体力的に重いバイクがキツくなってきたけれど、まだまだツーリングを存分に楽しみたい。そんなベテランライダーにとって、クラッチ操作から解放されるNC750XのDCTモデルは、まさに理想的な「上がりバイク」の候補ではないでしょうか。
しかし、新車は価格や納期の壁があり、中古を狙うにしても「歴代モデルの違い」や「DCTの故障リスク」「過走行でも大丈夫なのか」など、不安な点が多いですよね。
この記事でわかるNC750Xの中古選びの極意
- 超高耐久エンジンの特徴と寿命目安
- 歴代モデルの違いとおすすめの年式
- DCT中古車で絶対に確認すべき整備履歴
- お得な乗り換え予算を把握する手順
歴代の違いとNC750Xの中古相場傾向
NC750Xは2014年の登場以来、幾度かのモデルチェンジを経て熟成されてきました。ここでは、歴代モデル(RC72・RC90・RH09)の具体的な違いや、中古市場における相場の傾向について詳しく解説します。
四輪思想を受け継ぐ超高耐久エンジンの魅力
NCシリーズのエンジンは、四輪車「フィット」のエンジンを半分にするという斬新な着想から開発がスタートしたと言われています。最終的には専用設計の直列2気筒エンジンとなりましたが、その「低燃費・低負荷・実用回転域重視」という四輪由来のタフな設計思想はしっかりと受け継がれています。
カタログ値の最高出力は50馬力台と控えめですが、これはあえて比出力を抑え、日常使いや長距離巡航での快適性に振っているためです。水冷エンジンによる安定した熱管理もあり、部品への負荷が非常に穏やかなのが特徴ですね。
10万キロ超え実例が示すタフな設計思想
中古車を探していると、走行距離が5万キロ、あるいはそれ以上の個体を見かけることがあるかもしれません。「そんなに走っていて大丈夫?」と不安になると思いますが、結論から言えば、しっかりメンテナンスされた個体であれば十分実用範囲内です。
実際にオーナーさんの声やコミュニティの記録をたどると、NC750Xで10万キロを走破した実例は複数確認されています。同系統のエンジンでは13万キロ、海外では25万キロ以上もノートラブルで走っているという報告もあるほどです。

ポイント
10万キロという数字は決して神話ではなく、現実的な射程圏内です。ただし、これはオイル交換などの基本メンテが徹底されていることが大前提となります。
初期RC72と中期RC90の大きな装備差
中古市場で検討する際、特に迷いやすいのが2014年登場の初期型(RC72)と、2016年登場の中期型(RC90)です。
RC72は価格が40万円台から見つかることもあり、非常に手頃なのが魅力です。一方のRC90は、外装デザインが洗練されただけでなく、LEDヘッドライトの採用やラゲッジスペースの拡大など、日常的な使い勝手が大きく向上しています。さらに2018年以降のモデルでは、HSTC(ホンダ セレクタブル トルク コントロール)が装備されたグレードも追加されました。
| モデル・型式 | 年式目安 | 主な特徴と装備 | 中古相場の目安 |
|---|---|---|---|
| 初期型 (RC72) | 2014〜2015年 | 745cc化、2軸バランサー採用 | 45万〜70万円台 |
| 中期型 (RC90) | 2016〜2020年 | LED灯火類、外装刷新、トラコン(18年〜) | 70万〜87万円台 |
大幅進化した現行RH09の魅力と価格推移
そして2021年にフルモデルチェンジを果たしたのが、現行型にあたるRH09です。フレームの新設計による大幅な軽量化や、エンジンの出力向上(58PS)、さらには電子制御スロットル(TBW)の採用など、走りの質が劇的に進化しています。メットインの容量が23Lに拡大されたのも、ツーリング派には嬉しいポイントですね。
現在のRH09の中古相場は、おおむね70万円から90万円台が中心です。パニアケースなどの高価な装備がフルセットで付いている個体は110万円を超えることもありますが、新車での乗り出し価格や納期を考慮すれば、十分にメリットがある価格帯だと言えます。
ちなみに、最新モデルの動向が気になる方は、こちらの2026年新型NC750Xの進化を解説!生産終了の噂と選び方も併せて参考にしてみてください。
コスパが優秀なのは中期RC90か現行RH09

これらを踏まえ、予算と満足度のバランスから私が最もおすすめしたいのは、装備が熟成された中期型「RC90(特に2018年以降)」か、軽量化と電子制御の恩恵が大きい現行型「RH09」の良質車です。
初期型RC72は確かに安いですが、年式相応のヤレや、後からLED化などのカスタムをする費用を考えると、結果的にRC90以降を買った方が満足度が高くなる傾向があります。
失敗しないNC750Xの中古選びとメンテ歴
NC750X、とくにDCTモデルを中古で購入するにあたって、絶対に妥協してはいけないチェックポイントが存在します。ここでは、購入後に後悔しないための具体的な選び方を解説します。
DCT車特有のフィルター交換履歴を最重視
クラッチレバーのないDCTモデルは、左手の疲労を激減させてくれる魔法のようなシステムです。ただ、その構造は通常のMTミッションを油圧で自動操作しているため、オイルの管理が命綱となります。
とくに注意したいのが、通常のエンジンオイルフィルターとは別に存在する「クラッチオイルフィルター」の存在です。目安として2万キロ毎の交換が推奨されていますが、これが見逃されている過走行車は変速ショックなどのトラブルを抱えやすくなります。整備記録簿を確認し、フィルター類の交換履歴が明記されている個体を選ぶのが鉄則です。

DCTの走り自体に不安がある方は、NC750XのDCTはつまらない?MTと比較した最強の走りの記事で詳しく解説していますのでチェックしてみてくださいね。
RH09初期のエンスト対策とリコール確認
現行型のRH09を狙う場合は、過去の市場措置(リコール)への対応状況を必ず確認しましょう。
2021年の初期生産分の一部において、燃料噴射とクラッチ油圧制御のプログラムの不具合により、発進時にエンストするおそれがあるとしてリコールが届け出られました。すでに対策済みの車両がほとんどだとは思いますが、念のため販売店でECUの書き換えプログラムが実施済みかどうかを確認してください。
こうした情報については、(出典:ホンダ公式のリコール情報)などで車台番号を入力して調べることも可能です。また、その他の気になる点についてはNC750Xの不満と後悔ポイント総まとめでも触れています。
バッテリー電圧低下が招く変速トラブル

DCTの中古車でもう一つ気をつけてほしいのが、バッテリーのコンディションです。
注意点
DCTは電子制御と電動モーターで油圧をコントロールしているため、電圧低下に非常に敏感です。バッテリーが弱っていると、「Nから1速に入らない」「ギア表示が点滅する」といったトラブルが起きやすくなります。
冷間時のエンジン始動がスムーズか、アイドリングは安定しているかなど、試乗や現車確認の際にしっかりチェックしましょう。購入時に新品バッテリーへの交換を交渉するのも賢い方法ですね。
ツーリング装備付き車両の賢い選び方
NC750Xの用途特性上、中古市場にはツーリング向けのカスタムが施された個体が多く流通しています。
特に純正のフルパニア(トップケース&サイドケース)やエンジンガード、ロングスクリーンなどが装着された車両は非常にお買い得です。新品で揃えると数十万円単位の出費になるため、自分の用途に合っていればプラス査定要素として積極的に狙っていきましょう。
万が一のトラブルに備える
高価なフルパニア仕様などの極上車を手に入れた際は、出先での車上荒らしや車両盗難のターゲットになるリスクも高まります。安心できる相棒として長く付き合うためにも、購入と同時に盗難保険やロードサービスへの加入を強くおすすめします。
また、NC750Xは意外とシート高があるため、ローダウンキットが組まれている車両もあります。足つきに不安がある方は、あらかじめローダウン済みの個体を探すか、NC750Xの足つき不安を解消!160cm台でも乗れる理由の記事を参考に、自分に合った対策を検討してみてください。
愛車の無料査定で乗り換えの軍資金を把握
良質なRC90やRH09、さらにはフルパニアなどの極上車を手に入れるためには、どうしてもある程度の予算が必要になります。そこでおすすめしたいのが、今乗っている愛車の価値を正確に把握しておくことです。

まずは買取業者が実施している無料出張査定を利用し、乗り換えの軍資金がどれくらいになるのかを確認しましょう。予算の輪郭がはっきりすれば、「ワンランク上の高年式モデルが狙えるかも」といった具体的な検討ができるようになります。
今の愛車の価値をチェック!
店舗への持ち込みは不要!自宅まで無料で出張査定に来てくれます。お得にNC750Xへ乗り換えるために、まずは今のバイクの軍資金を確かめてみましょう。
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最高のNC750Xの中古車で極上の上がり旅へ
この記事のポイント
- エンジンは四輪由来の設計で10万キロ以上の耐久性を持つ
- コスパが高いのは装備が充実した中期RC90か現行RH09
- DCT車はクラッチオイルフィルターの交換履歴を必ず確認する
- RH09の初期モデルはエンスト対策のリコール実施済みか確認する
- フルパニアなど高価な装備が付いた中古車は実質的にお買い得
NC750Xは、低重心で取り回しやすく、DCTの恩恵で長距離ツーリングの疲労を劇的に軽減してくれる素晴らしい相棒です。過走行や年式にとらわれすぎず、「しっかりメンテナンスされてきた記録があるか」を最優先に探せば、きっとあなたにぴったりの1台に巡り会えるはずです。まずは気になるショップの在庫をチェックしつつ、今の愛車の無料査定から乗り換えの第一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。
※本記事は執筆時点の情報に基づきます。価格・相場・仕様等は変更される場合がありますので、最新情報は必ず公式機関や販売店で直接ご確認ください。