高く評価されている最大の理由は、その美しいルックスだけでなく、ライダーの視線や体重移動に合わせてヒラヒラと向きを変える「軽快なハンドリング」にあります。往年の名車「ザッパー」の血統を受け継ぐこの圧倒的な運動性能は、決して偶然の産物ではありません。

フロントフォークの傾き(キャスター角)、前輪の接地点とステアリング軸の延長線との距離(トレール量)、スイングアームの垂れ角、そして車体全体の重心位置など、カワサキの優秀なエンジニアたちが莫大な開発費用とテスト走行の時間を費やし、ミリ単位で緻密に計算した車体姿勢(ジオメトリー)の賜物なのです。

メーカーは、この卓越したコーナリング性能と、公道での快適な乗り心地(サスペンションが衝撃を吸収するための十分なストローク量)を両立させるための「究極のスイートスポット」として、シート高800mmという数値を導き出しています。

つまり、私たちがこのバイクの理想の走りを100%楽しむための大前提は、「メーカーが意図した前後の車高バランスと、サスペンションの動作環境を極力崩さないこと」に尽きるのです。

もし足つきへの不安から、一部の寸法だけをむやみに変更して車体の姿勢を崩してしまった場合、この絶妙なバランスが一瞬にして崩壊してしまいます。バイクは非常に繊細な乗り物であり、数センチの車高変化が、コーナリング時のタイヤの接地感や、ハンドルへのフィードバックを劇的に変えてしまいます。

せっかく「走りが楽しい」と評判のZ650RSを手に入れたのに、間違ったローダウンの手法によって「曲がりにくい、ただの重たい鉄の塊」にしてしまうのは、あまりにももったいないですよね。だからこそ、ハンドリングを保つための条件を深く理解した上で、慎重にカスタムのアプローチを選択する必要があるのです。

足つき改善を求める背景と落とし穴

足つきを良くしたい一心で、インターネットで見つけた手軽で安価に見えるパーツ交換にいきなり飛びつくのは、少しだけ待ってください。物理的に車高を下げるという行為には、バイクの力学的なバランスに重大な影響を与えるという、目に見えない隠れたリスクが存在しています。

ローダウンリンクによる姿勢のリスク

Z650RSの足つき改善において、インターネットの検索でも非常に多く調べられている代表的なカスタムが、リアサスペンションのリンク機構を構成する「ローダウンリンク(リンクプレート)」への交換です。これは、サスペンションとフレームを繋ぐ金属製のプレートを純正よりもわずかに長い社外品に交換することで、サスペンションの初期位置を変更し、結果的にシート高を物理的に下げるという手法です。

EFFEX(エフェックス)やPMC(ARCHI)など、信頼できる有名アフターパーツメーカーからZ650RS専用のキットが販売されており、シートのウレタンの厚み(座り心地の良さ)を変えずに、製品により異なりますが目安として20mm〜30mmほど車高を下げられるため、抜群の安心感が得られるのが最大の魅力です。

知っておくべき最大の注意点

リアのリンクプレートだけを交換して車高を下げた場合、フロントフォークの高さはノーマルのままなのに、リアだけが沈み込むことになります。つまり、バイクの骨格全体が後方に傾斜する「尻下がり(ノーズアップ)」の不自然な姿勢に強制的に変化してしまうのです。

リアのリンクプレート交換のみを行った場合に発生する、Z650RSの尻下がり(フロントハイ)姿勢と車体バランス崩壊の警告図

部品代自体はリンクプレート単体で1万円前後〜と比較的リーズナブルに思えるため、手軽なカスタムと誤解されがちですが、ここに大きな落とし穴があります。リンクプレートの交換作業には、車体のリアフレームを専用のクレーンで吊り上げるか、特殊なジャッキを使用してリアタイヤを完全に浮かせ、サスペンションへの荷重をゼロにするという、プロのメカニックによる高度な設備と技術が要求されます。

個人でのDIY作業は極めて困難かつ危険であり、ショップに依頼した場合は部品代と同等以上の高額な作業工賃が発生します。さらに、この「尻下がり」の姿勢を放置したまま走り出すと、後述する致命的なハンドリングの悪化を引き起こすため、「ポン付けして終わり」というわけにはいかないことを強く認識しておく必要があります。

アンダーステア化のメカニズム

リンク交換によって車体が尻下がり(ノーズアップ)になると、バイクの走りにどのような悪影響が出るのでしょうか。最も顕著に現れるのが、フロントフォークの傾き(キャスター角)の鈍化と、それに伴うトレール量の増大です。

キャスター角とは、バイクを横から見たときのステアリング軸の傾きのことです。車体の後部が下がると、地面に対するフロントフォークの角度は、ノーマル状態よりも強制的に「寝る方向(鈍角)」へと変化してしまいます。

車体の尻下がりによってZ650RSのフロントフォークのキャスター角が寝て、トレール量が増大し曲がりにくくなる(アンダーステア)メカニズムの図解

キャスター角が寝るということは、力学的に「トレール量(前輪の接地点とステアリング軸の延長線が地面と交わる点との距離)」が増えることを意味します。アメリカンクルーザーのようにフロントフォークが大きく寝ているバイクを想像してみてください。

トレール量が増加すると、走行中の前輪には「常に直進状態を維持しようとする強力な復元力(セルフアライニングトルク)」が過剰に働くようになります。この結果、高速道路での直線の安定性は増すかもしれませんが、交差点の右左折やワインディングロードのコーナー進入時に致命的な問題が発生します。

ライダーがコーナーの出口に視線を向け、体重をイン側に移動させて車体を傾けようとしても、ステアリングが全く切れ込んでくれず、重たくて抵抗感のあるフィーリングに変わってしまいます。

つまり、常に車体がカーブの外側へ外側へと膨らもうとする「強烈なアンダーステア傾向」に陥るのです。Z650RS特有の、ライダーの意思に瞬時に反応してスパッと決まる軽快な倒し込みは完全に失われ、「ハンドルを無理やりこじらないと曲がらない鈍重なバイク」へと変貌してしまいます。これは、走りの楽しさを根底から奪う非常に深刻なメカニズムです。

サスペンションストロークの限界

ローダウンリンクの導入によるもう一つの大きな落とし穴が、サスペンションの有効ストローク量の減少です。リンク比を変更して車高を下げるということは、サスペンションが路面からの衝撃を吸収するために縮むことのできる「残りの余裕(ストローク量)」を、初期状態からすでに物理的に減らしてしまっている状態を意味します。

Z650RSのリアサスペンションは、ノーマルの車高において様々な路面状況に対応できるよう最適なストローク量が確保されていますが、ローダウンによってその許容量が極端に狭まるのです。

ローダウンによるサスペンションの有効ストローク量減少と、段差やタンデム走行時に発生する底突き(ボトミング)の衝撃リスクの図解

この状態で、ツーリング中に路面の大きなギャップ(段差)を乗り越えたり、タンデム(二人乗り)で後ろに人が乗ったり、あるいはキャンプ道具などの重い荷物をフル積載したりした場合、どうなるでしょうか。

少しの衝撃でサスペンションが限界まで縮み切り、それ以上動かなくなる「底突き(ボトミング)」を起こすリスクが飛躍的に高まります。底突きを起こすと、路面からの強烈な衝撃がサスペンションで吸収されず、そのままダイレクトにフレームやライダーの脊椎へと伝わり、激しい突き上げを食らうことになります。

さらに恐ろしいのは、コーナリング中にこの底突きが発生した場合です。サスペンションが動かなくなることでタイヤが路面を追従できなくなり、突然グリップを失ってスリップダウンする重大な事故に直結する危険性があります。

ローダウンキットを製造・販売しているパーツメーカー側でも、「スポーツ走行をメインとする場合や、タンデムでの長距離ツーリングなど高荷重を想定する場合は、ローダウン化はお控えください」と公式に明確な警告を発しているケースが多く見られます。

足つきの安心感と引き換えに、バイクが本来持っている安全マージンを削っているという事実を、自分の普段の乗り方と照らし合わせて冷静に判断することが極めて大切ですね。

走りを犠牲にしない足つき改善の最適解

ここまで、リンク交換による力学的なリスクについてお話ししてきましたが、では一体どうすれば、走りの楽しさと安全性を守りながら足つきの不安を解消できるのでしょうか。私が長年の経験からおすすめする、段階的で最も確実な足つき改善のステップをご紹介します。

Z650RSのローシートの活用法

Z650RSの足つき改善において、私がベテラン目線から真っ先に、そして最も強くお試しいただきたいと推奨するのが、カワサキ純正アクセサリーのローシートへの交換、あるいは信頼できる専門業者による純正シートのアンコ抜き(内部ウレタンの切削加工)です。このアプローチの最大のメリットは、バイクの車体重心位置やサスペンションのジオメトリー(骨格バランス)を1ミリも犠牲にしないという点に尽きます。

純正アクセサリーのローシートを活用することで約20mmのダウンが目安となり、実質780mm相当の足つき性を確保できます。車高のローダウンリンクで20mm下げるのと同じ物理的な安心感が得られるにもかかわらず、キャスター角が寝ることも、サスペンションのストローク量が減ることも一切ありません。

つまり、メーカーの開発陣が莫大なコストと時間をかけて意図したZ650RSの「ヒラヒラと舞うようなコーナリング性能」を、100%完全な状態で味わい尽くすことができるのです。

Z650RSの標準シートとローシートの比較図。車体ジオメトリー(骨格)を一切変えずにマイナス20mmの足つき改善が可能な最適解

もちろん、物理的な制約としてトレードオフ(デメリット)は存在します。着座位置を下げるためには、シート内部のクッション材であるウレタンを削り落とす必要があるため、シート自体が薄く、硬くなります。そのため、路面からの微細な振動がお尻に伝わりやすくなり、丸一日走り続けるような長距離ツーリングでは、座骨結節(お尻の骨)に痛みを伴う疲労が蓄積しやすくなる傾向があります。

しかし、「足つきの恐怖をなくし、かつZ650RS本来のスポーツライディングを楽しみたい」という明確な目的があるならば、多少の乗り心地の硬さを許容してでも、ローシートを選択するのが最も理にかなった、走りを愛するライダー向けの賢い選択肢と言えるでしょう。

厚底ブーツとライダー側の工夫

バイク本体(車体やシート)には一切の手を加えず、ライダーが身につける装備品で物理的なリーチを補うというのも、非常に安全で有効な代替アプローチです。近年、足つきに悩む多くのライダーから絶大な支持を集めているのが、ワイルドウイング(WILDWING)などに代表される、バイクの操作性を考慮して専用設計された厚底ライディングブーツの導入です。

車体には一切手を加えず、物理的にリーチを伸ばして停車時のフラつきを解消する厚底ライディングブーツの着用イメージ

一般的なスニーカーやライディングシューズと比較して、ソールの厚みが数センチ単位で増すため、シート高が実質的に数センチ下がったのと同じだけの劇的な足つき改善効果が得られます。身長150cm台の小柄なライダーであっても、しっかりとした厚底ブーツを着用するだけで停車時のフラつきがなくなり、心理的な安心感が全く違ってきます。車体のサスペンションやハンドリングへの悪影響は完全に「ゼロ」ですから、安全性という観点ではパーフェクトな対策です。

ただし、厚底ブーツを使用する際には、操作面でいくつかライダー側での「工夫と慣れ」が必要になります。

【厚底ブーツ導入時のコツと注意点】

■ リアブレーキの感覚
ソールが分厚く硬くなるため、ブレーキを踏み込む際の「足裏の感覚」がどうしても鈍くなります。最初のうちは、効き具合を慎重に確かめながら乗るようにしてください。

■ シフトペダルの調整
靴のボリュームが増すため、つま先をペダルの下に入れにくくなります。シフトペダルの取り付け角度を「スプライン(ギザギザの軸)1つ分」だけ上にずらすと、劇的に操作しやすくなります。

Z650RSのショートスタンドの必要性

もし、シートの変更や厚底ブーツの導入だけではどうしても十分な安心感が得られず、あるいは体重が軽すぎてノーマルサスペンションが全く沈み込まないといった理由で、最終手段として「ローダウンリンク」を用いた物理的な車高ダウンを決断した場合、絶対に忘れてはいけない極めて重要なパーツがあります。それが「ショートサイドスタンド」への交換です。

ローダウン時に純正スタンドを使用した場合の右側への転倒(右ゴケ)リスクと、専用ショートスタンド使用による適切な駐車角度の比較図

リンク交換によって車高が前後ともに下がった状態のバイクに、ノーマルの長さの純正サイドスタンドをそのまま使用するとどうなるか。スタンドが相対的に長すぎる「つっかえ棒」のような状態になり、駐車時に車体が左側に傾く角度(バンク角)が極端に浅く、ほぼ直立に近い状態になってしまいます。

パーツメーカーも明確に指摘している通り、この直立状態は安全面から非常に危険であり、ショートスタンドへの交換はほぼ必須(強く推奨)となります。

駐車スペースにわずかでも右下がりの傾斜があったり、右側面から強い横風を受けたり、あるいはツーリングネットで荷物を積載しようと右側から軽く車体に触れたりしただけで、あっけなくバイクが右側へ向かって倒れてしまいます。せっかく左側への立ちゴケを防ぐためにローダウンしたのに、駐車時に右側へ転倒(右ゴケ)させてしまっては本末転倒ですよね。

これを防ぐためには、ローダウン量に合わせて最適化された専用のショートサイドスタンド(価格目安:1.4万〜1.8万円前後)が必要となります。EFFEXのキットのように、最初からリンクプレートとショートスタンドがセットになったオールインワンパッケージを選ぶと、寸法のミスマッチもなく最も安心かなと思います。

なお、スタンド交換には非常に硬いリターンスプリングの脱着作業が伴うため、こちらもプロショップへの依頼を前提に予算を組んでおきましょう。

フロントフォーク突き出しの調整

ローダウンリンクを導入してしまった際に、あの忌まわしい「尻下がり(ノーズアップ)」の姿勢を正し、Z650RS本来の軽快なハンドリングとニュートラルなステアリングフィールを取り戻すための「最後の砦」となるセッティング作業が、フロントフォークの「突き出し調整」です。

リアだけが下がってしまったアンバランスな状態を解消するためには、フロント側の車高もリアと同じように下げて、車体全体の姿勢をノーマルに近い水平状態へと補正してあげる必要があります。

Z650RSのリンク交換時に発生する尻下がり姿勢を、水平バランスに戻すためのフロントフォーク突き出し調整(ノギスでの計測)のイメージ図

具体的な作業としては、ステアリング周りのトップブリッジとアンダーブラケットと呼ばれる部品のクランプボルトを緩め、2本あるフロントフォークのアウターチューブを上方(ライダーの顔の方向)へ数ミリから十数ミリほど滑らせて「突き出す」ことで、フロントタイヤと車体の距離を物理的に縮めます。

これにより、寝てしまっていたキャスター角が立ち気味に戻り、過剰に増大したトレール量が適正値に近づくため、アンダーステア傾向が劇的に緩和されます。重かったハンドリングが嘘のように素直になり、再びコーナーを気持ちよく曲がれるようになるはずです。

しかし、この突き出し調整は「ただ無制限に上にずらせばいい」という単純なものではありません。

突き出し量を過剰に設定してしまうと、フルブレーキング時や大きな段差を乗り越えてフロントサスペンションがフルボトム(最大まで縮んだ状態)した際に、フロントフェンダーがラジエーターのコアや高温のエキゾーストパイプと激しく激突し、最悪の場合は前輪がロックして大クラッシュを引き起こす重大な危険性が潜んでいます。

さらに、左右のフォークの突き出し量をコンマ1ミリ単位で完全に均等に揃えなければ、走行中にハンドルが激しくブレるシミー現象が発生します。したがって、この作業は豊富なサスペンションの知識とノギス等の精密な測定器具を持った、信頼できるプロショップのメカニックに依頼することが絶対に不可欠な鉄則となります。

Z650RSのローダウンに関するQ&A

Z650RSのローダウンに関して、ネット上の掲示板やSNS、あるいは私が普段バイク仲間からよく耳にする疑問について、構造的・力学的な視点から詳しくお答えしていきます。ショップに具体的な相談に行く前の、正しい予備知識としてぜひ役立ててください。

車体姿勢のバランスを保つ基準

Q. 「リアをリンクで20mm下げた場合、フロントフォークは何ミリ突き出すのが正解ですか?」
A. すべての車両・ライダーに共通する「一律の正解」は存在しません。
リアのダウン量と同等、またはやや少なめ(例:リア20mmダウンならフロント10〜15mm)から調整を始めるのが一般的ですが、以下のような理由から「現車合わせ」が基本となります。

・フロントフェンダーとラジエーターの物理的な干渉を防ぐため
・前輪への荷重過多による、ハンドリングの過度な切れ込みを防ぐため
・ライダーの体重や、乗車時の沈み込み量(1Gストローク)に個人差があるため

「何ミリ」と決めつけず、プロのメカニックと相談しながらテスト走行を繰り返して微調整を行うのが、安全で正しい姿勢バランスの作り方です。

ローシートとリンク交換の構造的違い

Q. 「足つきが良くなる結果は同じなのに、ローシートとリンク交換では何がそんなに違うのですか?」
A. 足が地面に届くという結果は同じですが、バイクに対する「アプローチ」が根本的に異なります。
【ローシートの場合】
ライダーの着座位置(人間工学)だけを下げるアプローチです。バイクの骨格や重心はいじらないため、本来の運動性能が100%維持されます。

【リンク交換の場合】
バイクの骨格自体を改造して車高を下げるアプローチです。キャスター角の変化やストローク量の減少など、ハンドリングに対する副作用が伴います。
ハンドリングの軽快さを最優先するなら「ローシート」、シートのクッション性を保ちつつ絶対的な足つきを優先し、姿勢補正のコストも許容できるなら「リンク交換」という基準で選ぶのがおすすめです。

駐車時の転倒を防ぐための確認事項

Q. 「専用のショートスタンドに交換さえしておけば、駐車時に右側に倒れる心配はもう絶対にないですか?」
A. 残念ながら「絶対に倒れない」とは言い切れず、駐車環境によっては転倒リスクが残ります。
ショートスタンドは、あくまで「平坦な場所」を想定した部品です。傾斜地や不整地に駐車する際は、以下の基本動作による自己防衛が必須となります。

・可能な限りフロントタイヤが「登り勾配」になる向きで停める
・ハンドルを必ず左側にいっぱいに切って、ハンドルロックをかける
・マニュアル車の場合は「1速(ローギア)」に入れてエンジンを切り、車体が転がらないようにする

ノーマル車両以上にシビアに路面の状況を観察する習慣をつけることが、愛車を守る一番の防衛策になります。

なお、これからZ650RSの車体自体を探そうとしている方は、Z650RSの購入難易度や現在の流通状況に関する記事も参考に、自分に合った車両選びとカスタムの計画を同時に進めてみてくださいね。

Z650RSのローダウンの最終的な結論

ここまで、Z650RSの足つき改善について、物理的なメカニズムから具体的な対策まで、様々な角度からかなり深くお話ししてきました。停車時の足つきの安心感を最優先するあまり、このバイクが持っている最大の武器であり魅力である「ザッパー譲りの軽快な走り」を犠牲にしてしまうのは、長年バイクに乗ってきた私から見ても、本当に惜しいことだなと心から感じます。

最後に、Z650RSのローダウンで絶対に後悔しないための重要なポイントを整理しておきますね。

Z650RSの走りを殺さないための足つき改善ステップ(ローシートの検討からリンク交換時の突き出し調整、ショートスタンド導入まで)の最終結論まとめ
  • 安易なサスペンションリンク交換は車体姿勢を尻下がりにし、ハンドリングを鈍重なアンダーステアにする原因となる
  • まずは車体本来の運動性能に全く影響を与えない、カワサキ純正ローシートや専用の厚底ブーツから導入を試す
  • どうしてもリンク交換を行う場合は、必ずフロントフォークの突き出し調整をセットで行い、前後の姿勢バランスを取り戻す
  • 車高を物理的に下げた際は、駐車時の右側への転倒(右ゴケ)を防ぐために、必ずローダウン対応のショートスタンドへ変更する

Z650RSのライダーの意のままに操れる軽快な走りは、日常のライディングから休日のツーリングまで、私たちを常に笑顔にしてくれる最高のスパイスです。足つきの不安を解消することは安全上極めて大切ですが、バイク本来の美点や魅力をスポイルしてしまっては元も子もありません。

まずはシートの加工やブーツといった、車体のバランスを崩さない安全で確実な方法から試してみてください。そして、もし最終的にリンク交換という大掛かりなカスタムに踏み切る場合は、目先の部品代の安さに惑わされず、費用をしっかりと惜しまず、サスペンションに精通したプロショップに姿勢補正を含めたトータルセッティングを相談してみてください。

それが、Z650RSと長く楽しく付き合っていくための最高の近道になるはずです。

※本記事は執筆時点の情報に基づきます。価格・相場・仕様・法規制等は変更される場合がありますので、最新情報は必ず公式機関や販売店で直接ご確認ください。

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