夏のうだるような暑さの中、信号待ちでジワジワと手汗をかき、スロットルやブレーキレバーが滑ってヒヤッとした経験はありませんか。
少しでも涼しくしたいからと素手や薄すぎる軍手で乗ってしまう気持ちも分かりますが、万が一の転倒時にアスファルトと直接触れ合うことを考えると、非常に危険な状態です。
実は、夏を快適かつ安全に乗り切るためには、ただ涼しいだけでなく、通気性・操作性・保護性能の3つのバランスが取れた夏専用グローブを選ぶことが一番の近道になります。
この記事では、街乗りで快適なメッシュ素材から、大型バイクの雰囲気にも合いやすい本革パンチングレザーまで、夏用グローブを選ぶ際に確認しておきたいポイントを実用目線で解説します。
長距離ツーリング時の快適装備については、NC750Xの実用カスタム大全でも詳しく触れていますので、装備全体を見直したい方はあわせて参考にしてください。
この記事で解決できる夏用グローブの疑問
- 夏に専用グローブが必要な理由
- メッシュとパンチングレザーの違い
- 用途と車種に合うおすすめモデル
- 臭くなったグローブの正しい洗い方
夏のツーリングに「専用グローブ」が必要な理由
そもそも、なぜわざわざ夏用にバイクグローブを買い換える必要があるのでしょうか。理由は大きく分けて「操作性の維持」と「安全性の確保」の2つにあります。

汗によるグリップ滑りの恐怖
夏のツーリングでは、想像以上に手のひらに汗をかきます。素手や薄い手袋のまま運転していると、汗が潤滑剤のようになってしまい、ブレーキング時や細かなアクセルワークの際に手が滑ってしまうリスクが高まります。
夏用のバイクグローブは、手のひら側にスエードや人工皮革などの滑りにくい素材を採用しているため、汗をかいても確実なグリップ力をキープし、疲労軽減にも繋がります。
アスファルトの熱と転倒時の保護
真夏は最高気温が35℃以上になる猛暑日もあり、直射日光を受けた路面は非常に高温になります(出典:気象庁「気温について」)。万が一転倒して手をついた場合、素手であれば大怪我に直結してしまいます。
注意点
いくら暑くても、手を保護するプロテクターや耐摩耗性を備えた「バイク専用品」を装備することは、ライダー自身の身を守るための大切な備えです。警察庁も二輪車に乗る際は体の露出をなるべく少なくし、できるだけプロテクターを着用するよう呼びかけています(出典:警察庁「二輪車の安全利用の促進」)。
失敗しない夏用バイクグローブの選び方(3つの基準)
夏用グローブと一口に言っても、素材や機能は様々です。自分の走行スタイルに合わせて、以下の3つのポイントを基準に選んでみてください。

【素材】メッシュか、パンチングレザーか
夏用グローブの素材は、大きく2つのタイプに分かれます。
1つ目は、ナイロンなどの「メッシュ素材」です。圧倒的な通気性と軽さを誇り、走行風をダイレクトに取り込めるため、街乗りや通勤など少しでも涼しさを優先したいシーンに最適です。
2つ目は、本革に無数の穴を開けた「パンチングレザー」です。メッシュほどの涼しさはありませんが、万が一の際の引き裂き強度が高く、何より質感が良いため、大型バイクや長距離ツーリングをメインとする方に好まれます。特にネオクラシック系の車種が気になる方は、Z900RS総合ガイドのような車種記事と合わせて、バイクの雰囲気に合う装備を考えると選びやすくなります。

【機能】スマホタッチ対応は必須条件
見落としがちですが、現代のツーリングにおいて「スマートフォン操作への対応」は必須条件かなと思います。
ナビの行き先を変更したり、休憩中に連絡を確認したりするたびにグローブを着脱するのは、夏場は特にストレスが溜まります。人差し指や親指の先端に、導電性素材が使われているモデルを選びましょう。
注意点
当然ですが、走行中のスマートフォン操作や画面の注視は大変危険であり、交通違反になります。操作は必ず安全な場所にバイクを停車させてから行いましょう。
【防御】プロテクターの有無と配置
手の甲部分を守る「ナックルプロテクター」と、手のひらの付け根部分(転倒時に最も接地しやすい場所)を守る「パームスライダー」の有無を確認します。
メモ
カーボンやハードプラスチック製のプロテクターは安全性が高いですが、握り心地が硬く感じることもあります。操作性を重視するなら、衝撃吸収フォームなどのソフトプロテクター内蔵モデルがおすすめです。
夏用バイクグローブのおすすめモデル
ここからは、通気性やデザイン、保護性能のバランスに優れたおすすめの夏用グローブを用途別に紹介していきます。
通気性とコスパの王道!定番メッシュモデル
「まずは手軽に、しっかり涼しい専用グローブが欲しい」という方には、コミネやデイトナなどの定番メーカーから出ているフルメッシュグローブが選びやすいです。たとえばコミネ公式サイトでも、メッシュ生地やプロテクター内蔵など季節に応じたライディンググローブのラインナップが確認できます(出典:KOMINE公式「ライディンググローブ」)。
数千円台という比較的手の届きやすい価格ながら、ナックルガードとスマホタッチ機能を標準装備しているモデルが多く、非常にコストパフォーマンスに優れています。
手首部分が短い「ショート丈(ショートカフ)」のモデルを選べば、ジャケットの袖口から走行風が入りやすくなり、さらに涼しさを感じられます。
【迷ったらコレ!圧倒的コスパ】
数千円台で買える夏の王道モデルです。涼しいフルメッシュながら、スマホ対応&ハードプロテクター完備。初めての夏用グローブや、通勤・街乗り用として選んでおけば間違いありません。
大型バイクの風格に似合う!本革パンチングレザー
Z900RSやレブル1100といったクラシックやクルーザー系の大型バイクには、メッシュよりも本革(レザー)の重厚な質感が圧倒的に似合います。レブル1100のようなクルーザー系の雰囲気や用途を整理したい場合は、レブル1100の評価と真実も参考になるはずです。
RSタイチやデイトナの高級ラインからリリースされているパンチングレザーグローブは、指の股部分や甲に細かな通気穴が空いており、革の保護性能と夏の快適性を高い次元で両立しています。
【大型バイクの車格に負けない上質感】
しなやかで丈夫なヤギ革(ゴートスキン)に無数の通気穴を施した上質モデル。クラシックやクルーザーの風格にぴったり似合い、使い込むほどに自分の手の形に馴染んでいきます。
急なゲリラ豪雨に備える!夏向け防水・レイングローブ
夏のツーリングにつきものなのが、山の天気や突然のゲリラ豪雨です。
メッシュグローブは当然ながら一瞬で水浸しになるため、ロングツーリングに出かける際は、シートバッグの隅にコンパクトな「レイングローブ」を忍ばせておくことを強く推奨します。
夏用のレイングローブは保温材が入っていない薄手のもので十分です。透湿防水素材(ゴアテックスなど)を採用したモデルであれば、雨を防ぎつつ内側の蒸れを逃がしてくれるため不快感が軽減されます。
【ツーリングの必須装備】
透湿防水素材の最高峰「ドライマスター」などを採用したモデルです。外からの雨を完全に弾きつつ、中の手汗はしっかり外へ逃がしてくれます。お守り代わりにシートバッグに忍ばせておきたい一枚です。
なお、雨で濡れたグローブや車体まわりの装備は、帰宅後の乾燥も大切です。屋外保管時の湿気対策については、バイクの屋外保管は劣化する?大型バイクを雨・錆・盗難から守る現実的な対策でも詳しく解説しています。

夏用グローブのよくある質問(Q&A)
夏用グローブのメンテナンスや運用方法について、よくある疑問をまとめました。
快適な夏用グローブで灼熱のツーリングを安全に乗り切る
ここまで、夏のバイクライフを快適にするグローブの選び方とおすすめモデルについて解説してきました。
なお、夏のツーリングではグローブ選びだけでなく、休憩・水分補給・暑さを避ける工夫も欠かせません。厚生労働省も熱中症予防では水分補給と暑さを避けることの重要性を呼びかけています(出典:厚生労働省「熱中症を防ぎましょう」)。

記事の重要なポイントをまとめます。
この記事のポイント
- 汗による滑りや転倒時の怪我を防ぐため夏も専用品は重要
- 通気性重視ならメッシュ、質感と強度重視ならパンチングレザー
- 現代のツーリングではスマホタッチ機能の有無を必ず確認する
- インナーグローブを併用すると清潔さと快適性が大幅にアップする
「少し我慢すればいいか」と適当な手袋で夏を乗り切ろうとすると、操作ミスによる思わぬ事故や、転倒時の大きな怪我に繋がりかねません。
まずはご自身のバイクのスタイルや、街乗りメインかツーリングメインかといった用途に合わせて、最適なバランスの夏用グローブをじっくり比較検討してみてください。
信頼できる専用グローブを手に入れて、厳しい暑さの中でも安全で楽しいバイクライフを満喫してくださいね。
※本記事は執筆時点の情報に基づきます。価格・相場・仕様等は変更される場合がありますので、最新情報は必ず公式機関や販売店で直接ご確認ください。