こんにちは。「motofrontier」の「マコト」です。
今回は、ホンダの人気ミドルクルーザー「レブル500」について、特に高速道路でのパフォーマンスや長距離移動の実力に徹底的にフォーカスしてお話しします。
実際にこれから購入を検討されている方の中にも、レブル500の最高速がどのくらい出るのか気になったり、高速道路での走行はきついのではないかと不安に感じている方が非常に多いようです。
おそらく皆さんが本当に知りたいのは、サーキットでの限界速度のような数字上のスペックではなく、実際のツーリングシーンで追い越し車線を走れる余裕があるのか、あるいは長距離移動で疲れてしまわないか、といった「リアルな実用性」ではないでしょうか。
あなたは今、こんなことで悩んでいませんか?
- ✅レブル250だと高速道路での合流や追い越しが怖そうで不安を感じている
- ✅レブル500なら高速巡航でも振動や風圧は楽になるのか、具体的な体感を知りたい
- ✅大型バイクの免許を取ったけれど、重いバイクは取り回しが不安で扱えるか心配
- ✅実際に所有した場合、スプロケット交換などの対策が必要なのか、維持費はどうなのか気になる
もし一つでも当てはまったなら、この記事があなたの疑問をすべて解決します。
レブル500の最高速と実用性能

まずは、レブル500が持つポテンシャルについて、カタログスペックという客観的な数値と、実際の走行感覚という主観的な両面から深く掘り下げていきます。単なる数値の羅列ではなく、実際に日本の公道を走るライダーとして「使える速さ」なのかどうかを判断する材料にしてください。
エンジンスペックと公称値の有無
最初に結論からお伝えすると、ホンダ公式からはレブル500の「最高速度」という数値は公表されていません。これはレブルに限らず、ほとんどの市販車で同様です。メーカーが保証するのはあくまで法定速度内での性能であり、最高速は環境要因に大きく左右されるためです。
レブル500が搭載しているのは、排気量471ccの水冷4ストロークDOHC直列2気筒エンジン(PC60E型)です。
このエンジンは、ボア×ストロークが67.0mm×66.8mmとほぼスクエアに近い設計となっており、特定の回転域だけが鋭いのではなく、下から上まで非常にフラットで扱いやすい出力特性を持っています。いわゆる「高回転型」ではありませんが、その分、日常使う回転域での粘り強さが際立っています。
あくまで参考値となりますが、海外のオーナーフォーラムやクローズドコースでの走行動画などの情報を統合すると、メーター読みでの最高速は概ね160km/h(約100mph)前後という報告が最も一般的です。
条件が良ければこれを超えるケースもあるようですが、空気抵抗が大きくなるネイキッドスタイルであるため、140km/hを超えたあたりから加速の伸びは緩やかになる傾向があります。
フェアリング(カウル)を持たない車体形状では、空気の壁が物理的なリミッターとして機能してしまう側面もあります。
【日本の道路事情における意味】
ただ、私たち日本のライダーにとって重要なのは、この「160km/h」という限界値ではありません。大切なのは、日本の高速道路の制限速度(100km/hや新東名などの120km/h)の範囲内で、エンジン出力の何割を使っているかという点です。
限界ギリギリで走る100km/hと、余力を残して流す100km/hでは、疲労度は雲泥の差となります。レブル500の場合、最高速付近まで使わずとも法定速度内であればエンジンの「美味しいところ」を使って余裕で走れる設計になっています。
100km巡航での振動や加速の体感
では、実際に高速道路を100km/hで巡航したときの感覚はどうでしょうか。数字だけでなく、五感で感じるフィーリングについて解説します。
私自身の経験や多くのオーナーさんの声を総合すると、「100km/h巡航は全く問題なく、むしろ快適なスイートスポット」という評価に落ち着きます。
この速度域では、エンジンは悲鳴を上げるような高回転には達しておらず、まだスロットル開度には十分な余力が残されています。そのため、100km/hで走行している状態からでも、追い越しのためにアクセルを捻れば、シフトダウンをせずともスムーズに車速を乗せることができます。
また、振動に関しても非常に優秀です。2気筒エンジン特有の「ドコドコ」とした心地よい鼓動感はありますが、ハンドルを持つ手が痺れて感覚がなくなったり、ミラーがブレて後方が見えなくなったりするような不快な高周波振動は、バランサーシャフトの効果もあってかなり抑えられています。
「振動がない」のではなく、「心地よいパルス感」として楽しめるレベルに調律されているのは、さすがホンダのエンジニアリングだと感じさせます。
ただし、路面の継ぎ目などを乗り越える際の衝撃吸収性に関しては、リアサスペンションのストローク量がクルーザー特有の短さであるため、アドベンチャーバイクのような「魔法の絨毯」のような乗り心地ではありません。
突き上げ感は多少ありますが、シートのクッション性が年式改良ごとに向上しているため、1〜2時間程度の連続走行でお尻が痛くなることは少ないでしょう。
レブル250と比較したパワーの差
「車検のない250cc(MC49)にするか、余裕のある500cc(PC60)にするか」で迷っている方も多いと思います。外観のサイズ感がほぼ同じであるため余計に悩みますが、走りの質を決定づけるのは「トルク」の違いです。
| モデル | 最高出力 | 最大トルク | 車両重量 |
|---|---|---|---|
| レブル 250 | 19kW (26PS) | 22N・m | 171kg |
| レブル 500 | 34kW (46PS) | 43N・m | 191kg |

表を見ていただくと分かる通り、馬力もさることながら、最大トルクが約2倍(22N・m vs 43N・m)も違います。これは、高速道路への合流加速や、長い上り坂での追い越し時に、決定的な差となって現れます。
例えば、250ccだと上り坂の追い越し車線で速度を維持するために、ギアを5速や4速に落としてエンジンを唸らせながら「頑張って」加速するような場面があります。
しかし、500ccなら6速(トップギア)に入れたまま、アクセルを少し開け足すだけで「ググッ」と力強く前に出てくれます。この「操作の少なさ」と「エンジンの静けさ」が、1日300kmを超えるような長距離ツーリングでの疲労蓄積を大幅に軽減してくれるのです。
また、タンデム(二人乗り)やキャンプ道具を満載した状態での走行では、このトルク差がさらに顕著になります。250ccでは積載量が増えると発進や加速で重さを感じやすくなりますが、500ccはその程度の重量増ではびくともしない太いトルクを持っています。「荷物を積んで遠くへ行きたい」という目的があるのなら、間違いなく500ccが有利です。
高速道路での走行はきついのか
検索キーワードにある「レブル500 高速道路 きつい」という不安に対し、ここまでの解説を踏まえて回答するなら、エンジンのパワー不足という意味での「きつい」は明確に「NO」です。エンジン自体には、日本の公道で必要とされる以上の十分な余裕があります。
しかし、「きつい」と感じる要因が全くないわけではありません。それはエンジン性能ではなく、クルーザー特有のライディングポジションと、走行風の影響に起因するものです。
エンジンは元気いっぱいでまだまだ走れるのに、ライダー自身の体力(特に首や腹筋)が風圧によって削られてしまうケースが多いのです。
特に、高速道路での「巡航」ではなく「渋滞」に巻き込まれた場合を想像してみてください。レブル500のクラッチはアシスト&スリッパークラッチを採用しているため非常に軽いですが、それでも長時間の半クラッチ操作は疲れます。
また、クルーザーポジションは腰への負担がかかりにくいと言われますが、ずっと同じ姿勢で座り続けることによるお尻の痛みや、走行風に耐える首の疲れは避けられません。
つまり、「バイクの性能がきつい」のではなく、「ネイキッドクルーザーという形状ゆえの物理的な環境がきつい」場合がある、と理解しておくのが正確でしょう。
※「きつい」の正体(疲労の原因)と、最小コストでできる快適化を解説した記事はこちら:レブル500で高速はきついのか徹底検証|疲労の原因と最小コストで快適化する現実解
高速走行時の回転数と風圧の影響
ここでは、より具体的な数値や物理的な要因から、高速巡航時の快適性を分析します。回転数を知ることでエンジンのうなりをイメージし、風圧への対策を知ることで実際の疲労度を予測してみましょう。

6速100km走行時のエンジン回転数
高速道路を長時間走る際、エンジンがどれくらいの回転数で回っているかは、振動や騒音、そして精神的な余裕に直結します。レブル500の変速比(1.043)、一次/二次減速比、そしてリアタイヤサイズ(150/80-16)から計算した理論上の回転数目安は以下のようになります。
【6速(トップギア)での回転数目安】
- 80km/h走行時:約3,700rpm
- 100km/h走行時:約4,630rpm
- 120km/h走行時:約5,560rpm

レブル500の最大出力発生回転数は8,500rpm、レッドゾーンはさらに高い位置にあります。つまり、100km/hで走行していても、エンジン回転数は約4,600回転付近と、能力の半分程度しか使っていないことになります。
エンジンが唸り声を上げて必死に回っている感覚は皆無で、心地よい排気音を聞きながら平和にクルージングできる領域です。
これが250ccクラスだと、100km/hでかなり高回転域(6,000〜7,000rpm以上)を使用することになり、振動も騒音も大きくなりがちです。高回転を維持し続けることは、機械的な負荷だけでなく、ライダーの精神的な焦燥感にも繋がります。
この「回転数の低さ」こそが、500ccを選ぶ大きなメリットであり、大人の余裕を感じさせるポイントと言えます。
風防やスクリーンでの風圧対策
先ほど触れた「きつい」の正体、その大部分は風圧です。レブル500はフェアリング(カウル)を持たないネイキッドスタイルのクルーザーであり、かつアップライトなハンドル位置によってライダーの上半身は垂直近くまで起きています。そのため、走行風をまともに胸やヘルメット全体で受け止める構造になっています。
物理的に、空気抵抗は速度の2乗に比例して増大します。80km/hまでは心地よい風でも、100km/h、120km/hとなるとその圧力は急激に高まります。
短時間なら「風を感じる」楽しみですが、1時間、2時間と走り続けると、風圧を支えるために無意識に腹筋や背筋が緊張し続け、ボディーブローのように体力を奪っていきます。
高速道路を頻繁に利用するつもりなら、納車時やカスタムの早い段階で、社外品のスクリーン(カウル)やメーターバイザーの装着を検討することを強くおすすめします。
小ぶりなバイザーひとつ追加するだけでも、胸元への風の直撃が減り、驚くほど巡航が楽になります。スタイルを崩したくない場合は、必要時だけ脱着できるデタッチャブルタイプも販売されています。
高速巡航で感じる疲労の実態
疲労の原因は風圧だけではありません。レブル特有の「足を前に投げ出すフォワードコントロールに近いポジション」も関係してきます。
一般的なネイキッドやスポーツバイクは、ステップの位置が体の真下近くにあり、足で踏ん張ったり、膝でタンクを挟む(ニーグリップ)ことで体を安定させやすい構造です。
しかしレブルは、ニーグリップこそ可能ですが、タンク形状がスリムで足が前方にあるため、下半身でのホールド感はやや希薄になりがちです。これにより、お尻だけで体重を支える比率が高くなります。
そのため、橋の上での強い横風や、大型トラックの横を通過する際の乱気流で車体が振られたとき、腕の力や体幹を使ってバランスを取る必要があります。
レブル500は車重が191kgあり、250ccよりはどっしりとしていて直進安定性は高いですが、それでも重量級ツアラーのような「何があっても動じない安定感」とは性質が異なることを理解しておく必要があります。1時間に1回はSA/PAで休憩を取り、ストレッチをすることで、これらの疲労は大幅に軽減できます。

スプロケット16丁化による変化
レブル500オーナーの間で、高速巡航をより快適にするための「定番カスタム」として知られているのが、ドライブスプロケット(フロントスプロケット)の丁数変更です。純正の15丁から16丁へ、歯数を1つ増やすカスタムです。
具体的には、ギア比がロング(高速寄り)になることで、同じ速度で走っていてもエンジンの回転数を約6%ほど下げることができます。計算上、100km/h巡航時の回転数が4,630rpmから4,340rpm付近まで落ちることになります。
たかが300回転と思うかもしれませんが、長時間の巡航ではこの差が効いてきます。エンジンの微振動がさらに減り、燃費が向上し、巡航がより静かでマイルドになります。「もう幻の7速を探さなくて済むようになった」という感想を持つオーナーも多いです。ただし、メリットばかりではありません。
【16丁化のデメリットと注意点】
- 後輪に伝わる駆動力が下がるため、加速の「パンチ力」はわずかにマイルドになる
- 1速もロングになるため、発進時の半クラッチ操作が少しシビアになる場合がある(特にタンデム時)
- チェーンガイドプレートと干渉する場合があり、加工が必要なケースがある
- 速度計の誤差やABSへの影響が出る可能性(※車種や年式による)
これらの特性を理解した上で、高速道路の使用頻度が極端に高いユーザーにとっては、非常に満足度の高いカスタムと言えます。実施する際は、ショップで相談し、法規や安全性に配慮して行うようにしてください。
快適性を高める運用と最終結論
最後に、他の選択肢との比較や維持費の面から、レブル500があなたにとってベストな選択肢かどうかを整理します。総合的なバランスを見ていきましょう。

レブル1100と迷う場合の判断基準
レブルシリーズの頂点である「レブル1100」も非常に魅力的です。特にDCT(デュアル・クラッチ・トランスミッション)モデルなら、クラッチ操作からも解放され、1100ccの大トルクでオートマチックに旅を楽しめます。価格差も排気量の割には小さいため、どちらにするか悩むのは当然です。
判断の分かれ目は「取り回し」と「用途の比率」です。1100は圧倒的なパワーで高速巡航はさらに楽で、クルーズコントロールなどの装備も充実していますが、車重は220kg〜230kgを超えてきます。
一方、レブル500は191kg。この約30kg〜40kgの差は、日常の街乗りや、ふらっと入った狭い路地でのUターン、自宅駐輪場での出し入れにおいて、心理的なハードルとして大きくのしかかってきます。
「週末は必ず高速を使って数百キロ先の遠方へ行く」というツーリング特化型なら1100が幸せになれます。しかし、「平日は街乗りや通勤にも使い、月に数回高速ツーリングを楽しむ」というバランス型なら、500の「軽すぎず重すぎない、ちょうどいいサイズ感」は最強の武器になります。パワーを持て余すことなく、日本の道路事情にジャストフィットするのは500の方かもしれません。
なお、1100側の「欠点」や「後悔しやすいポイント」も知った上で比較したい方は、こちらも参考になります:【オーナーの本音】レブル1100の欠点と後悔しないための全知識
車検や燃費など維持費の現実
レブル500を選ぶ上で避けて通れないのが「車検」の存在です。排気量が400ccを超えるため、2年に1度の車検義務が発生します。これを嫌って250ccを選ぶ方も多いでしょう。
しかし、ランニングコスト全体で見ると、レブル500は非常に優秀です。燃費性能に関しては、実燃費でもリッターあたり25km〜30km前後走るという声が多く、タンク容量(約11L)でも300km近い航続距離を確保できます。
また、使用燃料はレギュラーガソリン仕様です。大型バイクの中にはハイオク指定や燃費が悪いモデルも多い中、レブル500は経済的優等生です。
車検費用を月割りにすれば数千円程度です。この金額を「高速道路を余裕を持って安全に走るための保険料」や「長距離移動での疲れにくさを買う費用」と考えれば、決して高い出費ではないはずです。特に体力に自信のない方や、長くバイクを楽しみたい方にとって、この「楽さ」はコスト以上の価値をもたらしてくれます。

「維持費・燃費・タンク容量」「買ってから後悔しやすいポイント」まで含めて整理した記事はこちら:レブル500を買って後悔する理由とは?大型に見えない外観の真実と2025年新型の徹底解説
【Q&A】レブル500の高速走行でよくある質問
ここでは、実際にレブル500を検討している方からよく聞かれる、高速道路走行に関する疑問にお答えします。
Q. 高速道路での二人乗り(タンデム)はパワー不足を感じませんか?
A. 全く問題ありません。
250ccでは合流や上り坂でパワー不足を感じてヒヤッとすることがありますが、レブル500のトルク(43N・m)なら、大人2人が乗車していてもスムーズに法定速度まで加速できます。ただし、リアサスペンションが沈み込みすぎる場合があるため、タンデム時はプリロードを硬めに調整することをおすすめします。
Q. 大型免許を取り立てですが、いきなり高速に乗っても大丈夫ですか?
A. 初心者の方にこそ、おすすめできるモデルです。
レブル500はシート高が690mmと非常に低く、両足がべったりつくため、料金所や渋滞での停止時に「立ちゴケ」するリスクが極めて低いです。この安心感は、高速道路での緊張を大きく和らげてくれます。まずは左車線をキープして、風圧に慣れることから始めてみてください。
Q. 高速道路だけ燃費が悪くなったりしませんか?
A. むしろ、高速巡航の方が燃費は伸びる傾向にあります。
ストップ&ゴーの多い街乗りとは異なり、6速トップギアで一定速度で走り続ける高速道路では、リッター30kmを超える数値を記録することも珍しくありません。無給油で東京から名古屋手前まで行けるほどの航続距離があります。
レブル500の最高速と総評まとめ

ここまで見てきた通り、レブル500は最高速を競うようなハイパフォーマンスバイクではありませんが、日本の道路事情においては「必要十分以上の余裕」を持った、極めて実用性の高い頼れる相棒です。
- 最高速の公称値はないが、実用域での加速性能は日本の高速道路で完全にストレスフリーである
- 100km/h巡航は約4,600回転とエンジンの余力が十分にあり、振動も少なく快適
- 250ccと比較して約2倍のトルクがあり、合流や追い越し、登坂路での「楽さ」が段違い
- 高速巡航の疲労対策には、エンジンよりも風圧対策(スクリーン装着)が最も効果的
- 街乗りでの扱いやすさと、高速道路での安定感を高次元で両立させた「丁度よい」バランス
もしあなたが「250ccでは高速道路が怖くて遠出をためらっているけれど、大型バイクの重さやパワーには気後れしてしまう」と感じているなら、レブル500こそが、その隙間を完璧に埋めてくれる理想の一台になるはずです。
その余裕ある走りは、あなたの行動範囲をきっと今まで以上に広げてくれることでしょう。ぜひ一度、レンタルバイクなどでその「ちょうどいい余裕」を体感してみてくださいね!