大型バイクに乗りたいけれど、毎月のガソリン代や維持費が心配でなかなか踏み切れない……。そんな現実的な悩みを一掃してくれるのが、ホンダのNC750Xです。750ccクラスの大型モデルでありながら、実走行では30km/L前後、条件が良ければそれを超えるような燃費性能を持っています。
さらに、本来ガソリンタンクがある位置が丸ごとメットイン(ダミータンク)になっているという、実用性を極めたパッケージングが特徴です。通勤から休日のロングツーリングまで、これほどお財布に優しく便利な大型バイクは他にないかもしれません。この記事では、ベテランライダーの視点から、その驚きの性能と実際の使い勝手について詳しく解説していきます。
本記事で解決できる疑問やポイント
- 驚異的な実燃費と航続距離の秘密
- ダミータンクの実用性と積載のコツ
- メットインに入るヘルメットの注意点
- 通勤やツーリングでの維持費の目安

燃費や維持費だけでなく、NC750Xの走行性能、DCT、足つき、中古選びまで総合的に確認したい方は、NC750X完全ガイドも参考になります。
驚異のNC750Xの燃費と圧倒的な実用性
NC750Xを語る上で欠かせないのが、その桁外れの燃費性能と日常での使い勝手の良さです。
実際の走行シーンでどれくらいの燃費を記録するのか、そこで得られるメリットについて詳しく見ていきましょう。
驚くほど伸びるNC750Xの実燃費と経済性
大型バイクは燃費が悪くて当たり前、というイメージを根底から覆してくれるのがNC750Xです。排気量745ccの立派な大型二輪でありながら、実燃費で30km/L前後を安定して記録することが多いという驚きのエコ性能を誇ります。
カタログ上のWMTCモード値でも26.5km/Lと公表されており、燃料タンク容量14Lや車両重量などの主要諸元もホンダ公式サイトで確認できます(参照:ホンダ公式サイト)。実際の走行シーンではさらに伸びることも珍しくありません。
| 走行シーン | 実燃費の目安 | 特徴 |
|---|---|---|
| 市街地・通勤 | 約26〜29km/L | 低回転トルクにより発進時の燃料消費を抑えやすい |
| 高速道路 | 約28〜31km/L | 100km/h巡航でも低回転を維持しやすい |
| 郊外・ツーリング | 約30〜35km/L | 一定速度で走る場面ではさらに燃費が伸びやすい |
ストップ&ゴーが頻繁に発生する市街地の環境であっても、極低回転域からの強大なトルクのおかげで、発進時にアクセルを大きく開けずに済みます。中型スクーターにも引けを取らない経済性には、私自身も本当に驚かされます。
400km超えを誇るNC750Xの航続距離
燃費が良いということは、ツーリングにおいてガソリンスタンドに立ち寄る回数が減るという絶大なメリットを生み出します。NC750Xのガソリンタンク容量は14Lです。数字だけを見ると少し控えめに感じるかもしれませんが、実走行での高い効率と掛け合わせることで大きな強みになります。

単純計算でも、14L×30km/L=420kmとなり、満タンで400km前後の航続距離も十分に視野に入ります。「次のガソリンスタンドはどこだろう」とハラハラする心配から解放されるのは、長旅での精神的な疲労を劇的に軽減してくれますね。
もしもっと本格的に長距離のキャンプツーリングなどを楽しみたい方は、こちらのNC750Xをフルパニアにする魅力についての記事もぜひ参考にしてみてください。
荷造り不要なNC750Xのダミータンク
シート下にガソリンタンクを移動させたことで、本来タンクがあった場所には23L(※2025年モデル国内仕様の場合)という広大なスペースが確保されています。これがNC750X最大の武器とも言える「ダミータンク」です。

通常、バイクで荷物を運ぼうと思ったらリアボックスを取り付けたり、シートバッグを括り付けたりする手間が発生します。しかし、NC750Xならちょっとした荷物はダミータンクの中にポンと放り込むだけで出発できてしまいます。
NC750Xのメットインに入るヘルメット
ダミータンクに収納できるヘルメットには、形状によって向き不向きがあります。おおよその目安は以下のようになっています。
- 標準的な形状のフルフェイス(多くの場合収納可能)
- 一般的なジェットヘルメット(比較的余裕を持って収納可能)
- システムヘルメット(チンガード機構があり、閉まらないケースが多い)
- オフロード・アドベンチャー用(バイザーが干渉するためほぼ収納不可)
お使いのヘルメットのサイズやシェル形状によっては入らないこともあるため、購入前に実車で試してみることをおすすめします。
NC750Xのラゲッジスペースの賢い活用法
メインキーでロックできる防犯性の高さと耐候性が、このラゲッジスペースの大きな魅力です。観光地やパーキングエリアでバイクから離れる際も、貴重品やヘルメットを鍵付きのスペースにサッと隠せるため、盗難のリスクやイタズラの心配から解放されます。
注意点
ダミータンクの底面はエンジンの直上に位置しているため、走行中や走行直後は排熱で内部の温度がかなり上昇します。チョコレートなどの溶けやすい食品や、極端な高温に弱い精密機器を長時間そのまま入れておくのは避けた方が無難です。
NC750Xの燃費が生み出す維持費の安さ
NC750Xの驚異的な低燃費は、ホンダならではのユニークなエンジン設計に秘密があります。
ここからは、通勤から長距離ツーリングまでを支えるタフな構造と、実際の維持費について解説していきます。
毎日のNC750Xでの通勤が楽しくなる理由
NC750Xの心臓部である水冷直列2気筒エンジンは、四輪自動車で培われたフリクション低減の技術が惜しみなく投入されています。高回転で馬力を稼ぐ一般的なバイクとは異なり、常用回転域(2,000〜4,000rpm)でしっかりトルクを出す「低回転・高トルク型」になっているのが特徴です。
エンジンの最高回転数が低く抑えられているため、内部の機械的な摩耗が進みにくいというメリットもあります。適切なオイル交換や基本メンテナンスを続けていれば長く付き合えるタフなエンジンと言われており、通勤で毎日ハードに使うようなシチュエーションでも頼りになる存在です。
低重心を生むNC750Xのガソリンタンク
通常のバイクではエンジンの真上にガソリンタンクが鎮座していますが、NC750Xはこれをシート下(リアフレーム内部)へと移動させています。ガソリンは満タンで約10kg以上の重量物になるため、これをライダーのお尻の下、車体の後方下部へと配置することで、大きな低重心化を実現しているんですね。

この恩恵により、車両重量が210kgを超える立派な大型バイクでありながら、引き起こしや押し歩きの際も車体が自分側に倒れ込んでくる恐怖感が著しく少なくなっています。渋滞時のすり抜けや狭い路地でのUターンなど、極低速域でも車体が自然に直立しようとする安定感を生み出してくれます。
もしクラッチ操作の手間まで無くしたいのであれば、自動変速を行ってくれるDCTモデルを選べばさらに快適な移動空間になります。NC750X DCTの魅力についてまとめた記事もありますので、通勤や長旅での疲労を極限まで減らしたい方はぜひチェックしてみてくださいね。
シート下給油口のリアルな使い勝手と割り切り
ガソリンタンクがシート下にあるということは、給油口もタンデムシート(リアシート)の下に配置されています。給油時は一度バイクから降りてシートを開ける必要があるため、リアシートに大きなシートバッグを括り付けている場合は、少し手間がかかる点には注意が必要です。
メモ
ツーリングなどで荷物をたくさん積載している場合は給油のたびに荷物をずらす必要があります。しかし、そもそも燃費が良すぎて給油回数自体が少ないため、結果的に「まぁいいか」と割り切れるオーナーさんが多いのも事実です。
レギュラー仕様で安いNC750Xの維持費
そして何より嬉しいのが、レギュラーガソリン仕様であることです。ハイオク指定が多いリッタークラスや輸入車の中で、毎回の給油でレギュラーを入れられるのは、長く乗れば乗るほど大きな差になって表れます。

また、アクセルを開けた時のトルクの出方がマイルドなため、リアタイヤへの瞬間的な負担が少なく、タイヤやドライブチェーンといった足回り消耗品の減りも非常に穏やかだと言われています。トータルでのライフサイクルコストを計算すると、他の大型バイクと比較して安く維持しやすいのが隠れた強みですね。浮いたガソリン代やメンテナンス費用で、美味しいものを食べたり、ちょっと良い宿に泊まったりできるのも魅力的です。
旅を無限に広げるNC750Xの燃費の魅力
ここまで、NC750Xの驚くべき燃費性能やダミータンクの利便性、環境に優しい設計について解説してきました。最後に、本記事の重要なポイントを振り返ってみましょう。

この記事のポイント
- 実走行で30km/L前後も狙いやすく維持費を抑えやすい
- 14Lタンクでも航続距離400km以上を視野に入れられる
- 23Lのダミータンクは日常から旅まで大活躍する
- 低重心化により大型とは思えない取り回しの軽さを実現
大型バイクは維持費がかかるからと諦めているなら、NC750Xを選べば250ccクラス並みのガソリン代でビッグバイクの余裕を味わえます。給油口の位置というちょっとしたクセはあるけれど、それすらも愛嬌に思えるほどの圧倒的なコスパを信じて、ぜひ憧れの大型ライフに踏み出してみてはいかがでしょうか。
新車だけでなく中古車市場でもタマ数が豊富に揃っていますので、中古で賢く探す際のポイントなども参考にしつつ、まずはバイクショップや買取店へ査定や相談から始めて、実車に触れてみることをおすすめします。
※本記事は執筆時点の情報に基づきます。価格・相場・仕様等は変更される場合がありますので、最新情報は必ず公式機関や販売店で直接ご確認ください。