ホンダが誇るアドベンチャーバイクの雄、CRF1100L Africa Twin。その圧倒的な存在感と大陸横断を可能にするほどの性能から、世界中の多くのライダーに愛されていますが、インターネット上では時折「アフリカツイン つまらない」という、意外な評判を目にすることがあります。
これから購入を検討している方、あるいは憧れを抱いている方にとって、この一言は大きな不安要素になるでしょう。その評判の裏には、車体がでかいことによる立ちゴケ対策の必要性や、都市部の交通事情が生むすり抜けの難しさといった、無視できない具体的な欠点があるかもしれません。
一方で、一度走り出せばどこまでも行けると感じさせるロングツーリングでの比類なき快適性や、ライバルとのgs比較で見えてくるホンダ独自の魅力も確かに存在します。
購入してから「こんなはずではなかった」と後悔しないためには、中古市場の動向、新型1100の値引き情報、さらには「アフリカツインはいつ生産終了になりましたか?」といった歴史に関する疑問まで、あらゆる情報を吟味し、総合的に判断する必要があります。
この記事では、ネガティブな評判の真相から具体的な購入判断のポイントまで、あなたの疑問と不安を徹底的に解説します。
あなたは今、こんなことで悩んでいませんか?
- アフリカツインは本当に「つまらない」バイクなのか、その真実を知りたい
- 車体が大きくて重そうだけど、自分でも扱いきれるのかがすごく不安…
- 高価な買い物だから、購入して絶対に失敗したくないし、後悔したくない
- 自分にとって最高のバイクなのか、客観的で公平な評価が欲しい
もし一つでも当てはまったなら、この記事があなたの疑問をすべて解決します。
アフリカツインが「つまらない」と言われる5つの理由と欠点

アフリカツインの購入を検討する際、誰もが一度は目にする「つまらない」という評判。本章では、なぜそう言われるのか、具体的な5つの理由と無視できない欠点を、ユーザーのリアルな声やライバル車との比較を交えながら、忖度なく深掘りしていきます。
BMWのGS比較で見える優等生な特性
CRF1100L アフリカツインが「つまらない」と言われる最も大きな理由の一つは、その「優等生」とも評される、極めてバランスの取れた特性にあると言えるでしょう。
このジャンルの絶対王者として市場に君臨するBMWのR1250GSと比較すると、アフリカツインのキャラクターはより鮮明になります。
GSが持つ、低回転から湧き上がる水平対向(ボクサー)エンジン独特の力強い鼓動感、テレレバーサスペンションが生み出す唯一無二の乗り心地、そして所有欲を強く満たすブランドイメージと豪華な装備群。
これらに対して、アフリカツインはどこまでもライダーに忠実で、信頼性の高い走りを提供することに重きを置いています。これぞまさしく「The Honda」と言える実直なバイクです。
突出した個性や過激なパフォーマンスよりも、あらゆる状況でライダーを決して裏切らない普遍的な安定感と、誰が乗っても破綻しない扱いやすさを最優先に設計されているのです。
このため、KTMの1290 Super Adventureシリーズが持つ暴力的なまでの加速感や、前述のGSが醸し出す重厚なフィーリングをアドベンチャーバイクに求めるライダーからは、「エンジンがおとなしい」「刺激が足りない」「面白みに欠ける」といった評価が生まれやすくなります。
しかし、この評価はあくまで一面的なもの。この穏やかさは、長距離を走っても全く疲れを感じさせない快適性や、未舗装路でも安心してスロットルを開けていける懐の深さという、計り知れない大きなメリットに直結しているのです。
主要アドベンチャーバイク キャラクター比較表
モデル名 | エンジン形式 | 車両重量 | キャラクター | 得意なステージ |
---|---|---|---|---|
Honda CRF1100L Africa Twin | 水冷並列2気筒 | 229kg~ | 優等生・万能選手 信頼性が高く、オン・オフ問わず高い次元でバランスが取れている。 | 高速道路、林道、世界一周 |
BMW R1250GS | 水冷水平対向2気筒 | 249kg~ | 絶対王者・長距離ツアラー 独特のエンジンフィールと豪華装備。オンロードでの快適性は随一。 | 大陸横断、高速クルージング |
Yamaha Ténéré700 | 水冷並列2気筒 | 205kg | 軽量・オフロード特化 クラス最軽量級の車体で、本格的なオフロード走破性が魅力。 | 林道、獣道、ダート走行 |
※上記は2025年時点の参考情報です。年式やグレード、ライダーの主観により評価は異なります。
言ってしまえば、アフリカツインは「全ての科目で常に85点以上を取ってくる優等生」。特定の科目で120点を叩き出す個性的なライバルたちと比べると、面白みに欠けると感じる人がいるのも無理はありません。
しかし、その総合力の高さ、アベレージの高さこそが、このバイク最大の魅力であり、世界中のライダーから信頼される理由なのです。
購入して後悔した人の意見とは

様々な魅力を持つアフリカツインですが、実際に購入したものの、残念ながら短期間で手放してしまった人たちの「後悔した」という声には、いくつかの明確な共通パターンが見られます。
最も多く、そして切実に語られるのが、やはり「足つき性の悪さ」とそれに起因する「車体の重さ」という物理的な問題です。スペック上のシート高は810mmから調整可能とされていますが、これはあくまで数値上の話。シートや車体にある程度の幅があるため、実際に跨ってみると数値以上に足つきが悪く感じることがあります。
これが原因で、少しでも傾斜のある場所での停車や、砂利道などで不意にバランスを崩した際に、その230kg超の車体を支えきれず、なすすべなく転倒させてしまう「立ちゴケ」を経験するライダーが後を絶ちません。
次に、「優等生すぎて刺激がなく、飽きてしまった」という乗り味に関する意見も一定数存在します。これは、前述の通り、バイクに対してスリリングな加速や官能的なエンジンフィールを強く求めるタイプのライダーに多い感想です。
納車直後はその圧倒的な万能性や快適性に感動するものの、乗り慣れてくると良くも悪くも全てがスムーズで「普通」に感じてしまい、より個性的で刺激の強い他のバイクに心が移ってしまうことがあるようです。
後悔のパターン分類
- 物理的限界パターン:身長や体力的に、どうしても車体の大きさと重さを克服できなかった。
- テイスト不一致パターン:求めていた「バイクの楽しさ」が、刺激やスリルであり、アフリカツインの快適性とは方向性が違った。
- 用途ミスマッチパターン:主に街乗りで使いたかったが、取り回しの悪さや駐車問題でストレスが溜まってしまった。
「でかい」は本当?サイズ感を検証
「アフリカツインはとにかく、でかい」というイメージは、多くの人が抱く共通の認識であり、それは紛れもない事実です。しかし、その「大きさ」の実態をもう少し詳しく、そして公平に検証してみましょう。
確かに、全長2,330mm、全幅960mmという寸法は、400ccクラスのネイキッドバイクなどと比べれば、まさに大人と子供ほどの差があり、圧倒的な威圧感を放ちます。しかし、バイクの運動性能を左右するのは、単純な寸法だけではありません。
より重要なのは「マス集中」と「重心」の設計です。アフリカツインは、コンパクトな並列2気筒エンジンを低い位置に搭載し、重量物を車体の中心に集める「マス集中化」を徹底しています。
この巧みな設計により、一度走り出してしまえば、スペック上の重たい数値から想像するよりもはるかに軽快で、ヒラヒラとコーナーをクリアしていく安定した走りを見せてくれます。
問題となるのは、やはりバイクが自立できない停車時や、エンジンを止めて押し引きするなどの極低速領域です。ここでは230kg超の物理的な重さが容赦なくライダーにのしかかります。
高いシート高も相まって、身長が170cm以下の方や、体力に自信のない方が坂道でバックさせたり、不整地で取り回したりするのは、相当な困難を伴う可能性があります。
結論として、「でかい」は本当です。しかし、それは単なるネガティブな要素ではありません。その大きさこそが、高速道路を矢のように突き進む圧倒的な直進安定性や、横風にも動じない安心感、そしてライダーをしっかりと守ってくれるような存在感に繋がっているのです。問題は、その「大きさ」がもたらす恩恵と代償を天秤にかけ、あなたが後者を許容できるかどうか、という点に尽きるのです。
街中でのすり抜けは得意ではないのか

ロングツーリングで絶大な信頼性と快適性を誇るアフリカツインですが、その巨体が活躍の場を移し、日本の都市部における日常的な街乗り、特に交通渋滞時の「すり抜け」となると、残念ながら得意分野とは言えません。
その最大の理由は、やはり絶対的な車体の大きさにあります。全幅が960mm(Adventure Sports)にも達する大柄な車体は、大型バイクの中でもトップクラスのボリューム感を持ちます。
特にハンドル幅が広く設計されているため、乗用車のドアミラーとほぼ同じ高さにグリップが来ることが多く、渋滞中の車列の間を縫うように進むには、かなりの集中力と熟練した技術、そして何より勇気が必要とされます。
さらに、純正オプションのパニアケースを装着した場合、その車幅は1m近くにまで拡大し、物理的にすり抜けはほぼ不可能となります。加えて、230kgを超える車重は、信号待ちからの発進と停止が頻繁に繰り返される市街地では、じわじわと、しかし確実にライダーの体力を奪っていきます。最小回転半径も2.6mと、小回りが利くとは言えない数値です。
都市部での利用には相応の覚悟と慣れが必要
もしあなたのバイクライフが、通勤や買い物といった街乗りをメインに構成されるのであれば、アフリカツインの大きさや重さは明確なデメリットとして常に付きまとう可能性があります。また、都市部では駐車場の確保も深刻な課題です。
多くのバイク用駐輪場は中型バイクまでを想定したサイズであり、アフリカツインの巨体では枠内に収まらない、あるいは入庫を断られるといったケースも少なくありません。その万能性を、街中では十分に発揮しきれないかもしれないのです。
CRF1100L アフリカツインの隠れた欠点とは
足つきや重さといった、カタログスペックからも想像しやすい物理的な課題以外にも、実際に所有してみて初めて気づくような、いわば「隠れた欠点」もいくつか存在します。
その筆頭が、年々進化する電子制御の複雑さです。最新のアフリカツインには、ライディングモード、セレクタブルトルクコントロール(トラクションコントロール)、エンジンブレーキ制御、ウィリーコントロール、そして上級グレードには電子制御サスペンション(ES)など、非常に多くの電子デバイスが搭載されています。
これらを完璧に使いこなせば、あらゆる路面で最適な走りを得られますが、設定項目が多岐にわたり、その組み合わせは無数に存在します。機能を完全に理解し、自分好みのセッティングを見つけ出すまでには、かなりの時間と試行錯誤が必要になるでしょう。人によっては、この複雑さが面倒に感じてしまうかもしれません。
また、スタンダードモデルに採用されているチューブタイヤも、一部のライダーにとっては欠点となり得ます。オフロードでのリム打ちパンクに強いというメリットはありますが、万が一釘などを踏んでパンクした場合、チューブレスタイヤのように簡易的な修理キットで応急処置をすることが困難です。ツーリング先でのパンクは、レッカーサービスを呼ばざるを得ない状況に直結する可能性が高いのです。
さらに、ハイテク化が進んだことによる故障時の修理費用の懸念も無視できません。特に電子制御サスペンションや、Apple CarPlayにも対応した大型TFT液晶メーターなどの電子部品は非常に高価です。保証期間が過ぎた後、万が一これらの部品にトラブルが発生した場合、数十万円単位の高額な出費を覚悟しなければならない可能性もあります。
一方で「最高の相棒」になる!アフリカツインの真価
ネガティブな評判がある一方で、多くのアフリカツインオーナーが「最高の相棒だ」と絶賛するのもまた事実です。ここでは、その評価の根幹にある、このバイクが持つ本当の価値、特に長距離ツーリングで発揮される圧倒的な性能と、唯一無二の快適性を生み出すDCTの魅力に迫ります。
ロングツーリングでは最高の相棒になる

「つまらない」という評価を真っ向から覆すのが、ロングツーリングにおけるアフリカツインの圧倒的なパフォーマンスです。このステージにおいて、アフリカツインが最高の相棒であることに異論を唱える経験豊富なライダーは、おそらくほとんどいないでしょう。
その理由は、ホンダが長年培ってきた人間工学に基づき、徹底的に考え抜かれた快適設計にあります。背筋を伸ばして自然に座れるアップライトなライディングポジションは、長時間の運転でも腰や肩への負担を最小限に抑え込みます。
特に大型のウインドスクリーンを標準装備するAdventure Sportsモデルでは、ライダーに当たる走行風を劇的に軽減し、高速道路での巡航を驚くほど穏やかで快適な時間に変えてくれます。
実際に多くのオーナーから、「1日に500km、600kmと走っても、まだ走り足りないと感じるほど心身ともに楽」という声が上がっています。振動の少ない並列2気筒エンジンは、低回転から実に滑らかでトルクフル。ギクシャクすることなく扱いやすいため、ライダーは無駄な神経を使わずに雄大な景色を心ゆくまで楽しむ余裕が生まれます。
さらに、特筆すべきはホンダ独自のAT機構であるDCT(デュアル・クラッチ・トランスミッション)の存在です。クラッチ操作とシフトチェンジから完全に解放されることで、特に渋滞路や疲労が蓄積したツーリング終盤での負担が大幅に軽減されます。この快適さは一度体験すると元には戻れないほどの魅力を持っています。(出典:本田技研工業株式会社 DCT技術解説ページ)
燃費性能もこのクラスとしては優秀な部類に入り、WMTCモード値でリッターあたり約20kmを記録。24.8Lの大容量燃料タンクを持つAdventure Sportsモデルであれば、計算上無給油で450km以上の航続が可能です。給油回数を気にせず走り続けられるこの安心感も、長旅においては非常に大きなメリットとなります。
アドベンチャーバイクの本来の目的である「未知の場所へと向かう冒険の旅」を考えたとき、一瞬の刺激よりも、どんな状況でもライダーを支え続ける信頼性や快適性が何よりも重要になります。その意味で、アフリカツインはまさに「旅をするため」に生まれた、究極のツーリングマシンだと言えるのです。
DCTが生み出す唯一無二の快適性
CRF1100Lアフリカツインの快適性を語る上で、ホンダ独自の先進技術であるデュアル・クラッチ・トランスミッション(DCT)の存在は欠かせません。一部では「バイクは自分で操ってこそ楽しい」という意見から敬遠されることもありますが、こと長距離ツーリングにおいては、このDCTがもたらす恩恵は計り知れないものがあります。
最大のメリットは、ライダーをクラッチ操作とシフトチェンジという煩わしさから完全に解放してくれる点です。特に渋滞路や、ストップ&ゴーが続く市街地、そして疲労が蓄積してくるツーリングの終盤において、左手が疲労しないというだけで運転の負担は劇的に軽減されます。エンストの心配も皆無です。
しかし、DCTの真価は単なる「楽」だけではありません。変速操作をバイクに任せることで、ライダーはスロットルやブレーキ、車体のバランスコントロールといった、ライディングそのものにより深く集中できるようになります。これにより、安全性が向上するだけでなく、周囲の景色を楽しみ、路面状況を的確に読み取る余裕が生まれ、ツーリング全体の質を格段に高めてくれるのです。
DCTがもたらす3つの「快適」
- 肉体的な快適:クラッチ操作が不要なため、特に左手の疲労が全くない。
- 精神的な快適:変速タイミングやエンストの心配から解放され、心に余裕が生まれる。
- 操作的な快適:走行モード(Dモード/Sモード)や手元のスイッチによる手動変速も可能で、オートマの安楽さとマニュアルの操作感を両立している。
このDCTが生み出す究極の快適性は、スペック表の数値だけでは決して分からない、CRF1100Lアフリカツインが持つ大きな魅力の一つです。一部のライダーが「つまらない」と感じるかもしれないイージーさの裏側には、ベテランライダーほど唸らせる、深く計算された「快適性」という名の楽しさが隠されています。
後悔しないために!購入前に知るべき現実的な課題と対策
アフリカツインの魅力と欠点を理解した上で、いよいよ具体的な購入検討の段階です。この章では、「買ってから後悔した」とならないために、避けては通れない立ちゴケ問題への具体的な対策や費用、そして賢く手に入れるための価格情報まで、現実的な視点で解説します。
必須?立ちゴケ対策と費用について

これまでの内容から総合的に判断すると、アフリカツインと末永く付き合っていく上で「立ちゴケ」は避けて通れない、いわば儀式のような課題だと言えるでしょう。
ベテランライダーであっても、ふとした瞬間にバランスを崩してしまう可能性は常にあります。そのため、納車と同時に、あるいは納車前に各種の立ちゴケ対策を施すオーナーが非常に多いのが実情です。
これは「転ばぬ先の杖」であり、万が一の際の金銭的・精神的ダメージを最小限に抑えるための賢明な投資です。
代表的な立ちゴケ対策パーツとその費用
対策パーツ | 概要と特徴 | 費用の目安 | メリット/デメリット |
---|---|---|---|
エンジンガード サイドパイプ | 金属製のパイプでエンジンやカウル周りを保護する最も効果的なパーツ。 | 5万円~10万円程度 | ◎:保護性能が最も高い。 △:重量が増加し、見た目がゴツくなる。 |
エンジンスライダー | エンジンケースなどに装着する小型のパーツ。転倒時に車体を滑らせて衝撃を分散させる。 | 1万円~3万円程度 | ◎:比較的安価で装着も手軽。 △:保護範囲が限定的で、大きなダメージは防げない。 |
ローダウンキット ローシート | サスペンションのリンクやシートを交換し、物理的にシート高を下げて足つきを改善する。 | 3万円~15万円程度 | ◎:足つきが劇的に改善し、安心感が向上する。 △:走行性能(乗り心地や旋回性)が変化する場合がある。 |
これらの対策を施すことで、不意の転倒でカウルやエンジンケースを破損させ、十数万円以上の高額な修理費用が発生するリスクを大幅に軽減できます。特にエンジンガードは、一度の転倒で元が取れる可能性が高く、精神的な安心感にも繋がるため、必須の装備と言っても過言ではありません。「自分は絶対に転ばない」と過信せず、愛車を守るための「保険」だと思って、ぜひ装着を検討してください。
購入前にチェックすべき価格と販売情報
アフリカツインが持つ唯一無二の魅力と、向き合うべきいくつかの課題を理解した上で、いよいよ具体的な購入検討の段階に入ります。新車か中古車か、予算はどれくらいか、そして少しでもお得に手に入れる方法はあるのか。
後悔のない、満足のいく選択をするために、事前に知っておくべきリアルな販売情報をまとめました。
新型1100の値引き交渉は可能か
多くの方が気になる新車購入時の値引きですが、結論から言うと、アフリカツインの新車購入時における大幅な車両本体価格からの値引きは、期待しにくいのが現状です。
これは、アフリカツインがホンダのラインナップの中でも特に人気が高く、性能やブランド力を理由に「指名買い」をする顧客が多いモデルであるためです。
ディーラー側も販売力に自信を持っているため、無理に値引きをしてまで販売台数を稼ぐ必要性が低いのです。一般的には、数万円程度の値引き、あるいは納車費用の一部サービスなどが限界、というのが多くの購入者の声です。
しかし、交渉の余地が全くないわけではありません。ただ「安くしてください」とお願いするのではなく、以下のようなタイミングや方法を駆使すれば、通常よりも好条件を引き出せる可能性があります。
値引き交渉を有利に進めるための3つのポイント
- 決算期(3月や9月)やボーナス商戦期を狙う
ディーラーが販売目標達成のために販売台数を一台でも多く積み上げたい時期は、通常期よりも交渉のテーブルにつきやすくなる傾向があります。 - オプションパーツやメンテナンスパックをセットで交渉する
車両本体価格の値引きが難しくても、「純正パニアケースを付けてくれるなら即決します」「最初の車検までのメンテナンスパックをサービスしてください」といった形で、用品やサービスでの実質的な値引きを狙うのは非常に有効な手段です。 - 複数のホンダドリーム店で見積もりを取る
同じホンダドリーム店でも、経営する法人が異なれば販売方針や値引き額も変わってきます。複数の店舗で見積もりを取り、「他店ではこの条件でした」と提示することで、競合意識を煽り、より良い条件を引き出すための強力な材料になります。
中古市場の価格動向と注意点
新車の価格に手が届かない場合や、初期投資を賢く抑えたい場合には、中古車が非常に有力な選択肢となります。アフリカツインは中古市場でも絶大な人気を誇り、流通しているタマ数も豊富なため、比較的希望の個体を見つけやすい状況です。
モデルごとの相場観と特徴
- CRF1000L(2016年~2019年モデル)
登場から年月が経ち、価格がこなれてきているのが最大の魅力です。コンディションの良い個体でも100万円前後から探すことが可能で、コストパフォーマンスは抜群です。電子制御は現行型に一歩譲りますが、アフリカツインらしいおおらかな走りの本質は十分に味わうことができます。 - CRF1100L(2020年~現行モデル)
排気量アップによる力強さと、洗練された最新の電子制御が魅力。高年式のものが多く、価格も150万円以上と高値で安定しています。予算に余裕があり、最新・最高の性能を求めるならこちらがおすすめです。特にAdventure Sports ESモデルは中古市場でも人気が高いです。
中古アドベンチャーバイク選びの重要チェックポイント
アドベンチャーバイクという特性上、前オーナーがオフロード走行を楽しんでいた可能性は常に考慮すべきです。購入時には、以下の点を特に念入りにチェックしましょう。
- 下回りやガード類の傷:エンジンガードやスキッドプレートに大きな傷や凹みがないか。これは激しい走行の痕跡である可能性があります。
- ホイールリムの状態:ダート走行で石などにヒットし、リムが歪んだり凹んだりしていないか確認します。
- 転倒の痕跡:ハンドルバーエンド、ブレーキ・クラッチレバー、ステップ、マフラーなどに不自然な傷がないか。立ちゴケだけでなく、走行中の転倒歴も推測できます。
もちろん、最も重要なのは信頼できる販売店を選ぶことです。整備記録がしっかりと残っており、保証制度が充実している車両を選ぶことが、安心して長く乗り続けるための鍵となります。
アフリカツインの歴史|旧型は生産終了した?

「アフリカツインって生産終了したんじゃなかった?」リターンライダーの方から特に多く聞かれるこの疑問。ここでは、アフリカツインが持つ長い歴史を振り返りながら、その噂の真相について分かりやすく解説します。
アフリカツインはいつ生産終了になりましたか?
この質問は、特に1980年代や90年代のバイクブームを経験したリターンライダーの方から多く聞かれます。その背景には、アフリカツインの長い歴史と、一度市場から姿を消した事実があります。
まず、結論として現行モデルの「CRF1100L Africa Twin」は生産終了しておらず、現在も改良を重ねながら販売されているホンダの主力人気モデルです。ご安心ください。
ではなぜ「生産終了」という情報が広まっているのか。それは、多くのリターンライダーの記憶に鮮烈に残っている、かつての旧世代モデルの存在が理由です。
- 初代アフリカツイン(型式名:XRV650/XRV750)
1988年に、当時世界で最も過酷なラリーと言われた「パリ・ダカールラリー」で無敵を誇ったワークスマシンNXR750のレプリカモデルとして鮮烈にデビューしました。V型2気筒エンジンを搭載し、「砂漠の覇者」のイメージを色濃く反映したこのXRVシリーズは、ファンに惜しまれつつも2000年代初頭にその歴史に一度幕を下ろしました。
その後、約10年以上の長いブランク期間を経て、市場のアドベンチャーバイクブームに応える形で、2016年に全く新しいコンセプトの並列2気筒エンジンを搭載した「CRF1000L Africa Twin」として劇的な復活を遂げました。
そして、さらなる進化を遂げたのが現行のCRF1100Lというわけです。したがって、「アフリカツインが生産終了した」という情報は、この輝かしい歴史を持つ旧型モデル(XRV)を指している場合がほとんどなのです。
ちなみに、2019年12月1日からは道路交通法施行規則の一部改正により、DCTモデルなどのクラッチ操作を必要としない二輪車は、排気量に関わらずAT限定大型二輪免許で運転できるようになりました。(出典:千葉県警察「AT限定免許で運転できる二輪車の上限排気量の撤撤について」)これにより、より多くのライダーがアフリカツインの走りを楽しめるようになっています。
CRF1100L アフリカツインに関するよくある質問(Q&A)
この記事の締めくくりとして、アフリカツインの購入を検討されている方から特に多く寄せられる疑問について、Q&A形式で簡潔にお答えします。
Q. 結局のところ、アフリカツインは初心者やリターンライダーには難しいバイクですか?
A. はい、「乗りこなすにはある程度の慣れと対策が必要なバイク」と言えます。特に、足つき性の問題と230kgを超える車重は、初心者や体力に自信のない方にとって大きなハードルとなる可能性があります。立ちゴケのリスクは常に意識する必要があります。
しかし、エンジン特性は非常に穏やかで扱いやすく、一度走り出してしまえば安定感も抜群です。また、DCT(デュアル・クラッチ・トランスミッション)モデルを選べばクラッチ操作が不要になるため、運転への集中力が高まり、エンストの心配もありません。エンジンガードの装着やローダウンといった対策を前提に、ご自身の体格とスキルを客観的に判断できれば、初心者やリターンライダーの方でも十分に楽しむことが可能です。
Q. DCTモデルとマニュアル(MT)モデルは、どちらがおすすめですか?
A. これはライダーの好みやバイクを主に使用するシーンによって最適な選択が変わるため、一概にどちらが良いとは言えません。それぞれの特徴は以下の通りです。
DCTモデル メリット:クラッチ操作不要で疲労が激減し、運転に集中できます。特に渋滞路やオフロードでの恩恵が大きいです。
デメリット:車両価格が約11万円高く、車重も約10kg重くなります。また、バイクを意のままに操る感覚はMTに劣る場合があります。
こんな人におすすめ:ツーリングでの快適性を最優先する方、渋滞の多い都市部での利用が多い方、クラッチ操作に煩わしさを感じる方。
MT(マニュアル)モデル メリット:自分の意思でシフトを操るダイレクト感が楽しめます。車両価格が安く、車重も軽いです。
デメリット:長距離や渋滞路では左手の疲労が溜まりやすくなります。
こんな人におすすめ:バイクを積極的に操る楽しさを求める方、少しでもコストを抑えたい方、シンプルな機械構造を好む方。
ツーリングでの快適性や利便性を重視するならDCT、バイクとの一体感や操る楽しさを優先するならMTがおすすめの選択となるでしょう。
Q. 年間の維持費はだいたいどれくらいかかりますか?
A. 年間の走行距離やメンテナンスの内容によって大きく変動しますが、一般的な目安として年間15万円~25万円程度を見ておくと良いでしょう。主な内訳は以下の通りです。
税金・保険料:約3万円~(軽自動車税:6,000円、自賠責保険、任意保険料)
メンテナンス費用:約5万円~10万円(オイル交換:2回/年、タイヤ交換:2年に1回と仮定)
燃料費(ガソリン代):約7万円(年間1万km走行、燃費20km/L、ガソリン価格140円/Lで計算)
その他:高速道路料金や駐車場代など
特にアドベンチャーバイクはタイヤの価格が高価な傾向にあります。また、DCTモデルは専用のフィルター交換など、MTモデルにはないメンテナンス項目があることも念頭に置いておくと安心です。
Q. Adventure Sports(アドベンチャースポーツ)とスタンダードモデルの具体的な違いは何ですか?
A.スタンダードモデルがオフロード寄りの軽快さを重視しているのに対し、Adventure Sportsはより長距離ツーリングでの快適性と機能性を高めた上級モデルという位置づけです。主な違いは以下の通りです。
燃料タンク容量 スタンダード:18L
Adventure Sports:24.8L(大容量)
ウインドスクリーン スタンダード:ショートタイプ(固定式)
Adventure Sports:大型タイプ(5段階調整式)
タイヤ スタンダード:チューブタイヤ
Adventure Sports:チューブレスタイヤ
その他装備 スタンダード:小型キャリア
Adventure Sports:大型アルミキャリア、コーナリングライト、電子制御サスペンション(ESモデル選択可)
特に燃料タンクの容量と大型スクリーンの有無は、長距離ツーリングでの快適性に直結する大きな違いです。高速道路を多用するツーリングがメインであれば、Adventure Sportsの方が満足度は高くなるでしょう。
Q. ライバル車種と比べて、アフリカツインの一番の強みは何ですか?
A. BMWのGSやヤマハのテネレ700など、魅力的なライバルがひしめく中で、アフリカツインが持つ最大の強みは「圧倒的な信頼性と、高次元でバランスされた総合力」にあります。
GSのような突出したブランドイメージや豪華さ、テネレのようなオフロードに特化した軽快さとは一線を画し、オンロードでの快適なツーリング性能と、本格的なオフロード走破性という、ともすれば相反する要素を「ホンダらしく真面目に」両立させています。
「どんな道でも安心して、どこまでも走っていける」という、アドベンチャーバイクの原点ともいえる価値を最も忠実に、そして高いレベルで実現している点が最大の魅力です。また、ライバルと比較してコストパフォーマンスに優れる点も、多くのライダーに選ばれる理由の一つと言えるでしょう。
結局アフリカツインはつまらないのか

この記事では、CRF1100L Africa Twinが一部で「つまらない」と言われる理由の深層から、所有して初めてわかる具体的な欠点、そして後悔しないための購入前のチェックポイントまで、網羅的に、そして詳しく解説してきました。
全ての情報を踏まえた上で、今、あなたの目にはアフリカツインがどのようなバイクとして映っているでしょうか。
- 「つまらない」という評価は過激な刺激を求める一部の声であり、その本質は究極の信頼性と万能性にある
- 高速道路を使ったロングツーリングや未知の道へと分け入る冒険の旅が目的なら、これ以上ない最高の相棒になり得る
- 「でかい」「重い」という物理的な欠点は紛れもない事実であり、それを克服する覚悟と立ちゴケ対策は必須と心得るべき
- 主な用途が都市部の通勤や近距離移動である場合、その性能を十分に発揮できず、ストレスを感じる可能性がある
- 購入を決める前には、必ず自分の体格や体力、そしてバイクに何を求めるのかを自己分析することが後悔しない最大の秘訣
最終的に、アフリカツインがつまらないと感じるかどうかは、他の誰でもない、あなた自身がバイクに何を求めるかによって大きく変わります。
もしあなたが、アドレナリンが沸き立つようなヒリヒリする速さや刺激ではなく、地球の果てまで走り続けていけるような絶対的な安心感と、旅先での新しい発見、そして愛車との対話を楽しむ時間を求めるのであれば、アフリカツインは決してあなたを裏切らない、生涯の友となり得るでしょう。
この記事を読んで、あなたの心に少しでもアフリカツインへの興味や情熱の火が灯ったのなら、ぜひ次のステップに進んでみてください。まずは中古車情報サイトで現在のリアルな相場をチェックしたり、最寄りのホンダドリーム店に足を運び、その巨体に実際にまたがってみることを強くお勧めします。
そして可能であれば、いや、必ず試乗をしてください。机上のスペックや他人の評価だけでは決して分からない、CRF1100L Africa Twinが持つ本当の魅力とおおらかさを、あなた自身の五感で確かめることが、後悔しないバイク選びの、最も確実で、そして何より楽しい一歩となるはずです。